番外編スズヲの受難03 Poti 2021年3月9日 22:52 前回のあらすじ:善きゴーストであるギドリーの助言もあり初日よりは幾分かマシな夜を迎えられるかと思ったスズヲだったが安定化の儀式に失敗し、またも浮遊霊に襲われることとなった。翌朝スズヲは疲れを癒すために一面の銀世界に体を横たえていた。 ス「あーーー!!昨日は死ぬかと思った!あの浮遊霊、口から火吐くんだもん。火事になる前に日が昇ったから良かったけど…。全く…普段はこんな素敵な場所なのに」 ス「大体…僕は風景写真専門だってのになんでこんな心霊スクープ!みたいなB級っぽい仕事させられてるんだ…それもこれもあの」 ス「あの…あの魔女のせいだ、ってぽっさんいつからそこで雪かきしてたんですか?自己主張激しい雪だるままで作っちゃって…」 ぽ「あ、霊能探偵さんやっほー!どう?バリバリ悪さする奴ら成仏させてる?」ス「やっほーじゃねーです。どの面下げて来たんですかこの鬼悪魔。あと僕は霊能探偵とかになった覚えは無いし、まさかとは思うけど僕にここの除霊させようと思って仕事させてたんですか?!」ぽ「え?ほらカメラで撮ると霊が成仏するってどこかで見たからさぁ…」 ス「それはゲームの話な!!!!実際そんな事あるわけ無いですよ?どんな特殊能力だよ」ぽ「はは~そんな気はしてた!もぅ…悪かったって。でも受けた以上はもうちょい頑張ってみてや!うちも出来る限りサポートするから、あと生憎うちは鬼悪魔ではなく生粋の魔女やけど…」「あー、はいはい!!知ってます!!悪いと思うなら僕にちゃんとした降霊術の呪文でも教えて行ってください」ぽ「おー、おっけーおっけー」 ス「まさかぽっさんが一般人の僕にこの屋敷の除霊をさせようと思ってたなんて信じられない…何が魔女はオカルトと人間の狭間に生きてるから過干渉にはなれへんねん~だよ。もう充分過干渉だよ…しかも口頭で呪文ささっと言い終わったと思ったら逃げるように帰っていくし、本当に悪い魔女だな」 ス「まぁ、忘れないうちにもう一度儀式に挑戦してみよう。…今度は成功しますように」 ス「遨コ縺ォ……隕区叛…縺輔……蝨ー縺ォ髮カ繧……瑚誠縺…莠コ縲?…隕?≧蠖ア驕……」 ス「よっしゃあああああ、これで今日こそは平和な夜を迎えられる希望がでてたぞ」 ス「それじゃあ今のうちに久々の風呂にでも…えー、希望が見えた瞬間現実に引き戻されるとか…ん?でもこいつ、今までの浮遊霊と何か違うような?」 ス「ただふわふわしてるだけで凄くおとなしいな、それに少し悲しそうな顔してるような気がする」 ス「んー、泣いてる子は浮遊霊でも何でもほっとけないなぁ。ねーねー、君どうしたの?おなかでもすいてるの?もしそうならア〇パ〇マンじゃないけど僕の魂をお食べよ!なんちゃって」 『キャッキャ』 『クルクルクルクル…キャッキャ』 ス「え?なになに?体がふわふわして…うええええええ??」 『ア……ガ…ト……ウ』 ス「消え…ちゃった、なんだったんだろう?でも喜んでたみたいで良かった」 ス「一ついいことしたからか、体の力が抜けてるけど頭はバリバリ冴えてる気がするぞ!これは本当に今日こそスズちゃんの時代が来たか!」 ス「…って、こんな事があったんですよ…びっくりしちゃいますよねー、ははっ」 ス「…え?!失われたモノって…もしかして僕さっき本当に魂を食べさせちゃったんですか?!」 ギ「スズヲ!この雪だるまベリーキュートだね!ブラボーだよ」ス「あーもぅ!話を最後まで聞いてくださいって!!」 ス「ねぇ?マジで!さっきの話、冗談抜きで僕の魂食べられちゃったんです?」ギ「やつらに冗談など通じないさ思念の塊だからな。その変わりかどうかは知らんが束の間の加護も与えてくれてるようだ。とりあえずさっきの欠片を食せば失った寿命を少し取り戻す事ができるよ」ス「え…魂って寿命の事なんです?怖っ…でも…なんかあのどうみても魂です!みたいなのは食べ辛いので置いておくことにします…あ、あと知り合いに言われたんですが霊能探偵ってなんなんですか?」 ス「霊媒スキルって…あの降霊術やったりするとあがっていくやつか…それならここ数日のせいで普通の人よりはある気がするんだけど。まぁ僕はただの写真家なの遠慮しておきます」ギ「楽しい仕事だが決して楽ではないからな!私のように時に命を落とすことだって…」ス「話長くなる前に僕お風呂いってきますねー」 ス「ほーら美少女スズちゃんのサービスシーンですよー…はぁ、ふわふわ感が消えたと思ったらなんだか凄い虚しくなってきた。物理的に魂が減るってこういう感覚なのか…」 ス「やっぱりさっきギドリーさんに貰った魂のかけら…食べておこうかなぁ?まだまだ早死にしたくないし…ん???」 ス「ん??なんだこれ…カップケーキ?ギドリーさんかぽっさんの差し入れか?なんか、どことなくさっきの浮遊霊に似て可愛いなぁ」 ス「この手の見た目のお菓子はぽっさんかなぁ、あの人年中ハロウィンな食べ物作っては僕に押し付けてくし。お風呂に入ってる間に持って来た?取り合えずイタダキマース」 ス「うっま、このふわふわ例えるなら浮遊霊が身体を通り抜けてく時の…甘さも控えめで丁度いいし」 ス「ただ、見た目が洒落になってないのがアレだよ。僕がこんな浮遊霊たちに苦労させられてるってのに、からかうような見た目のカップケーキ作って置いていくなんて。まぁいっか何か凄く調子よくなってきたし」 ス「ってことがあったんですよ!ギドリーさんはぽっさんに会いませんでした?まぁあの人ほうき乗りだから2階から普通に入ってきたりするんですけど」ギ「?!スズヲそれはエクトケーキだ…私が渡した魂のかけらは食べれないのにどうして異界の食物…しかも落ちてる物をなんの疑いもなしに食べれるんだ…」ス「え?今なにかいいました??」 後書き SSは溜まってるのに日を空けて書こうとするとなかなかうまくセリフが浮かばなくて難航してました。ゲーム内のスズちゃんもお友達が多いので夜間に浮遊霊と戦ってる時も誰かしら電話してきたり空気読んでくれない展開があって楽しいんですが、そろそろ春を迎えてしまうのでここでの生活も終わりにしていきたく思っています。今回もお付き合いありがとうございました_(:3」∠)_ #番外編 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート