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何故今期は勝てなかったのだろうか?


1.初めに

 こんにちは、pottarと申します。今回はランクマに真剣に取り組むようになって以来初めてレート1700に到達できなかったことを記念に、なぜ今期私が勝てなかったのか、改めてシーズンを振り返り、主に環境の状況や私の個人的な要因から紐解いていこうと思います。なぜ勝てなかったのか?と問うnoteはあまりにも情けなく、不甲斐ないものだとは思います。しかし、数えきれないほどの涙に濡れたプレイヤーは、確かに存在するのです。この記事が、少しでも多くの人がこれまでのことを振り返り、「やっぱり勝ちたいなぁ…」と思うきっかけになれば幸いです。

・筆者の実績
 最高レート1772 1700×12 1730over×7 1750over×5
 11期連続1700到達(現在記録は途絶えている)

2.ランクマ環境的要因

 まずは、今期の環境の移り変わりを見ながら、私の対応できなかった部分はどこなのか、デッキ選択も含めて包括的に振り返ってみたいと思います。 

・新環境序盤


 モルト王と赤単が流行、それに対抗すべくトリーヴァが水面下で開発される
 使用デッキ・・・赤単→ジャックポッド→モルト王
 このタイミングでは、終盤に感じていた閉塞感はそこまで大きくなく、赤単を握っていればレートを伸ばしきれないことはあれど、溶かすことは無いだろう、という感覚はありました。そこで、赤単は強いことが分かっているからこそ様々なデッキを試そうと思い、ジャックポッド、具体的にはデッドマンとブラキオヤイバに着目し、モルト王と赤単に有利をとれる構造を持ち、ヴィルヘルムとvanでフィニッシュする基盤を考えていました。しかし、この基盤はドラゴンを多投しなければならない構造上の問題と、状況に応じたカードをめくらなければならない不確定要素の大きさがネックとなり勝てる基盤にならなかったので、可能性こそ感じていたものの没となりました。その後は流行し結果もその時点である程度出ていたモルト王に着目し、そのころ一般的であったヴィルヘルム型を研究していました。

・環境中盤

 トリーヴァを中心にmasの可能性が大きく探られ始め、それと時を同じくしてUKが結果を残しはじめ、大流行する
 使用デッキ・・・4cロマネスク→白刃鬼→赤単→白単
 このタイミングでは、トリーヴァ及びUKの流行に際して世間的にビートとモルト王の評価が低下したため、使うデッキの方向性を大きく考え直さなければならなくなりました。調整メンバーの影響もあり、主にトリーヴァ基盤に可能性を感じて研究を進めましたが、ビートを長く愛用している私からすれば、トリーヴァを名乗っている割にビートにはむしろ微不利程度に落ち着くだろうと感じていたため、何らかの別のアプローチが必要だと思い、中盤の強い動きとしてロマネスクを採用したトリーヴァ基盤を製作して試していました。これ自体は勝率は出ていましたが、masとロマネスクの出したいターンがかぶっていること、4c基盤にする関係上どうしても多色がかさばる事、何よりロマネスクを採用することで相性が改善できる対面がほとんどなかったことから、日食さんの助言もあり、別基盤の研究に移ることにしました。次にプレイや構築で他の人とも差をつけることができ、ビート全般に強く出られるビートという唯一無二の立ち位置を確立していた赤単が強い!と確信して握り始めました。想定は当たっており、tier上位のデッキに対してかなり強く出ることができ、いいレートにも何回も到達することができましたが、その当時低レート帯に多く生息していたモルト王大好きマンの圧倒的速度とトリガーの襲撃を受け、めっちゃ連勝できるけどめっちゃ連敗するデッキの立ち位置を覆す発想が思いつかなかったことから、めったくそ気に入っていたのですが一旦別のデッキを探すことに。その後はチームメンバーであるちきさな君が1700に到達したこともあり、白単に着目しわずかながら使用していました。

・環境終盤

 UKやトリーヴァに強いリースドラゴン、次いでシータ刃鬼が流行、それに勝てる青単が台頭
 最終盤には黒単が開拓され、徐々に結果を出し群雄割拠に
 使用デッキ・・・青単→リースドラゴン→赤単→青単
 このタイミングでは押し付け力が圧倒的であるデッキが強いのではないかという空気が蔓延し始め、上記のようなデッキが流行したため、「待ってました!」とばかりにこれらに強い青単を握って本格的に1700到達を目指しましたが、他に勝っている人もいる中でどうしても勝ち切ることができず、青単上位勢の二つ名はどうした!と叫びながら泣く泣く握り変えることに。ここで勝ちきれなかったことは本当にショックでしたし、この感覚がその後のシーズン中ずっと尾を引いていたような気もします。握るデッキがない!となった私は、まどろみ君の熱い推薦や日食さんが結果を出しているのを観て、苦虫を嚙み潰しながらライオネルを生成し、リースドラゴンの圧倒的暴力を仕掛けようと画策しました。しかし、勝率自体は悪くなかったものの、どうしても2→4→6ロマネの動きができない時の脆弱性が気になった事、ビートを対策したとしても、私がビート使いである関係上突破方法を容易に思いつくことができ、構造的にビートに強く出ることは不可能であると判断したこと、何よりあんまり好きじゃないことから、深く研究する前に握るのをやめてしまいました。じゃあ何握るの…?となって途方に暮れていた時、原点回帰してみようじゃないか!と赤単を握りはじめ、そこそこいいレートに何回か到達しました。しかし、やはり上で述べた気になる点をひっくり返すことができず、やっぱあかんかぁ…と思いながらここで握るのをやめました。ここで、えーた君が黒単、まどろみ君がモルト王で1700に到達したことをきっかけに、これはデッキ選択の妙で勝つというよりも練度で勝てるデッキを握った方がいいのではなかろうかと考え、最後の望みをかけて青単を信じることにしました。これ自体は間違っていなかったと思いますし、実際に一番勝てたのは青単で1699までは到達することができました。しかし、1700チャレを先3ヴァルブレアに砕かれた後徐々にレートが溶けていき、最終日も潜ったものの、1670の壁をちょっと踏み越えたくらいにとどまり、1700に到達することなくシーズンを終えることになりました。

・何が足りなかったの?

 では、私には一体何が足りなかったのでしょうか?私は、大きく分けて3つ理由があると分析しました。

・tier1を握ろうという意識が欠如していたこと
・UKというデッキを好きになれなかったこと
・1つのデッキを極めて練度差で勝ついつものスタイルを貫けなかったこと
 上から順に深堀っていきたいと思います。
 
 まず、tier1を握ろうという意識がいつもより低かったことです。今環境は新弾発売直後の環境だったために環境トップの移り変わりが激しく、その時々において通りのいいデッキが変化していました。この現象自体は今までの環境でもたびたび起こってきたことですが、今回は今までとは大きく違う点がありました。それはリュウセイホール基盤の消失による板デッキの消滅です。リュウセイホールが消えた今、本当に握るデッキに困ったときに今までやっていたリュウホ基盤握ろう戦法が使えなくなり、これが強いのではないか、という仮説を明確に持った状態でランクマに臨まなければならない構造が知らないうちにできていたのだと思います。実際、今までも苦しいシーズンはありましたが、リュウホ基盤のデッキを握ることで、環境的にしんどかったとしても今までの経験を活かして無理やりレートを盛ることができていました。そういった、実家のような安心感のあるデッキはもうこのNDには存在せず、妻の実家で味付けが好みじゃないご飯をずっと食べさせられているような、なんともしがたいもやもやが私の中に蔓延っていたわけです。ちなみに妻はいませんし、彼女もいません。養ってくれる方、募集中。
 それはさておき、これを踏まえて何がこの環境において大事だったのかと考えると、無から板デッキを見つける、すなわち、気に入るかどうかはさておき、tier1と呼ばれるデッキを深く研究することがマストだったのだと思います。環境初期ならモルト王、中期ならUK、終盤ならリースドラゴンと、強いデッキは移り変わっていたものの、明確に結果を出しているデッキをもっと深く考えてみることは必要だったと思います。私が好成績を残しているシーズンを振り返ってみると、どれも自分の好んでいる構造がデッキの中に組み込まれており、tier1との親和性が高かったと思います。逆に1700止まりのシーズンはtier1があまり好みの構造ではなく、それほんま?と首を寝違えながらtier2くらいのデッキで抗っていることが多かったです。今までならリュウセイホールがあったのでそれでも良かったですが、自分の帰るべき場所がなくなっていることにもう少し早く気付くべきだったのかな、と感じています。それでも、まどろみモルト王はさておき、上の3つのデッキはあんまり好きにはなれなかっただろうなぁ、とも思っています。

 次に、今のUKを好きになれなかったことです。UKというデッキは環境初期から終盤にいたるまで、一瞬通りが悪い時期もありましたが、全体的に見ればかなりの勝ち山だったと思います。しかし、5ターン目までにカツドン破を能動的に盾に埋められる手段がないために先手を取られた瞬間、悪い言い方をすれば盾運ゲを仕掛けなければならないこと、有利不利がはっきりしすぎていること、ロビーがからまなければリソースが枯渇し取れる択が狭くなってしまうことなどから、自分の中の強いデッキ像からはあまりにもかけ離れており、使う気が起きませんでした。しかし、実は今の環境にカツドン破をケアできるカード自体はそこまで多くなく、踏ませた瞬間ほぼ勝ちが確定します。リースドラゴンにはロマネスクの返しのカツドン展開でワンチャン作れますし、大王もトンギヌスの槍で返すことはできます。環境の低速化に伴って今のUKの展開速度でも十分に間に合っていたのです。今まで鬼門であったはずの吸い込むやリュウセイホールはスタン落ちや環境変化によって消え去り、ビートの盾割り切りプランもエメラルーダのお陰で肯定されません。このように文章にしてみるとわかる通り、今期のUKというデッキは、周りが弱くなったからというブーストはあったものの、強いデッキであることには間違いなかったのです。しかし、私が運ゲーをあまりにも毛嫌いしていることもあって、こんなデッキが強いと認めたくなくて、別のデッキを握ろうとしてしまいました。好き嫌いで目を曇らせ、冷静に環境を俯瞰することができなかったのは、今期勝てなかった大きな要因の一つだと思います。

 最後に、練度差で勝つ普段のスタイルを貫けなかったことです。いつも私は、ある程度環境が固まった後考察する時間を作って、これは絶対に強い!と確信したデッキをどんな時でも信用し続けて潜っています。しかし、この環境ではこれ強くて好き!と思える構造が赤単くらいしか存在せず、赤単も環境に左右されるデッキの為にコロコロデッキを変えてしまっていました。しかし、今期を思い返してみると、ずっと赤単を使い続けていれば通りのいい時間帯は絶対にあったし、青単を使っているときもそれは同じだったと思います。それを、環境の理解が浅いのではないかという不安と焦りから、色んなデッキを試そうという大義名分に縋り付き、つまみ食いを繰り返し続けてしまっていたのです。普段結果を出している人も、人間なので負けます。それを許容できず、早く勝って肩の荷を下ろしたいという甘い考えが心のどこかにあったのかもしれない、とシーズンが終わって振り返っている今感じています。

3.メンタル的要因

 次に、私個人のメンタル面から、取り組み方について改善できるところは無かったか、考えていきます。私は、主に下の2つを改善すべきだったと考えています。
・人の意見を聴く塩梅がその日の調子によってバラバラだったこと
・上手くいかない時に一旦潜るのをやめることができなかったこと
 上から順に詳しく見ていきます。

・人の意見を聴くのか聴かないのか、どっちなんだい?

 今期の私は、正直言って12期連続1700到達がかかっていたことや、リアルの事情もあり、精神的にかなり追い込まれ、焦っている状態でした。そのうえで、シーズンを通してメンタルのブレが激しく、自分を貫くべきなのか、素直に人の意見を取り入れるべきなのか、迷いながらプレイしていた側面はあったなぁと感じています。ある日は日食さんの「4cロマネ基盤はあんまり強くないんじゃない?」という助言に素直に従ったと思えば、ある日はまどろみ君の「UK一回使ってみない?」「一回外出て散歩して飯食った方がいいぞ」みたいな話を突っぱねて見たり。またある時は「赤単環境的に通り悪そうだから変えたら?」という助言に耳を貸さないのに、「青単多いなら白単強そうやん!」という話にはすぐに乗って握り替えたり。なぜその意見を取り入れるのか、またなぜその意見を受け入れるべきでないと考えるのか、いつもならすべてに理由をつけて納得できる説明ができるよう心がけているはずなのに、今思い返してみると今期は特に感情的な部分に寄った判断をしてしまっていて、後から思い返せば道理の通っていない決断を重ねていたんだと思います。シーズンを通して、自分の軸がぶれていたんだと気づきました。

・泣いたり叫んだりするくらいきついなら潜るのやめろよぉ…

 今までも運だけされたときや、レートが上手く伸びない時には、大きな声で「ふざけんなよ!いったん死んだ方がいいぞお前ェ…」といった具合で口が悪くなっていましたし、pottarの嘆きパートは最近ではもはやチーム内配信の風物詩(?)のようになっていました(もちろん、チームの人にはこういう話はしたことないのですが、ちょっとキレた方が面白いだろうな、と思ってやっているときもあります。だって一人でやってるときは叫ばんもん)。ただ、今期は本当に心がすさんでいたので、人を不快にしてしまっているかもしれないなぁと思うくらいの嘆きを連発していましたし、勝てなさ過ぎて泣いちゃったこともありました。本当に通話にいたメンバーには迷惑をかけたと思います。この場を借りて謝罪します。まどろみ君には本気で怒られちゃったし。彼には頭が上がらないし、本当にいい友達を持ったなぁとも思います。
 それはさておき、今期は今までとは違い、「勝つまでやればなんとかなる」という考え方が通じないシーズンだったんだと思います。自分の強さを疑いながらやるランクマほどつらいものはありません。受験勉強している方がまだマシでした。だってあれは勝つためにやるべきことが分かっているんですから。迷路に閉じ込められたまま、砂浜の中の指輪を探すような苦しみを今期はずっと感じていました。そんな中で、一旦自分の状態を俯瞰して、何か別のことをやってから改めて向き合おう、という方向に動けなかったのは、今までの人生をひっくるめて、pottarという人間の根幹に流れている余裕のなさだったり、弱さだったりするのかな、と思います。今までも同じようなことはありましたが、それでも結果を出せちゃっていたので、あまり改善しようとは思っていませんでした。だからこそ、今回負けてしまったのはむしろ私にとってはいい機会だったのかもしれません。レートを溶かし切る前に、「一旦休んだ方がいいな」と思えていたら、結果はまた変わっていたのかもなぁ…。

4.あとがき

 ここまで振り返ってみると、何ならよくこんなよわよわメンタルで勝ってきたよなぁ、と私自身も感じています。しかし、今回初めて「本当に何の結果も残せずに終わった」ということを経験し、改めて自分の弱さと向き合う事が出来たとも思っています。これはデュエプレに対してだけでなく、これからの永い人生を生きるうえで本当に大事な機会だったと、後から振り返って思えるはずだと信じています。同時に、自分を信じぬくこと、何事にも動じないこと、自分の芯をしっかり持つことの難しさをまざまざと見せつけられたなぁ、とも感じています。私は本当に立派な大人になれるのだろうか、心配で夜しか眠れません。まあ、昼夜逆転生活なんですけどね。

 そして、恐らく私と同じように、ランクマだけでなく、人生にも悩んでいる人は大勢いると思います。私は、そんな方々と共に、悩みながら強くなっていきたいと思っています。

 今回、なぜ自分が勝てなかったのかを振り返るという名目で執筆させていただきましたが、同じような方向性で執筆されている方を、私は数えるほどしか見たことがありません。もっといろんな人に、こういった方向性のnoteを出してほしいな、と勝手に思っています。「勝てなかった奴の戯言」みたいなタイトルでいいんです。私が読んでみたいと思っているだけなんですけどね笑。

 長く語ってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。このnoteが、今悩んでいる人、勝てなくて困っている人の、何か手助けになってくれることを願っています。これからも度々noteを出させていただくと思いますが、どうぞよろしくお願いします。


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