直角の世界

不条理や曲がったことが大嫌いで思った事は率直に言う大学3年の主人公「直角卓三」が朝目覚めると右しか選択できないさらに右しか向けない体になっていた。そしてその日は講義に出席しなければ単位を落としてしまう大事な日だった。
講義の時間まで3時間果たして卓三は講義に出席できるのだろうか

の設定で3000字程度の短編小説を考えて

直角の世界

大学3年生の直角卓三は、不条理なことや曲がったことが大嫌いだった。彼はいつも思ったことを率直に言うことで知られていた。しかし、ある朝、彼は奇妙な状況に直面する。目覚めると、彼の体は右しか向けないようになっていた。右を向くことしかできないのだ。

その日は、重要な講義に出席しなければならない日だった。単位を落としてしまうかもしれない。講義までにはまだ3時間あるが、果たして卓三は間に合うのだろうか。

卓三はまず部屋から出ることを試みた。彼は右回りに動き、壁にぶつかりながらもドアにたどり着いた。彼は右回りに廊下を進み、階段を降りることに挑戦した。階段を下りるのは一苦労だったが、彼はなんとかそれを成し遂げた。

キャンパスに到着すると、彼は右にしか進めないため、予想外のルートを通らなければならなかった。いつもとは異なる景色が彼を待っていた。彼は新しい道、未知の角度からの世界を見た。

講義室にたどり着いた時、卓三は既に遅刻していた。しかし、彼は諦めず、教授に事情を説明した。教授は最初は信じがたいと思ったが、卓三の状況を理解し、特別な配慮をしてくれた。

卓三は講義中、右側にしか注意を払えなかったが、それが彼にとっては新しい発見となった。彼は普段は見過ごしていた細かな詳細に気付き、新たな視点から学びを深めた。

その日の終わりに、卓三は自分の体が元に戻っていることに気付いた。彼はこの経験から、物事を一方向からだけではなく、様々な角度から見る大切さを学んだ。それは、彼のこれまでの直角的な思考に新たな次元を加えることとなった。

そして、卓三はこれまで以上に率直で、しかし多角的な視点を持つ人間として、新しい日々を歩み始めた。

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