プラチナくん

突然、美しく、背の高い男子が転校してきた。

プラチナブロンドの髪、まつげまでその色で美しい人がいた。

日本語はペラペラだ。

外国人の血でも入っているのだろうか。

隣の席になった。

私は普通に接した。

美しいという理由で差別するのは嫌だったから。

しばらくたって、なぜか距離が近い。

手を握られたりした。

お互い、特に何も感じていないようだった。

プラチナくんは、あまり表情が表にでないのかもしれない。

私は彼のことをプラチナくんと呼んでいた。

クラスの女子は美形でプラチナの髪の彼をみて、キャーキャー騒いでいた。

ある時、視聴覚室で、放課後彼と二人きりになった。

星の映像をみたのだ。

プラチナくんは私にキスしてきた。

私はプラチナくんを押しのけて、走って逃げた。

次の日、プラチナくんは学校に来なかった。

彼の留学期間が終わったのだった。

走って空港に行ったけれど、プラチナくんはもういなかった。便は出発していた。

あれから、私は普通に生きている。

今日、人混みでプラチナの髪をみた気がした。

思い出して胸がツキンと少し痛くなった。

思い出の一ページ。


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