番外編ウササの探し物 Poti 2021年3月19日 09:18 ウ「変わらないね、ここは」 ウ「まるで御婆様が生きてる時のままだ」 ウ「この庭園でよく果実をつまみ食いして怒られたっけ」 ウ「さすがスズヲ君、とても綺麗に手入れしてくれてる…」 ウ「ただいま、御婆様」 『pipipipipipi』 ウ「もしもし?ぽちさん、今屋敷に着いたよ」 ぽ「わかったー!ごめんな忙しいのに面倒なこと頼んで」ウ「いえ、では、お待ちしてます」 ウ「さて…どこから探そうか」 ぽ「うささちゃーん!来たでー!」 ウ「お久しぶりです、いつも店のほう贔屓にして貰ってありがとうございます」ぽ「めっちゃ営業モードやん、普通にしててや」ウ「あ、はい」 ウ「それで、ぽちさんが魔女修行してた頃の記憶だと何処に本があったんですか?」ぽ「うーん…なんていうか、婆様は隙がなさ過ぎてなぁ」 ウ「じゃあ、私にも想像つかなし…くまなく探すって事になるかな」ぽ「うむぅ、あ!スズちゃんお仕事ごくろうさまー」 ス「ぽっさん…あんたどこにでも居るな!」ぽ「おういえ」ス「店長お帰りなさい、手入れは一通り終わってますよ」ウ「さっき確認しました。いつも丁寧にありがとう」 ス「では僕は片付けをしたら店の方に行ってます」ウ「お願いするね、じゃあぽちさん私は2階を探してみるね」ぽ「はいよー」 ウ「とは言ったものの…見えない魔術書なんてどうやって探せばいいかな、しかも並みの魔法使いでも探せないように隠されてるって…」 ウ「あ、このキャンドル昔私が眠れなかった時に御婆様がよく灯してくれたやつ…」 ぽ「うささちゃーん!ちょっとこっちきてー!」ウ「はーい」 ウ「はーい!ってここどうやって開けた?御婆様が亡くなってから扉が開かなくなってたのに」ぽ「封印?なかったでなんも、てかここ昔入ったことあるん?」 ウ「夜中に御婆様の後をつけてコッソリ…でも御婆様は私が物陰から覗いてることに気付いてて、儀式が終わったあとこう振り返ってシーって…なんの魔法だったのかな」ぽ「ふぅん…」 ス「店長、ぽっさんー!片付け終わったから先にお店行ってますよー!」ぽ「あ、スズヲ待ってー!バス停までほうきで送ったげるわ!」ス「安全運転でお願いします」 ぽ「ちょっと行ってくるわな!」ウ「はいー気を付けていってらっしゃい」 ウ「あれ?本棚の上に何か…さっき見た時無かったような?あ、あぁぁああああ!?」 ウ「ブェッ…いたたたたたたたた」 ウ「これは…御婆様の文字だ、でもなんだ?私が扱ってる魔術書の文字と違って全然読めない」 『バササササササ』 ぽ「ふぅ、スズちゃんめっちゃ怖がるから肩凝った…」ウ「ぽちさーん!おかえりー!」 ウ「はぁはぁ…」ぽ「階段全力であがったら死ぬで?」ウ「いや、そんなことよりこれ!探してたのはこの魔術書ですか?!」 ぽ「ちょっと見せてもらうわな」ウ「いや、私には無縁の物だから差し上げます。御婆様も唯一の弟子だったぽちさんなら文句は無いかと」ぽ「あ…う、うん。ありがとう」ウ「????」 ウ「そうだ、あの魔術書の文字は何文字なんですか?長年魔道具店をやってる私でも初めて見たけど」ぽ「文字自体は普通の魔術語やけど、アレはちょっと特殊で書に認められやんと読まれへんだけやで」ウ「そういうのもあるんだ」 ぽ『…あれはウササちゃんを普通の子にするために記憶と魔力を全て封じ込めた魔術書やからなぁ…。ウササちゃんがもし魔法使いになりたくなったら読めるようになるやろ、まぁそんなことあったらウチが師匠に死後の世界まで連れてかれそうやけど…。まぁ取り合えずこの封印の原理さえ理解できれば、めららんの呪いもどうにか…』 ウ「私にとっては少し近寄りがたい御婆様だったけど、ぽちさんは本当に可愛がられてたんだね」ぽ「んー…何よりウササちゃんを大事にしてると思うよ今も変わらず」ウ「え?ピアノの音で聞こえなかった」ぽ「なんも言うてないで」 #番外編 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート