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お池でバターをつかまえて

二〇一七年四月二十六日水曜日

晴れ

川に手をひたすと思ったよりもあたたかい、生ぬるい温度。すこしの生臭さと石についたぬるっとした感触に、川の生々しさをかんじる。見ているほど美しくはなくて生きている。こんなに長くここをみてきたのに、なんにも知らなかった。

のんさんの足が向く方へ歩いていたらきょうは川沿いにたどり着く。橋のしたを歩くと声が響く。手をたたいてのんさんに響きを聞かせようとすると、のんさんも手をたたく。しばらくふたりで手をたたいていた。

石をぽちゃんぽちゃんと投げ入れていると、幼稚園園児のおにいちゃんがおおきな石のうえを歩き向こう岸へ歩いてゆく。慎重に道を選ぶのだけれど、なかなか選び方がわからないというようすですこし濡れてしまったと半べそ。濡れた靴を脱いでどうしようかとしているとタオルが川につかってしまう。「濡れたところでかお拭いたら。」というその子の母の声に、もっと濡らして顔を拭く。そのようすをわたしもじっとみてしまっていたけれど、のんさんもよくみていたのだった。濡れたところを手ぬぐいで拭こうとすると貸して貸してとひっぱる。彼のように手ぬぐいを川の水に浸す。滴り落ちる水滴の束はあしにかかりびっちょびちょ。つめたくない水なので、どうせならと靴と靴下を脱がせて、川にあしをいれてみる。きもちよさそうというよりおっかなびっくりというようす。それよりだいすきな「くっく、くっく」と時々思い出して取りにゆくのだった。靴下、ズボンにスパッツ、下着、おむつカバーも着替えて、すやすやお昼寝。

夜ごはんは、続・カブの葉の煮びたし、続・小松菜と桜海老の炒めもの、続・蒸し鶏のサラダ、塩豚のソテー、ほうれん草とツナのトマトスパゲッティ。

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