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『ザ・フィフティーズ』 / D・ハルバースタム

狂騒的なアメリカ60年代という陰にかくれた50年代とはいかなる時代だったのか。第二次世界大戦終結後の世界情勢に始まり、アカ狩り、核開発競争、テレビメディアの台頭、マーロン・ブランド、ジャック・ケルアック、エルビス・プレスリー、ジェームズ・ディーン、マリリン・モンロー、アジアや中南米諸国への植民地的介入、ペイトン・プレイス、スプートニク、クイズショー、フィデル・カストロ、その他かなり広範囲をかいつまんだ内容なんだけど、ハルバースタムの書き手としての統合力と文章自体の魅力もありつつアメリカ50年代は途轍もないエネルギーが蠢いていた時代だったんだと分かる。そしてそれが今日の世界にもつながっているのが強烈に感じられるのは2021年という現在に読んだせいだろう。牧歌的な時代として捉えた解説も添えられてけどいまの時代をオレがややシリアスに見てるせいか全然ノスタルジックな話に感じなかった。この時期に起こった公民権運動の問題はまさにBLMに直結しているしね。物質的な豊かさを享受する中流階級が人類史上初めて生まれたのがこの時代だからこそ現在の混沌の起源の多くがこの時代にあったんだろう。いまを知る手がかりになる本だと思う。ヒントは必ずしも現在にあるわけじゃないっしょ。
7月はほぼ1ヶ月間この本を読むことに費やしたな。いままで読んだ本で一番の物量だったかも。もともと友達から「アメリカ映画たくさん観てるなら歴史的なことが分かってるともっとドープに理解できる」って言われて貸してもらった本なんだけど、いまのタイミングで読んで良かったね。個人的にはマリリン・モンローやエルビスの存在した意味も分かってそのあたりもけっこう楽しかった。期せずしてロックンロールの黎明期の背景が少し知れたしね。名作。

コツコツと作ってる東京獣道トラックはいよいよオレの才能と溶け合ってきた。リリース前提のトラックではないし、遊びな範疇の制作だからかなりリラックスした強いフレーズが作れる。強いて言えば友達と遊んだときに聴かせるっていうのがあるくらい。結局好きな感じが同じ連中だからオレがブチあがるポイントでブチ上がってくれるしお互いに難解なことがないってのは良いことだな。
映画音楽やエクスペリメンタルな感じを集約した「DOG DAYS 09」と、「CRACK SONG 03」を下敷きにして作ったEDM風の「UNICORN TRACK」。この2曲は自分でもフレッシュな感じがしてけっこう気に入ってる。シングルになり得そうな妙な強さがあるし、単純にフレーズが冴えてきてる。まさに夏の盛りに咲く百日紅、季節感ある。自画自賛。


「BIRD SONG 03」:ハバナイ的な感じもありつつアッパーなフレーズは入れなかったせいか叙情的な雰囲気が拡張されてやや新機軸。意外とやってなかったこの感じはもっと追いかけたい。歌詞がなくても"寂しさ"や"孤独"みたいなものを表現する方法はもちろんあるわけだ。


「TROPICAL STORM 10」:もともと作りたかったディスコダブっぽいベッドルームナンバー。これ作れるのめちゃくちゃ嬉しい。いろんなフレーズ、BPMで試してみたい。最近になってLINDSTROMを改めて聴いてディスコダブ良いなと思ってるんだよね。いつか"Closing Shot"のようなスーパーアンセムをモノにするのが夢です。


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