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2022年MLBドラフト ヤンキース8、9巡目指名選手(Brett Barrera、Matt Keating)

こんにちは。D-Betです。今回はドラフト8巡目指名&9巡目指名のBrett BarreraとMatt Keatingについて。


Brett Barrera

ポジション:投手
投/打:右/右
身長/体重:188cm/102kg
生年月日:2001年8月7日生まれ

Stanford大学時代のBrett Barrera

☆略歴

 カリフォルニア州ランチョ・クカモンガ出身で、高校も地元カリフォルニア州にあるハンティントン・ビーチ高校に進学。バスケットボールやフットボールもしていましたが、野球選手として高校生の時から巧打者として活躍を見せており、高校生としてカリフォルニア州では120位前後、アメリカ全土で500位前後の野球選手と評されていましたが、当然2019年のMLBドラフトでドラフト指名はされず。それでもその実力は評価されており、パック12・カンファレンスの強豪校であるスタンフォード大学へのコミットがあり進学。

 大学進学1年目の2020年はシーズンがキャンセルされるまで、代打や1Bのスタメンとして7試合に起用されたが、打率.150、出塁率.261、OPS.461、0HR、3三振、4四球とイマイチな成績。

 短縮シーズンではなくなった2021年はサード、ファースト、セカンドと内野3ヶ所を守り、24試合に出場するもレギュラー起用とはいかず、成績も打率.215、出塁率.282、OPS.697、4HR、13三振、6四球とこの時点ではとてもドラフトにかかるレベルの成績ではありませんでした。

 しかし、ドラフトイヤーである2022年はシーズン開幕時こそ内野のバックアップ&代打要因だったものの、与えられた機会で結果を残し徐々に出場機会が増加し、3月下旬頃からはセカンドのレギュラーに定着。その後もコンスタントに安打を積み重ね、レギュラーシーズン打率.372は所属するパック12・カンファレンスの1位。シーズン通算でも打率.351、出塁率394、OPS.970、HR 11、四球15、三振42とドラフトイヤーに打撃が急成長を見せ、一気にドラフト候補としての評価を上昇させました。


☆選手としての特徴

◎打撃

 ドラフトイヤーにカンファレンスの首位打者を獲得したことセカンドであることから、ぱっと見はヒットツールの評価が高いタイプと思われがちですが、彼の最も優れたツールは先述の188cm、102kgの豆タンク体系から繰り出されるパワーで、速い打球速度で内野、外野の間を抜く打球が多く、外角のボールに対しては逆方向に長打を打てる点も◎。逆に言えば打球角度が低く、ゴロが多いとも言えるわけでその点は改善する必要があるでしょうね。

 勿論、パック12・カンファレンスで好成績を残したわけですから、ヒットツールも悪くはないですが、四球率が低く、またその選球眼の割にどんな球でも打てるタイプというよりは失投を逃さず叩くタイプで、コース的にも内角への対応に課題があるとも言われています。


◎守備走塁

 走力は低く、生来のスピード、走塁技術共に平均を下回るレベルで、ソフォモア&ジュニア時には盗塁企図自体がゼロ。ドラフトでは何故かショートとして指名を受けましたが、守備率が.960以上と堅実である以外は、その平均を下回るスピードと俊敏性の悪さ故に評価が低く、ショートどころか将来的には現在多く守っているセカンドからファーストに移るのではと言われています。肩の強さについては、高校時代に内野からの送球速度85〜86マイルを計測しており、ショートとしては平均的、セカンドとしては少し平均より上くらいの肩の強さはあると思われます。


☆雑感

打撃ファーストの選手、いや〜、好きですねぇ〜


スキゾー



Matt Keating


ポジション:投手、(内野手)
投/打:右/右
身長/体重:185cm/97kg
生年月日:2000年12月7日生まれ


Southern California大学時代のMatt Keating


☆経歴

 
 ネブラスカ州オマハ出身で高校は同じネブラスカ州のクレイトン高校に進学。高校では野球とともにフットボールとパワーリフティングもプレイしていたアスリートでしたが、野球選手としてはネブラスカ州ではそこそこ高い評価を得ていたものの、全国的にはそれほどではなく、それもあって当初はネブラスカ大学に一般試験での受験を考えていましたが、地元ネブラスカ州のリンカーンにある短期大学のサウスイースト・コミュニティカレッジのコーチであるDion Parksの勧誘もあり(Keatingのアームスピードと高校のシニアイヤーの打撃を見て評価したことで)、高校卒業後はサウスイースト・コミュニティカレッジに進学。

 入学後は上記のアスリート力で投手兼内野手の二刀流選手として起用。起用法から見ると投手としては救援としての登板だけで、野手としての比重が高かったと思われます(まあのちに投手に専念してるので詳しい人から見るとポテンシャルは投手としての方があったとも考えられますが‥)。2020年はパンデミックにより投手として4登板、野手として10試合の出場にとどまりましたが、7.2イニングでERA15.26、K/9=15.26、BB/9=8.21、打率.333、OPS1.057とスモールサンプながら投手としては潜在能力&未完成さ&粗さを、野手としては強打ぶりを発揮しました。

 パンデミック明けの2021年シーズンも昨シーズンと同様に二刀流として起用され、投手としては9登板(全てリリーフ)、16.0イニングでERA0.56、K/9=18.56、BB/9=2.8とリリーフとしては申し分ない成績。野手としてはDHやサードとして起用されましたが、46試合で打率.404、出塁率.534、OPS1.483、学校記録となる19HR、27盗塁と(投手のレベルはともかく)圧巻の打撃成績を記録し大活躍。この活躍もあり、2021年シーズン後にはパック12・カンファレンスに所属するサウス・カリフォルニア大学への転校を決意しました。

 転校した2022年シーズンも昨季と同様にDH・代打兼救援投手として起用されましたが、野手としては11打数無安打と結果を残せず、シーズン途中で救援投手に専念。3月頃から抑え投手として起用され、やや制球を乱す場面はあったもののハイペースで三振を量産。シーズントータルでは24登板でERA3.60、被安打24(H/9=7.2)、44三振(K/9=13.2)、15四球(BB/9=4.5)、WHIP1.30と好投し、投手として少し評価が上昇。この活躍もあってか来シーズンからはアトランティック・コースト・カンファレンスに所属するノース・カロライナ大学への転校のコミットがありましたが、投手としての好投を買われ、あるいはスライダーの威力を買われ、全体280位でニューヨーク・ヤンキースが指名。ちなみにドラフト直前のベースボール・アメリカによるドラフトランキングでは292番目にランクインしていました。契約金12万2500ドルで契約(スロット額は15万8000ドル)

☆選手としての特徴

 先述のように、カレッジでは内野手兼投手を経て、ドラフトイヤーに救援投手メインに移行するなど投手経験が浅く、伸び代があるのはプラス材料。4シームは平均89〜91マイル、最速93マイルと特段速くないですが、スピン量が多く球速以上の効果を発揮。とは言っても平均以上かと言われるとうーん‥。スライダー(カーブとも)は平均82〜83マイル、最速86マイルながらハイスピンレートで空振り率が高く、間違いなく彼の1番のマネーピッチで、プラスピッチと評されることも。先述のように、カレッジでは内野手兼救援投手を経て、ドラフトイヤーに救援投手メインに移行しており、変化球のバリエーションがさほど必要でなかったため、実質球種はこの2つのみ。ただ先述のように投手経験が浅く、(何度も言うように)伸び代があるのは確かです。あと上で述べているように元野手なので打撃は良い。

非常に練習熱心(サウスイースト・コミュニティカレッジのコーチ談)。
余談ですが、好きな食べ物は寿司らしいです。


こういう寿司が好きなのかはわからん


☆雑感

スライダー投手なのでヤンキース育成陣の得意分野ですね


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