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小松菜のくちばし

二〇一七年九月二十三日土曜日

曇りのち晴れ

たまごを、フライパンの熱い油のうえに落として、液体の部分が沸騰してぐつぐつと踊り白く固まってゆく。

そんな過程眺めていない。帽さんのいるこんな日だからできることだなあとぼんなり眺めた。

パエリアパンのフタを取りに行く。中村さんに紹介していただいたエンジニアの方に車のキャリアを作っていただき、今回はフタをお願いしていたのだそうだ。わたしとのんさんははじめてついて行く。
軽やかな風のとおる職人さんという佇まい。さくっとしていて、気さくな方だった。そこにいるあいだにも、オートバイに乗って2人男性が訪れていた。これから加工をしてもらうのか、相談している。好きなものの話をできるひととこんなふうに日々接して、手や頭を動かしつくるというのはきもちがよさそうだ。

ブランチだったのでおやつの時間におなかがへる。大山家へゆこうかと帽さんの提案。麺がおいしいと帽さんは呟き、のんさんは海苔や焼豚を残してそのなかから麺をずっと探しつづけていた。のんさんは身体にひつようなものだけを摂取しているなあと思う。おいしいものは食べる。

エンジニアの方はつくるけれど、どちらかというとクラフト。クラフトはつきつめると工業製品。実用性を優先しているところがアートとの違いかなと、帽さんは答えた。これはアートか、アートではないと思うならなぜかというのをぼんやりうすくずっと思ったり考えたりしていて、きょうのエンジニアの方もつくるものは作品と呼ぶこともできるだろうけれどもアートでないのはなぜかとかもももんとして、帽さんに訊ねた。

晩ごはんは、とつぜんの水炊き鍋 (小松菜、きゃべつ、とり肉、ごぼう、豆腐)。
おやつの時間のラーメンだったためあるもので水炊き鍋に。のんさんは小松菜がとまらなかった。

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