カジノディーラーの日常 錦編2 第3話

この店にはボーナスがない
1軒目のカジノではディーラーの収支によって
ボーナスが出ていたので
勝ったり負けたりで一喜一憂していた
大きく飛ばせば(負ければ)黒服から何やってんだよと嫌味を言われることもあったが
このカジノでは絶対に言われない
責任は全て回し(黒服)にある考え方だ
それとお客さえ来てもらえば必ず店は
売り上げが上がると考えているので
ディーラーマナーに厳しかった

ボーナスがない代わりにレギュラー制度があった
レギュラーになれば月10万(皆勤手当3万含む)
貰える
条件は月4回休みで番の移動もある
一度でも遅刻したら皆勤賞は無し
遅刻が続くとレギュラー手当も無しと
やたらと遅刻に厳しかった

平ディーラー→黒ベスト→黒服→責任者と
出世していくがレギュラーにならないと
出世できないシステムだ

俺は月4回休みをずっと続けていくのは
厳しいし出世欲もなかったのでやらない事に
した、HとREはレギュラーだった

店の横領防止も機能していて伝票もディーラーが書き黒ベストから黒服へとお金と一緒に渡っていく、戻しのチップもその逆だ
パーム防止でディーラーは片手でカードを出していた
インチョンもシャッフルが終わったら
ディーラーではなく黒服がやっていた
ディーラーの制服にはポケットが無く
チップの盗難もできない

店側が横領できないシステムを作ることによって変な考えはできないし疑いもかからない
働いている側もやりやすいかったと思う

従業員にも出勤したらタバコ1箱無料や
それなりにいい食事も食べさせて貰っていた

カジノ経営として完璧だったと思う

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