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クリームいろの酸素ボンベ

二〇一六年十一月二十九日火曜日

晴れ

ふとした思いつきで連絡をする。すぐに返ってくるときは、そういうときだと会いにゆく。つくった柚子のジャムと柚子の味噌を新聞紙に包んで。制作三昧の日々だろうからとおせっかいまん母心、なんとなくサンドイッチも買ってゆく。

玄関をあけてくれたいくこさんをみて思い出した。ああ、つくるってそうだった。手をうごかすというのは、手をうごかすだけではないということ。それだけじゃなくってむき身状態。生まれたての赤子のごとくほわほわで、もうなにを言われたって泣きそうになったりするような、こころがそとがわに出てしまっているような、すべてがぴりりとしみやすい、あたまからだぜんぶまるごとうちゅうの中。短距離走をはしるときに息をとめて、すぽっと入り込み潜る。つくるってそうだった。
そんな中に、例えるならば裸足にビーサンなのんさんとわたしが入ってしまった。制作のお邪魔にならぬようはやくお暇しようとそれくらいでとまっていた想像力、おでこにぺしんと手のひらあてる。
のんさんは着いて早々うんちくんをするというリラックスっぷりで、テーブル(もともと帽さんがつかっていたものを、いくこさんたちがもらってくれてここにいる)のまわりをくるりと探検していた。テーブルをつかっていないいないばあをしたり、カホンをたたいたり、くつろぎたのしんでいた。

またねと手をふる。のんさんはみえなくなったころ、手をふっていた。そのあと届いたメールの言葉をよんでほっとした。ああ会いに行ってよかったのだ。

夜ごはんは、くるみ和え、水炊き、しめのうどん。

すーさん二歳のたんじょうび。はっぴいはっぴいばーすでい。

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