隠された山の秘密

あいつがあんなこと言うから、、ついカッとなってやっちまった…でも大丈夫だ、俺しか入口を知らない山がある。あそこに埋めれば絶対見つかりっこない…ただあの山は出口がないんだ、あるのは入り口だけ から始まる短編小説を2000字ほどで考えてください

タイトル:「隠された山の秘密」

あいつがあんなこと言うから、、ついカッとなってやっちまった…でも大丈夫だ、俺しか入口を知らない山がある。あそこに埋めれば絶対見つかりっこない…ただあの山は出口がないんだ、あるのは入り口だけ。

この言葉を胸に秘め、僕はその山へ向かった。深夜、人目を忍んで、持っていたものを埋めに。その山は奇妙な噂で有名だった。入った者が二度と戻らない、まるで別世界に通じるかのような不気味な場所。

しかし、僕には関係なかった。ただ、これを隠す必要がある。そうすれば、すべてが元通りになる。そう信じていた。

山への道は険しく、僕は何度も躓いた。けれど、目的を果たすまでは引き返せない。ついに到着したその場所は、何の変哲もない森の中。僕は穴を掘り、その中にそれを静かに納めた。

「これで、安心だ」とつぶやきながら、僕は元来た道を戻ろうとした。しかし、一歩、また一歩と進むごとに、周囲の景色が変わっていくことに気づいた。木々はより高く、空気は重く、そして、何より、背後の道が消えていた。

恐怖に駆られた僕は走り始めた。だが、どれだけ進んでも出口は見えない。夜が明け、また夜が来る。疲れ果て、僕はついに倒れ込んだ。目を閉じたその瞬間、ふと思い出した。あの言葉。

「あるのは入り口だけ」

まるで、この山自体が生きているかのような錯覚に陥った。出口はない。僕はここから出られない。しかし、不思議と、その事実を受け入れると、心が穏やかになった。

数日が経ち、僕はこの山の秘密を少しずつ理解し始めた。ここは、ただの山ではない。過去の罪を背負った者たちが、その罪と向き合うための場所。そして、僕もその一人だった。

山の中で、僕は自分の行いを深く反省し、そして、あの時の怒りの理由が、いかに些細なものだったかを悟った。僕はあの時、何を失ったのだろう。そして、これから、何を見つけられるだろう。

日々は静かに過ぎ、僕は山と一体となった。そこには時間の感覚もなく、ただ、自己との対話があった。そして、ある日、突然、前に見たことのない小道が現れた。

躊躇いながらも、僕はその道を歩き始めた。そして、長い旅の後、ついに山を抜けた。そこには、見慣れた世界が広がっていた。しかし、僕はもう以前の僕ではなかった。

戻ってきた世界は変わっていない。変わったのは、僕の心だ。過去の過ちを受け入れ、新たな一歩を踏み出す準備ができていた。

僕は深く息を吸い、前を向いた。山の秘密は、もう僕の中にある。そして、これからの人生は、きっと違った色で彩られるだろう。

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