朝好きみーちゃんと夜好きまーくん

朝好きみーちゃんの話

みーちゃんは朝が好き

とってもとっても好きなんです

みーちゃんは都会に住んでますから、夜のネオンが好きと思われがちです。

でも、やっぱり朝が好き

だって、朝にはたくさんのキラキラがあるから

小鳥のチュンチュンという声、

早起きした人にしか聞こえない新聞配達のバイクの音(ブルルルルル…)、

晴れた日の空は、これでもかというほど青く澄み渡っていて、

かざした手のひらまで

キラッと輝いて透き通りそうです。

飛んでいきたい

なんでこんなところにいるんだろう

空の先にはずっとずっと向こうには、、、

いや、「きっと」なんて言ってられません

だって、また明日も新しい朝がやってくるからです

毎日、違う朝に、

違う青に

出会っていかないといけないんです。

いけないわけじゃないけれど、でも、やっぱり、

みーちゃんにとって

朝は、特別なものじゃないといけないんです。

同じ朝があってはならないんです

毎日、違う朝でなければならないんです。

だって、そのほうが…

わくわくするんだもん!


なんで朝が好きかなんて、なんでわくわくがほしいのか

そこに理由はありません

考えることに臆病になりながら

みーちゃんは朝に飛び出していきました。


夜好きまーくんの話

まーくんは夜が好き

好きというよりも、なくてはならないんです

なぜなら、深い闇にまぎれ込むと

とってもとっても落ち着くんです。

まーくんは田舎に住んでいます。夜はとてもくらいです。

暗いなんてものではありません

秋の夜でも、ちょっと先の銭湯に行こうとしただけで

広い道路に沿って歩いていかなければ

たぶん、都会の人は黒い空に落っこちてしまいます。

そう、夜は黒いんです

暗いんじゃないんです

黒くて静かで、

そして、とてつもなく壮大なんです

これ以上の空間があるでしょうか

すっぽりと、

なにか得体のしれないものに包まれているような

まわりを見回してもなにも見えなくて、

手を伸ばしてもなにもつかめずスカしてしまうような黒

ただひとつ、

夜空には輝く星がありました。

キラキラキラキラ光っているせいで、夜空は真っ黒ではありません

まーくんはそれが少し嫌いでした

なぜなら落ち着かないからです

見ないでくれと思います


キラキラなんていらない!ボクは光なんてほしくないんだ!

でも、星は引っこみません、隠れもしません


まーくんは夢中でダッシュします。


みーちゃんは夜に向かって、

まーくんは朝に向かって。

それぞれ"同じ方向"に駆け出したふたり

出逢うのは、まだまだ先のほうみたいなので、

今日はこのへんまでにしておきましょう。

おやすみなさい🌙

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