積みゲーの怨霊

都市の片隅に住むゲーム好きの青年、健太は、新しいゲームを買う度にわくわくしていた。しかし、忙しい日々の中で、彼はゲームをクリアする時間を見つけられず、未開封のゲームが積み上がっていく「積みゲー」の山を作ってしまう。

ある日、彼の友人から「実しやかに囁かれる都市伝説」を聞かされる。伝説によると、7つのゲームをクリアせずに積み上げた者には、ゲームの怨霊が現れ、制限時間内にゲームをクリアしなければ、その怨霊に命を奪われるという。

当初、健太はこの話を単なるジョークとして受け流す。しかし、その夜、彼の部屋に不気味な現象が起こり始める。テレビが勝手についたり、ゲームの音が聞こえたり。そして、積んでいたゲームの山から、青白い光が漏れる。恐怖に駆られた健太は、怨霊に立ち向かう決意をする。

制限時間は72時間。彼は睡眠も忘れ、一つずつゲームをクリアしていく。途中で幻覚や怪奇現象に襲われるが、健太は怨霊との奇妙な連帯感を覚え始める。彼は、これらのゲームたちもまた、プレイされることを望んでいたのではないかと思い至る。

最後のゲームをクリアする瞬間、健太は怨霊の正体を見る。それは、彼自身の疲弊した姿だった。ゲームの山は、彼自身のやり残した願望と夢の象徴だったのだ。

結末: 健太は全てのゲームをクリアし、怨霊は消える。しかし、この経験は彼に大きな教訓を与える。彼は自分の時間を大切にし、ゲームを楽しむ方法を見つける。そして、彼は再びゲームを積むことはなかった。

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