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ネガティブの恩恵

今日は細々とした用がいくつかあったので、出掛けようと車のエンジンをかけると...
かからない
セルは勢いよく回るのだが、シュルルルっというだけでエンジンがかからない。
これはバッテリーが上がったのかなぁと思い、しっかり充電して、再びエンジンをかけるも... かからない
これは参ったなぁと思い空を見上げる。
寒い冬から一歩一歩春に近づく空は青く、優しくほんのり温かい日差しが降り注いでいる。
庭の雪柳は満開に近いほど咲いている

さて、荷物をリュックに入れて、電車とバスで行くとするか...

大学生の次女は、大学の春休み中、高校生の三女は、学校が入学試験のためお休み。普段、クラブ活動で大忙しの彼女の滅多にないお休み。
2人を誘ってみると、笑顔で一緒に行く〜!
彼女たちにとっても、新鮮なようだった。

まずは徒歩で最寄り駅まで。
おしゃべりはつきません。
「彼氏欲しいけど、かっこいい子がなかなかいない」と
完全に自分のこと差し置いてのご意見。
「類は友を呼ぶんだから、まず自分が素敵にならんとね」と言ってやった(笑)

駅に到着すると、時刻表と運賃表を見て切符を購入。
各駅停車しか停まらないがらんとした駅のベンチに3人並んで腰掛ける。

三女の進路なんかについてもゆっくり話した
やがて、電車に乗り込み、バスに乗り継いで市役所まで行く。
用を済ませて、バスの時間を見ると、結構な待ち時間。
3人で歩くことに決めた。 

車ならきっと通り過ぎていた、お肉屋さん、八百屋さん、文房具屋さん、紙の専門店、蜂蜜饅頭屋さん、昔からの駄菓子を手作りで作っているお店。
コロナ禍で閉めてしまったお店もいくつかあったけれど、こうして頑張ってご家族で開けているお店を見ると、「がんばれー」って言いたくなる。

鶏肉屋さんで、ローストチキンを家族分買う。お店のおばちゃんに、「食べながらあるいてく?」と聞かれた。いやぁ、16歳、19歳の女の子がローストチキンを食らいつきながら歩くのも、なかなかワイルドな絵面になりそうで...
「あっ 夕食にいただきます」というと、温め方など親切に教えていただいた。
こういうお店の人とのやりとりが、私の小さいときを思い出してとても懐かしかった。
ほっこり温かい焼きたてのローストチキンをリュックに入れて、また歩き始める。お花屋さんはすっかり春で、いろんなお花が私を見てと言わんばかりに咲いている。

次は手作り駄菓子屋さん。べっこう飴を作る店内は、なんとも言えない優しい甘い匂いに包まれていた。
店頭には、色とりどりの飴、金平糖、お煎餅と昔ながらのお菓子が並べられていた。娘たちは、目をくりくりさせながら「かわいいー」っと叫んでいた。
金平糖と大玉の飴を買って店を出た。
昭和中期にタイムスリップしたような感覚を味わった。

また、次を目指して歩き始める。
駅付近に立ち並ぶ、開店前の居酒屋さんを指差しながら、20歳になってお酒飲めるようになったら、絶対来ようねと約束しながら、今日のところは新しくできたカフェで休憩を取ることにした。

日頃の運動不足、車に乗ってたら気が付かない、街並みの風情やお店の人の想い。
車が故障したのは痛手だけれど、それに負けない素敵な体験ができた1日でした。

ママ!またこの企画やろ!
って言う、娘たちの嬉しい言葉に満足の私でした。

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