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漫画「健康で文化的な最低限度の生活」柏木ハルコ

社会保障や福祉について描かれている漫画って珍しいなあと思って、読んでみました。現行発売されている11巻まで。
読んでて結構しんどいところも多いです。元気があるとき、日中に読んだほうが良いです。



生活保護制度につて、厚生労働省のHPでは、下記のように記されています。

「生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。」

福祉事務所は、ただ単にお金がないから、働けないからと言って生活保護を支給しているのではなく、なぜそのような状態になっているのか、本人の精神状態や家族に問題はないかなど、様々な方面から判断をしています。

各職員が抱える受給者や相談者の数が多く、一人一人にかける時間も長いから、福祉事務所の職員はいつも忙しそう。

主人公が生活保護受給者から「育ちのいいお前らには何もわからない」と、なじられるところが、胸が痛くて。
たしかにその通りだけど、自分を助けるために手を差し伸べてくれて、優しい言葉で対応してくれている主人公にさえ、暴言を吐いてしまう。
お金が無かったり、安全が保障されていない生活をしていると、人はこんなに乱暴になる。怖い。

貧困の連鎖や、貧困ビジネス、軽度知的障害からくる就労困難など、社会問題についても、ふわっと知ることができました。
世の中の難しさや社会問題について知るための導入として、とても役に立つ漫画。読んでて楽しいお話じゃないからちょっと辛いけど、中学生くらいから読めると思う。


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