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トッポという灯台

二〇一七年九月十五日金曜日

晴れ

母の家へ向かう電車のなか、のんさんの隣に座った女性がぐぐっとつめてくるので、なぜかしらと気になる。
おおきな声でたのしそうに前に立つ息子と話す彼女は、素直ですれていない印象の彼を育てた飾らない印象の方だった。

「煮物もいいな。それじゃなくてもいいけど。」と早口にすこし声をちいさく息子は言う。うまく聞き取れなかった母だけれど (もうひとつふたつ言葉を交わしていたかもしれない)「煮物なんてすぐ簡単にできるよ」と言い、「蓮根の入った煮物がたべたい」と今度はおおきくはっきりと伝えていた。

それからいくつかの話題の後に「みんなで死ぬならいい」と言った彼は言った。おかあさんは、そんなという様子でしばらく口を閉ざしていた。彼のような意見は多数なのだろうか。そんなの受け入れてどうするんだろうか。

彼らはその話をそれ以上話さず、本田翼はかわいいとかそんな話題をしていた。カラリンコロリン、カラコロリン。

晩ごはんは、みっちゃんという焼き肉屋さんにて。ハラミ、ステーキ、テグタンスープ、ワカメスープ、豆腐、ごはん。

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