BPL S2 DDRを終えて
はじめまして。
PO(ぽ)と申します。
BEMANI PRO LEAGUE -SEASON2- DanceDanceRevolutionにおいて、APINA VRAMeS所属プロ選手として活動させていただきました。
先に断っておきますと、記事の内容としては真面目な話が多めで、あまり面白味はないかもしれません。。
かなり長い記事になってしまいましたが、最後までお読みいただければ幸いです。
・・・
シーズン前
BPL ZERO
Ryu☆監督率いるTeam BLUEの3巡目選手として、試合に臨みました。
HIBIKI選手(現GiGO所属)、NAYU選手(現レジャーランド所属)という心強い二人とともに、戦略を駆使し、ファイナルステージまで全力で戦いました。
結果は惜しくも準優勝。
最後のタッグバトルの他選曲「最小三倍完全数」のプレイが終わり、Team BLUEの敗北が決まってしまった後のHIBIKI君の悔しさ滲む表情と、NAYUさんの涙が強く印象に残っています。
自分も、負けた悔しさ、濃密すぎる2日間を過ごしたことによる高揚感、その他様々な感情が溢れてしまいテンションがおかしくなった結果、
この後NAYUさんにナチュラルにタメ口をきいてしまったのですが(??)優しすぎるNAYUさんは「全然いいよ!!」と許してくれました。。笑
実はこの時点ではプロテストへのエントリーをしていなくて、
BPL ZEROを通して、チーム戦の楽しさ・素晴らしさを体感できたことが決め手となり、締切ギリギリにプロテストへエントリーしました。
ちなみに、のちのちAPINA VRAMeSアドバイザーのDJ Genkiさん(以下、元気さん)に自分の指名理由について少し伺ったら、このBPL ZEROでの活躍が決定打だったようです。
ドラフト会議に向けて頑張っていたこと
プロテストへのエントリーを決めてから、プロテストに合格するため、そしてプロ選手としてオーナー企業様に指名をいただくために、様々なことを意識して活動しました。
自分の各曲自己ベストスコアを他候補者と比較したときに、よくても3巡目、ボーダーギリギリくらいだと思っていたので、
各曲スコアをドラフト会議ぎりぎりまで高めることはもちろん、並行して数字で見える部分以外の+αを積極的にアピールすることを意識しました。
↑はドラフト会議直前のリザルトです。
(元気さんはこれらのリザルトもしっかり見てくださっていたみたいです)
チーム結成
ドラフト会議当日
あまり緊張はしておらず、他のプロ候補者の方々に会えるのも楽しみで、とにかく楽しもう!という気持ちでした。
3巡目指名
指名いただけることがあっても3巡目だと思っていたので、はじめの方はのほほんと経過を見守っていました。
しかし3巡目指名のRoundが近づくにつれ、心拍数がどんどん上がっていきました。
結果、APINA VRAMeS、SUPERNOVA Tohoku様の2チームから重複1位指名をいただき、交渉権は抽選となりました。
結成配信でもお話しましたが、抽選により自分のAPINA VRAMeSへの所属が決まった瞬間、少し遠い席に座っていたNOTTY選手(以下、のってぃ君)が立ち上がって「POさん!よろしくお願いします!」と元気よく話しかけてくれて、緊張がほぐれました。
そして実は、APINA VRAMeSはBPL2021からいち視聴者として密かに応援していて大好きなチームでした。
自分がその一員になるという事実を翌日くらいまで信じられなくて、自分の頬をつねったりして夢じゃないか何回も確認してしまいました。。
チームメンバーについて
のってぃ君とはドラフト会議直前にはじめましての雑談をしていました。世代が近いという話、DDR歴の話、あと広島の話とかしてました。
MAMURU3選手(以下、まむるさん)とは面識はあったのですが、ドラフト会議前、特に会話はしていなかったと思います。。
「いいすぽ!」でお互いに選手として出場したり、共通の知り合いが多かったりで顔を合わせる機会は何度かあったのですが、シーズンが始まるまで個人的な交流は特にありませんでした。
元気さんとは、もちろんこれまで交流はなかったのですが、
アピナファンであったにも関わらず、メガネでスーツの元気さん見慣れてなさすぎて、ドラフト会議中は「アピナに知らないお兄さんがいる…」とずっと気になってました。
このように交流の下地がなくお互いのこともまだよく知らない4人で始動したAPINA VRAMeS DDRチームでしたが、今ではとても仲良しです!
のってぃ君だけ遠方に住んでいて普段一緒に練習することができなかったので、
のってぃ君を合成した写真を定期的に作成することでチームの絆を深めました(?)
レギュラーステージ
APINA VRAMeSはGroup Bに。
レギュラーステージでは、以下の試合を行いました。
ここでは、振り返り配信およびTwitter上でお話しきれなかった部分を中心にお伝えできればと思います。
レジャーランド戦(Round2)
試合結果:Win! (10-8)
■オーダーについて
「広島のオールラウンダー」のってぃ君にとんでもない曲数の練習をお願いしてしまったのカバー範囲の広さを活かしたオーダーでした。
初の公式大会で2nd,3rdの2回出場、しかもストラテジーカードを使われてしまうという展開。大きなプレッシャーの中ポイントをしっかり守ってくれて、本当にありがとう!
■1st match 自選曲について
自選曲の1つであり、対戦相手のYUK1-S選手にPICKされたCHAOS(EXPERT14)ですが、実はこの枠は、選曲提出締切1時間前まではSaturn(EXPERT13)でした。
Saturnが3曲の中に入っていたら、YUK1-S選手はSaturnをPICKしたのではないでしょうか(今度聞いてみたい)。
その場合心臓勝負になっていたはず。結果的にSaturnを外し癖曲での勝負に持ち込んだのは個人的には大正解でした。
CHAOSは昔から大好きな譜面で自信はあったのですが、あまりにも急な選曲変更であったため前日の練習では対策不足と言わざるを得ない仕上がりで、多少の不安が残っていました。
しかし自分を信じて臨んだ結果、本番ではかなり上手くハマってくれました。
本番で集中力を十分に発揮できたことに加え、CLASSIC TRICKYの癖の強すぎる楽曲群を集中的に練習していたおかげで地力が上がっていたのだと思います。
■まむるさん公式戦初勝利
まむるさんはKACに何度も出場されていますが、実はこの試合が公式戦初勝利だったとのことです…!めでたい!
「勝ちの喜びを知ってしまったので、このまま全部勝ちたくなっちゃいました」とさらっと言い切るまむるさんが本当に頼もしくて、次の試合に向けて自分もパワーをもらいました。
■テレビ信州さんの取材を受けました
SUPERNOVA Tohoku戦(Round8)
試合結果:Win! (11-7)
■まむるさんのストラテジーカード使用について
まむるさんがここでストラテジーカードを使用した結果、残りコストと出場制限の関係で、次戦ROUND1戦で私がこの試合と同じ2回出場になることが確定しました。
まむるさんがストラテジーカードを使わなかった場合、ROUND1戦は1st matchのみの出場、そこで私がストラテジーカードを使用することになっていました。
以上のような理由から、思い切って「SUPERNOVA Tohoku戦 2nd matchで1巡目選手のまむるさんがストラテジーカードを使う」という戦略を立てました。
■昨日の友は今日の敵?
実はSUPERNOVA TohokuアドバイザーのSAYAちゃんはプライベートでも親交が深くお互いの思考回路もよく理解していたので、このSUPERNOVA Tohoku戦に関しては自分個人の戦略は全て読まれているものとして対策を行っていました。親友が敵になるの、脅威過ぎます。
■(^o^)ノ< ばにばに…誕生秘話
試合翌日、もう終わったことであるにも関わらず選手全員がちゅ〜いん☆バニーの譜面動画を朝から見て余韻に浸っていたことが発覚してみんな笑ってしまい、私が「ばにばに…」と言ったらまむるさんとのってぃ君も「ばにばに…」とマネをし出す
↓
元気さんが毎日朝起きたときTwitterで「(^o^)ノ < おはよー」と呟いている
↓
まむるさん「元気さんなら「(^o^)ノ < ばにばに…」って言いそう」
↓
(^o^)ノ < ばにばに…!!!
ちなみに公式(?)の表記は「ちゅーいん!ばに☆ばに!!(p`・ω・´q)」らしいです
ROUND1戦(Round12)
試合結果:Lose (6-14)
■心の持ち方
レギュラーステージ2試合目(SUPERNOVA Tohoku戦)が終わった時点で、APINA VRAMeSはGroup A, B全チームの中で単独で2勝をしていました。
ではそこで選手全員ノリにノっていたのかというと全くそうではなくて、むしろ真逆でした。
「今までの2試合は勝てたけど、戦略が上手くハマっただけ」
「ROUND1戦も勝ってグループ1位通過を目指したい気持ちはあるけど、そんな高望みをして良いのだろうか」
「堅実にいくなら、クォーターファイナルの対策に一点集中した方が良いのではないか」
そんなことを考えながら、ずっと練習に励んでいました。
元気さんが「もっと喜んでも良いと思います」と何度も言ってくださったのですが、素直に喜ぶことができず、
この気持ちのブレが、戦略面や試合結果に反映されてしまったように感じています。
そのような点で最も後悔の残る試合でした。
一方で、試合に臨む良い心の持ち方を知るための、非常に良い経験になりました。
レギュラーステージ総括
こうして振り返っていて気づいたのですが、APINA VRAMeSはGroup Bの中でストラテジーカードを最も多く(2枚)使われたチームでした。
つらい戦いだったんだなと思う一方で、ストラテジーカードを使われることでかえって相手チームの立てる戦略が読みやすかったようにも感じます。
ROUND1戦の敗北はとてもつらいものでしたが、全員その日のうちに反省点をしっかり洗い出し、次のクォーターファイナルに向けてしっかり前を向きました。
クォーターファイナル
レギュラーステージの結果、クォーターファイナルではGiGOさんと対戦することになりました。
GiGO戦(Round3)
試合結果:Lose (6-12)
■TSUYOSHI選手の安定感と本番力
自分は一曲を仕上げるという行為が元々あまり得意ではなくて、練習しすぎると本番かえって緊張してしまうため、「ある程度の水準のスコアが一度出たらそれ以上練習をせず、本番の自分を100%信じる」というスタイルで試合の対策をしてきました。
ここまでの試合ではそのスタイルが通用していたのですが、それがここではじめて壊されます。
「本番力の水準が自分と近い選手と戦った場合、地力と経験の差がそのままスコアに反映され"順当に"負けてしまう」ことに、この1st matchで気づかされました。よく考えたら当然ですよね。
自分が本番で自己ベストを出すことが多いのは、自分のメンタル維持のため、あえてスコアを詰め切っていないからです。
本番で自己ベストスコアを出すことが注目されがちですが、正直、レジャーランドNAYU選手やTSUYOSHI選手のように「すでに高い自己ベストと近いスコアをいつでも出すことができる」ことの方が本当に凄いことだと思います。
この敗退以降、「一定の水準で満足せず、今の自分より高い水準を貪欲に目指す」ことを意識して練習を行っています。
来シーズンでは、TSUYOSHI選手に勝るとも劣らない安定感を身につけてこの場に帰ってきます。
BPLについての雑記
「3曲からPICK」というルール
「3曲から相手にPICKしてもらう」というルールは、戦略の緻密さがとても光るもので、個人的にはとても面白かったです。
そして、これに関して痛感したのは、相手より自分が得意な曲で刺す戦略を立てる場合の「自己ベストが低かったり相手が直近に練習してなくても本番光らせられてしまう」楽曲を見極めることの重要性です。
3曲のうち1曲でも相手が「踏めてしまう」曲を入れたら「ラッキー!」と選ばれてしまい、対戦相手に心理的余裕まで与えてしまいます。
「心臓勝負」のキケンさ
格上相手などで心臓勝負が有効な場合ももちろんありますが、癖のある譜面がそもそも多いDDRにおいては、自分が頑張って練習した難解な曲を自信を持って選ぶことが大事であるとシーズン通して感じました。
今までたくさん練習をしてきた曲や得意な曲が他にあるにも関わらず、逃げ腰になって無難な選曲になってしまったmatchがいくつかあり、後悔しています。
女性選手として
BPL S2 DDRでは、BPL S2 SOUND VOLTEX ROUND1所属選手としてご活躍されていたMAHINA選手に続き、自分が2人目のBPL女性選手となりました。
しかし、BPLはKACなどとは異なり女性専用の枠が別途設けられている大会ではないので、プロテストエントリーを決めたその瞬間から、女性であることのハンデがあったとしても絶対に言い訳にしないことを心に決めました。
でも実際は、体格差などを自分の実力不足の言い訳にしたくなってしまうときは何回もあって、チームメイトのまむるさん、のってぃ君にはシーズン中何度か弱音を吐いてしまいました。
そんな声も優しく受け入れてくれて、でも(良い意味で)女性扱いをせずにチームとして一緒に戦い抜いてくれた二人には、本当に感謝しています。
また、ファンの方から「POさんの活躍を見て、同じ女性として勇気をもらいました」と言っていただけるのはいつも本当に嬉しくて、大きな励みになりました。
「女性でも男性と同じようにBPLで活躍できるんです」と今の私の口からはとても言えませんし、自分が出場した試合だけを見て安易にそう思ってほしくない、というのが本音です。
「音楽ゲーム競技シーンにおける女性選手のあり方」について、自分もまだ答えを見つけられていません。
このシーズンを乗り切った現時点での私の個人的な想いは、BPLが「女性でも活躍できる場」になることではなくて、選手側も視聴者側も選手の性別を意識することなく競技に関わることができる空気感がBPL全体に生まれていってほしい、というものです。
そうなるように自分が競技シーンを変えていきます!とも、とても言えないんですけれども、そのくらいの気持ちで、これからも色々なことに挑戦していきます。
さいごに
APINA VRAMeS所属のプロ選手として活動させていただき、今シーズン、本当に楽しかったです。
APINA VRAMeSを応援してくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
来シーズンどうなるか、そもそも開催されるのかはまだわかりませんが、APINA VRAMeS DDRチームは3人とも同じメンバーでまた挑戦をしたいという思いを共有しています。
これからS3が始まるIIDXチーム、SDVXチームはもちろん、DDRチームのことも引き続き応援していただけたら大変嬉しく思います。
皆さんも、DDR楽しんでくださいね。
ではまた!
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