『100日間生きたワニ』感想~ファスト不快映画~

100ワニを公開初日の朝一で見に行った。しかも有給を使って。

これを読んでいる方は上の文章を読んで私のことをクソ映画マニアかと思うかもしれないが、私は特にクソ映画を見たいわけではない。(直近見た映画は天気の子とTENETなので)

100ワニというコンテンツが終焉(オワコン)を迎えて久しい今日この頃、100ワニのその後をどのように描くかに興味がわいた、というのが見に行った理由である。

今までの100ワニに関する炎上はどちらかというと100ワニという話の外でなされてきた。(メディアへの露出、グッズ展開、追加要素の薄い本、生放送のサクラ、誹謗中傷に対するきくち先生のツイートなど)

逆に100ワニの話に関してはあまり批判的な意見は大きくなかったと思う。(だからこそあそこまで話題になり、その後大炎上したのだろう)

この『100日間生きたワニ』という映画が『100日後に死ぬワニ』コンテンツの中で異質である点として、主人公のワニが死んだ後のワニの友達の姿を描く、という部分が挙げられる。炎上している部分とは違い、その部分は面白いはずであろう(なぜなら上記した通り100ワニの話自体は面白いはずだし、きくち先生や作品制作チームもここでつまらない話を書いたらこのコンテンツの全てが終わってしまうことぐらいわかっているだろう)と思ったので、自分の中で100ワニというコンテンツを完結させるべく見に行くことにした。

私と100ワニとの関係

・twitterの100ワニは見ていた
・最終回は納得がいっていない
・書籍を購入していないのでワニが何故死んだかは知らない
・グッズを買ったりコラボカフェに行ったりはしていない


ここから下はネタバレを含みます。見たくない方はここでブラウザバックしてください。





感想  

めちゃめちゃつまらない映画でした。         
以下つまらなかった点を3点に集約して述べます。


つまらなかった点

①前半部分(ワニが死ぬまで)が非常に退屈

この映画はワニが死ぬまでの前半(原作の部分)、ワニが死んでからの後半(映画オリジナルの部分)という二部構成でできているのですが、前半部分は(わかるとはおもいますが)非常に退屈です。

30分少し過ぎくらいで前半が終わるのですが、そこまでは完全に苦行といっていいでしょう。

さらに退屈に感じたのは動きの少なさ、間の多さです。

予算がないのか動きが少なく、ほぼツイッターの漫画をそのままスクリーンでみているだけといった印象でした。(イメージとしてはyoutubeに違法アップされている漫画そのまま貼ってある動画みたいな感じです。)特に一番最初のワニが死ぬシーン(ワニが死ぬシーンは最序盤に1回、前半終了時に1回全く同じ絵が流れます。違うのは音楽だけ)のひよこが道路に飛び出す動きは命がなさすぎる動きで思わず笑ってしまいます。飛び出す絵本の仕掛けレベルの動きです。

さらにとにかく引き伸ばしたいのかシーン中の間(キャラがほぼしゃべらず、顔だけが差分で少し変わるシーン)が多すぎました。

ワニが友達のネズミとしゃべっているシーンでもとにかく間が多く、こいつら本当に友達なのかよと思ってしまいました。お互い喋っている時の口調は大学生風?(~っしょ、~ですなを多用)なのに黙るシーンが多すぎて普通に怖かったです。

②後半部の新キャラ「カエル」が不快すぎる

後半部ではワニの死により疎遠になってしまったワニの友達たちを繋ぐ舞台装置としてオリジナルキャラである「カエル」が登場しますが、こいつがマジで不快です。あまりにも不快すぎて前の座席を蹴り飛ばしそうになってしまいました。

ワニの死から立ち直れていないネズミなどの友達に対する馴れなれしい態度、底抜けに明るい話し方、すべてが気持ち悪いです。ここまで30分ワニと友達の生活を描き、ワニの死を引きずっている友達の姿に共感している観客に見せていいキャラじゃないと思います。

個人的な意見ですが、このカエルなぜか目の内側に切れ込みが入ってそこから肉が見えており、それもめちゃくちゃ気持ち悪いです。下の公式サイトから見られるので見てみてください。

ワニの死から立ち直った様子がネズミ以外描かれず、エンディングに強烈な違和感を感じる

ワニの友達と仲良くなろうとして空回りするカエルをネズミが慰めていくうちにネズミがワニの死から立ち直るというイベントを経て、ワニの死以降疎遠だったワニの友達が集まり、みんなで立ち直っていくというのがとても簡単な後半部分の説明なのですが、(詳細は映画館で確認してください。)ネズミ以外はどうやってワニの死から立ち直ったのかが描かれておらず、とても違和感があります。

特にセンパイ(ワニのバイト先のセンパイのワニ。主人公のワニと交際している)が恋人の死から立ち直った描写は必要だと思うのですが、特に描かれず、立ち直ったネズミからの「久しぶりに集まらないか?」というラインにウキウキのOKスタンプで返しています。ワニの死はそんな軽いもんだったんか。

正直前半のつまらない部分を引き延ばすくらいならもっとワニの友達がワニの死から立ち直る描写をもっと詳細に描けば良いと思うのですが……オリジナルの絵が必要になりますし予算がなかったんですかね。


まとめ

前半は無、後半は非常に不快な気持ちになり、最後は特大の違和感を残して終わるという感情のジェットコースターを楽しめる作品だと感じました。

60分1900円で感情を(悪方向に)非常に揺さぶられた作品でしたので、興味がわいた方は是非見てみてください。誰もみてないので感染症対策もバッチリだと思います。海外の映画館みたいに上映中大声でワニの応援したりスタンディングオベーションしても特に問題ないと思います。

余談ですが、2回目以降見る際は前半30分は見る必要がないので上映開始後30分後に劇場に入るといいと思います。そうすると30分で効率よく不快になれるファスト不快映画としてサクッとコスパよく楽しめる作品です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?