ここの親分はどーれだ
公園に行くと
木の親分に挨拶をするようになったのは
いつからだろう
『ここの親分はどーれだ!』
と娘たちに聞きながら
私も感じとる
今日、古墳の上の松の林へ入ると
野鳥を撮影しようと
大きな長いカメラを構えたおじさんが二人いた。
ここのどこかに
そんな写真に収めたい野鳥がいるということだ。
騒がないようにしながら
私たちは松の親分を探す。
『今日の松の親分はこれだ』
と、娘たちはそれぞれ感じた松の木に近づく。
私は私で
太くゴツゴツの幹に手をあて
『おじゃまします』
と心の中で挨拶をした。
すると
ケー!ケー!と声が聞こえ、
バサバサバサと羽ばたき
ヒラヒラヒラと羽が落ちてきた。
私が挨拶した木の上だ。
『お母さんが触った木だよ、なんか感じたんじゃない?』と次女。
『この木がやっぱり親分で、だから鳥が住んでたんだよ、たぶん』と長女。
高いところにいる野鳥が、
下の方の幹に軽く触れただけでも
異変を感じることにも驚いた。
野鳥さん、びっくりさせてごめんと詫びつつ、
あの松がやはりここの親分で、
動物を守っていたんだろう。
私も娘たちも、
自然の中でぐちゃぐちゃになって思いっきり遊ぶ
というのが得意ではないが、
木に挨拶をする
自然の中の私たち
ということを体感した日になった
かもしれない
追伸、カメラを構えていたおじさん、ごめんなさい。
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