マトリックスのモーフィアスから学ぶ〜現代社会に必要な哲学〜
皆さん知ってた?
あの世界的最高傑作の映画マトリックスが今年で20周年を迎えるということを!
マトリックスといえばワイヤーアクションやVFX(視覚効果)を駆使ししてハイクオリティーのアクションシーンによって惹きつけられちゃいますよね。
それだけでも十分に面白い映画なんやけども
マトリックスは哲学や信仰といった要素満載で、今の現代社会や今後の未来に起こりうる人類のテーマを投げかけているかなりメッセージ性の強い映画なのです。
作中には数々の物議を醸し出す名ゼリフが出てくるのですが、今回はモーフィアスという作中でかなりのキーパーソンとなる人物であり、彼はこの映画の陰の立役者として活躍。
彼は作中の中で現代社会の本質に強く迫った主張をしている人物です。今回はこのモーフィアスの名言を1つ取り上げて考察していきたいと思います。
目次
・マトリックスのあらすじ
・モーフィアスという人物が発する哲学的な名セリフの考察
・今年マトリックスを楽しむために
マトリックス(※リローデッド、レボリューションズは除く)のあらすじから説明すると
プログラマーとして大手ソフトウェアに勤める主人公、トーマスアンダーソンはコンピューター犯罪を巻き起こす天才ハッカーとしての裏の顔を持っていました。いつも通りに日々生活を送っていた彼ですが、夢の中と現実の世界の境界線が曖昧になる感覚が自分の中で芽生えだします。
そんな中、彼に1通の不可解なメールが届きます。「起きろ、ネオ。マトリックスが見ている」という内容。そこから彼の元に現れる謎の女性、トリ二ティーとその仲間であるモーフィアスによって、これまで自分が生きてきた世界は全てマトリックスというコンピュータープログラムの支配のもと創作、操作された仮想世界だということをお告げられる。そして彼はその仮想世界から抜け出し、真実を知る決断に踏み切る。
この決断によって、ネオはその仮想空間を作り出すロボットとその支配から逃れんとする人間との戦争のキーマンとして物語が展開していきます。
ここまでが大方のあらすじですが
作中の中で今現実だと信じている世界は全てマトリックス(コンピューター)が作ってる物だと知り混乱ネオは混乱します。
そして混乱しているネオに対してモーフィアスがこう問いかけるシーンがあります。
「現実とはなんだ?現実をどう定義する?」
これに対してネオは沈黙します。
このモーフィアスの発言は今の自分が感じ取っている情報が全てだと思い込んでるネオに対して
それを否定する視点を持つためのアシストとなる問いとなっています。
結果的にネオは今まで信じていた世界を否定し、コンピューターの支配から自ら抜け出す決断に踏み切ります。
ここでポイントとなるのが、疑うことなく信じている世界を否定することの視点をモーフィアスはネオに与えていることだと思います。
疑うことなく信じている物=現実や事実といった固定観念に囚われいる内は、それ以外の情報は見えなくなってしまい、自分の選択肢を限りなく狭めてしまうことに繋がります。
要は固定観念の枠を超えない限り今自分の持っている選択肢以上の選択肢は見えないし、
今自分の観てる世界が現実であるという証明は出来ないということですね。
この問いは今の現代社会を生きる上で持つべき重要な視点ではないでしょうか?
マトリックスの世界では現実と表現していましたが、現実を事実という言葉に置き換えて考えてみてもいいでしょう。
あなたは現実や事実をどのように定義しますか?
今現代ではテレビや新聞、インターネットの普及により様々な媒体から個人が情報を容易に入手できる時代になりました。
もはやスマートフォンやパソコンは私たちの日常生活では欠かせない物になっています。
それは便利な時代になりつつある反面、多種多様な情報が飛び交う中であなたは莫大な数の情報に触れ、情報の取捨選択に迫られる場面も同じくに増えていることになります。
あなたはどの情報を信じるのか、信じないのか?をあなた自身で決めることが求められる時代になってきているのです。
そして、これから益々日常で触れる情報量は増え、その都度情報の取捨選択に迫られることになるでしょう。
そして、あなたが情報の取捨選択に迫られる時、持つべき哲学をここでモーフィアスはしてくれているのではないでしょうか?
彼は「現実とは何だ?」問いう問いに対して方法的懐疑という哲学的な手法を使って説明しています。
この方法的懐疑とは有名な哲学者デカルトが使っていた手法ですね。
この手法は簡単に言うと省く考え方のことです。
あなたが当たり前と思っていること=前提に対してとことん疑っていきます。
そして疑いの余地があったら省いていくということを繰り返していきます。
そうすることで、最終的に疑いようのない一つの事実に辿り着くというものです。
例えば、あなたの目の前に実際に机があったとします。
その机はあなたから見て当然目の前にある物だと思っていますが、その机は何の根拠を持ってそこにあると言えるのか?
ということを考えていきます。
当然、見えるし、触れるし、匂いも嗅ぐことができるからここに机があるのではないか。
という根拠に辿り着きます。そこにさらに疑いをかけていきます。
そもそも自分の五感は正常に働いているのか?そもそも夢の中にいるのではないか?
というような感じですね。
マトリックスの話の中でもこれと同じやり取りがされていて、
「現実とは何か?現実をどう定義する?感じるとか、匂いを嗅ぐとか、味わうとか、見るとかを
現実とするなら、現実とは君が脳で解釈した電気信号にすぎん」
とモーフィアスが発言しています。
この哲学的手法によって、ネオは今まで自分の持っていた現実という固定観念を否定し、そのの枠を超えることに成功しています。
このシーンから学べることは
・事実や現実という物は絶対的な物として存在しないこと。
・あるとすればあなた自身が作り出す固定観念の中にあるということ。
・あなたの中で思考を繰り返すことが、あなたの中の事実に辿り着く方法である事
・その方法として否定から始めることが枠を超えて思考するためのヒントになる事
いかがだったでしょうか?
この他にも、マトリックスの中には哲学や信仰の要素や盛りだくさんで、深く考えていけるシーンが
たくさんありますし、ストーリー自体が複雑なので正直1度見ただけでは面白さは100%では伝わり難い映画だと思います。逆に言うと2回、3回と回数を重ねて観ていけば、観ていくほど新しい気づきがある映画なので
これを機に観返してみてはいかがでしょうか?
そして、最後に朗報があります。
マトリックスの製作を記念して、2019年9月6日(金)より2週限定で4D上映されることが決定しました。
詳細:
監督、脚本、:ウォシャウスキー兄弟
製作 :ジョエル・シルバー
キャスト:キアヌ・リーブス(ネオ)、ローレンスフィッシュバーン(モーフィアス)キャリー・アン(トリニティー)
製作:1999年
原題:THE MATRIX
当時映像表現だけでも高く評価されていたマトリックスが、2週間限定で 4Dとして帰ってきます。
これは絶対に面白いのでお見逃しにならないよう要チェックですね!
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