カジノディーラーの日常 錦編2 第11話

「仕事終わったら○○のカジノに来てよ」

仕事終わりに携帯を見ると
この日休みだったREからメールが入っていた

Hも誘い早速カジノに向かう

カジノの中を見渡してみると奥の方に
REが座っている
座ってるのは当たり前だが目の前にある
チップの量が当たり前じゃない

これどうしたの?

夜9時頃来て10万出し
初めから調子が良くチップはすぐ倍になった
そして3シューター目やばい罫線が出る

これ見てよ〜

と罫線を見せてくる
どれどれと見てみると
テレコ(プレイヤーとバンカーが交互に出る)
が20目以上出てる
ディーラーをしていても1年に1回あるかないかの罫線だ

REのチップは100ドルチップが120枚
120万だ

すげ〜

客のチップではたまにみかけるが
身内が持ってるのは初めて見た
そのチップを見てテンションの上がったHは
俺も俺もとやっていくと言う
今日の俺はきてる(ついている)とREの顔は
いつもと違っていた

時刻は夜中2時過ぎ
俺は中番のウエイトレスと約束があったので帰るわと言いそのカジノを後にする

次の日は3人とも出勤だった
REはいくら勝ったんだろうかと考えながら
出勤する

おはよー

REとHはレギュラーなので出勤は早めだ
REは半笑いだ

昨日どんなけ打ち上げたの(勝ったの)?

全部すった(小声)

え?

俺が出て行った後もテンションは上がり続けていた
REの街金の借金は200万
今日取り戻さずいつやるんだと
100ドルチップを200枚にする目標に向けて
血走っていたらしい
その後そのカジノは盛り上がりをみせ
ビックがオープンする
お客の多い店で1番チップを持っているREは
ビック席に吸い込まれていく
普段なら絶対座ることの無いビック席に
座り完全に感覚は狂っていた
途中150枚までいったらしいが
一旦崩れだすと早かったらしい

一度でも150枚持っていたらそれはもう自分のお金だ
そこから減ると勝っているのに
負けた気分になってしまう
その感覚がある奴はギャンブルで勝てない
特にバカラの性質上この感覚は悪でしか無い

カジノを出たのは朝8時と言っていた
もちろんHも負けた

きっと
朝8時の通勤途中の人の中
Hはあきらめの無表情
REは半笑い

だったよね

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