見出し画像

キウイの言うとおり

二〇一七年七月十八日火曜日

晴れとどんがらがっしゃーんの雨と雷そして曇り

一才半の検診。予防接種と待ち時間と、重たいどんよりきもちと対話しながら説得して向かった。のんさんの身長や体重や歯の具合がわかるのはよろこびじゃんね、と。

雷の音がして、一度家に戻り洗濯物を取り込んだのは、ぱんぱかぱーんだった。

保健センターに着くとぽつぽつ、ぽつり。「じゃあじゃあ」と空の見える天井を見上げながらのんさんは呟く。よしきょうか、ときのうくらいに思いつき、はじまった気がするくうきの大掃除。ぽいっと雷を投げちゃって、保健センターはみじかいあいだ停電した。その瞬間、こどもはわーんと泣いた。のんさんは、その前に歯科検診で口をひらかされたり手を抑えられたりしたことへのいやだ泣きで、そんな雷なんてしらないのよ、という様子だった。

なにか抑えられたりじぶんの身体の自由を止められるとほんとうによく怒る。身長を、測ってもらうときも泣いた。内科の先生に診てもらうときにも。

帰り道はいくつもの水たまりをぴしゃぴちゃぱちゃぱちゃさせながら帰る。

のんさんががんばったのだしのんびり帰ろうと思ったのに、バスで帰るからかすこし経ち、行くよーと声をかける。水たまりに夢中で声は届いていない。もう一度呼ぶと彼女は気がつく。そして、かけてきてくれたのだけれど、わたしは彼女の行為を中断させてしまったなあとすぐに後悔した。マンホールのあなに葉っぱを置いて、そのあと落とすという行為をしていた。ひとつのあなではなく、まんべんなく花びらのように並べているのも興味深かったなあ。水たまりについたのであろうお尻も濡れていた。公園でお尻が濡れてもなにも言われないのに、「濡らしちゃだめだよー」と、わたしに言われてどうしてだろうと思っただろうなあ。これからバスに乗るからだなんて、おとなのわたしの勝手で、覚悟の話。怒るときはだいたいわたしの勝手。

夜ごはんは、キムチ、玉ねぎと人参としらすの炒めもの、蒸した茄子 (辛子醤油につけて)、トマトスパゲッティー (茄子、玉ねぎ)。

夏のよていがなかなか決まらないわが家。何時も、紆余曲折してぴょーんっとひらめく。その、これだ!までが長い。

世界中に立ち寄れるひとと場所をすこしずつすこしずつ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?