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2024/6/2 space845上映会

7:00 ブルーベリー摘み

近所の果樹園でブルーベリーの朝摘みバイトをしている。2時間ブルーベリーを摘み、9時に退勤。

11:00 移動

荷物をまとめて、space845のオーナーと合流。ジャズ喫茶中庭からスピーカーとプロジェクターを借りるため、車で迎えに来てもらった。
その途中、ばったり北本の同世代の友達と会う。今日は彼女の結婚パーティー。ウエディングドレスに身を包んだ姿が美しい。おめでとうございます、いい日になりますようにと言葉を交わす。立て続けにAさんともすれ違う。上映会がんばってね、と声をかけてくださる。そんな様子をみて、845のオーナーから「もうすっかり中の人ですね」と言われる。
そんな845のオーナーは、もともと大工だったが、2016年のさいたまトリエンナーレをきっかけにアートの現場に足を踏み入れ、紆余曲折を経てさいたま市岩槻にてオルタナティブスペースspace845を開いている方だ。現在は展覧会の企画からアーティスト・イン・レジデンスの受け入れまで行う、もうすっかりアート界隈の中の人だ。

1時間ほど車にゆられ、space845へ。
近くのパン屋でお昼を買って、845で食べる。一昨日まで唯野の引っ越しがあり、私と唯野は満身創痍。845の空いている部屋で仮眠をとらせてもらうことにした。

16:00 準備

重い体を起こして上映準備を始める。スコールのような豪雨が急に降ったりやんだりしている。遠くでは雷も鳴り始めた。なんてこった、な天気だ。こんなすさまじい荒天で。さいたまの端っこまで、映画を見に来てくれるひとはいるんだろうか…

17:30

最初の客さん、さいたま国際芸術祭のサポーターの方がいらっしゃる。嬉しい。この方は修論発表会にも足を運んでくださり、すでに何度か鑑賞してくださっている。
18時が近くなるにつれ、ぽつぽつと人が集まり始める。北本から駆けつけてくださった方も。なんだかんだで20人を超えるひとが集まった。20席あれば足りるだろうと思っていた客席が足りなくなってしまい、慌てて845のオーナーと椅子を準備する。

18:10 上映開始

845オーナーのあいさつの後、私からも短いあいさつをして、上映を始める。半屋外のガレージの会場は天井が高く、壁面に吊るされた幕に映像を投影する。時々、裏の道を車が通るとスクリーンが揺れる。集った人が砂利の上に置かれた椅子に座り、時々笑いながら映画を見ている光景は美しい。

19:30 

上映後、845の室内に移動し、車座になって映画の補足と、質問などおしゃべりをする時間をとる。なぜ映画を創ろうと思ったのか、今でも役所内でアートは禁句なのか、今の北本はどんな様子なのか、北本なんて何もないと思っていた人が「いいじゃん北本」と思えるようになったのはなぜなのか、着北本ビタミンのようにARTZONEも続いている感じがするのか、などなど。たくさん話をしてくださり、たくさん話した。同じ話を繰り返してしまったところもあったが、みなさん優しく耳を傾けてくださった。

20:00

一旦会をしめて、立ち話タイムへ。北本とさいたま市はやっまり全然違うね、とさいたまトリエンナーレのサポーターについて研究している研究者と話す。さいたまは基本計画づくりなど、アートをまちに招く素地を整えたが、北本にはそれがない。反対に、北本ビタミンが纏っていたゲリラ感や勢いがさいたまには薄い。
やぎさんはすべてを相対的にみているね、とキュレーターの方に言われる。そうかもしれない。というか、この研究を通して「絶対」なんてないことがよくわかったし、寄ったり引いたり適度な間を保ちながら物事をみるのが楽しい。
隣から「アートプロジェクトってわざわざ言わなくても(枠組みをつけなくても)良いかもと思った」「そう、それ!」という会話が聞こえてくる。
そう、それ。
名づけないことで担保される豊かさがある。名づけることで零れ落ちる要素がある。現実は小さな砂粒のあつまりで、寄せては返す波にさらわれ、あるいは風にふかれてあちらへこちらへ移動し、刻々と変化する砂紋や地形があらわれる。名づけはたぶん、その一部分を目立たせるために、印をつけるようなものだと思う。マクロの眼でみれば名付けられた事象の外に広大な景色が広がっているし、ミクロの眼で見れば、一粒一粒の砂の形に個性があり、偶然その印のそばにいただけに過ぎないことに気が付く。
一方、名前を付けることで活動に輪郭が生まれること、関われる人、伝わる人がいるのも事実。どこまで名づけのない余白を保てるのか、バランスが重要なのかもしれない。

21:00

845のオーナーと夕食を食べて、北本へ送ってもらう。「関心のど真ん中だった!」と感想をもらう。何がどう彼にヒットしたのかわからなかったが、受け取るものがあったのなら良かった。オーナーは9月に浦和での上映も企画してくださっている。彼のモチベーションがどこからやってくるのか、いまだに謎だ。



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