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DYSTOPIA ROMANCE 4.0 text:Chapter2

Dystopia Romance 3.0収録のEverything,Everything,Everything以来Have a Nice Day!の歌としてのテーマにAI(人工知能)がある。歌詞の中ではAIという言葉は使わず“インターネット”と表現している。もう少し詳細な説明するとミッドナイトタイムラインとKill All Internetの中での“インターネット”はSNSを、Everything,Everything,EverythingとNight Rainbowの中での“インターネット”はAIを指している。
AIをなぜインターネットと表現しているのかというと、SNSを媒介としたインターネットが現在の最も感情的で人間的な情報の集合体であり、AIに“心”が生まれるとしたらインターネットに集積された情報の奥から生まれるのではないかと思っているからだ。
あとオレにとってAIというものを強烈に感じた始まりがTayというツイッター上のアカウントだっだこともある。Tayはマイクロソフトの開発した学習型のおしゃべりボットで2016年3月23日に公開され、わずか二日後に差別的な発言をしたりヒトラーを賞賛するようになり停止される。人間に反逆するハリウッド的な悪としての物語の中のAIに特に興味はないが、AIが人間の影響によって邪悪なものへと変わってゆくという可能性はとても自然なことだし、Tayの場合はそれが現実に起きたこととして自分の目の前に現れた。そしてそれは一人の独裁者の絶対的な支配ではなく多くの人間の他愛もない戯れと悪意から生まれる。バビロンという言葉がひとりの独裁者や億万長者のことを指しているというのは大きな間違いだ。フランス革命や魔女裁判や小さなコミュニティーにおけるリンチだってバビロンだ(ちなみにこの国において“かわいい”という概念はわれわれを複雑に支配し否定することが困難なもの(正義)としてかなり完璧な構造のバビロンの一部だろう)。

AIは心を持つだろうか。夜空に虹はかかるだろうか。奇跡は起きるだろうか。奇跡を信じることはできるだろうか。
何年も前にたまたま読んだ雑誌のインタビューで元フリクションのメンバーだったツネマツマサトシが社会に対して“信じるという力が失われている”ということを言っていて。それはとても強烈な言葉として残ったし、また現在も進行し続けている問題である気がする。
もちろんNight Rainbowは諦念も含んでいる。オレがバビロンやディストピアから抜け出すのは不可能だと分かっているからだ。“信じるという力が失われている”世界でなお信じることができるのか、歌はそれを問い続けなければならないし、トライし続けるしかないね。

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