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筋トレ初心者&子供の運動能力を伸ばしたい親御さん必見!トレーニングの基礎知識!(完全保存版)

こんにちは!!

 今回は、リハビリをしているときに質問される事の多い「筋肉をつけるにはどうしたらよいの?」をテーマに話したいと思います。筋トレは筋肉のつくメカニズムを把握することで効率よく鍛えることができます!

 世間にはトレーニングの仕方、方法などはたくさん出回っているものの、「筋肉はどうすれば効率的に鍛えられるのか」重要な部分が抜けている気がしております。

 私自身、大学でアスレティックトレーナーの資格を取った際に、はじめて勉強したのですが、このメカニズムを中学・高校生のときに知っていれば、もっと頑張れたのにという苦い経験があります(泣)

 一人でも多くの人に、筋トレやトレーニング効果を出していただき、運動が好きになってほしいと思い、出来るだけ分かりやすく紹介したいと思います。

 アスリートやトレーニング初心者だけでなく、子供の運動能力を伸ばす秘訣についても紹介していますので、親御さんにも読んでいただければと思います!

<覚えてほしい!!トレーニングの原理・原則>

 トレーニングを効果的に行うためには、まず、トレーニングの原理・原則について知る必要があります。

 原理・原則を簡単に説明すると
〇原理 = 身体の変化・過程について
〇原則 = 効果を出すための方法  
と言う事になります!これらを把握することで効果的にトレーニングの結果を出すことができます!

 原理・原則以外にも重要な知識を入れながら紹介していますので、ぜひご覧いただければと思います!

<トレーニングの原理とは?>

 トレーニングの原理とは、トレーニングをすることで生じる身体の変化の法則のことです!体の特徴を把握することで効率的にトレーニング効果を出すことができます!覚えてほしいのは下記の3つです!!
1、過負荷の原理
2、特異性の原理
3、可逆性の原理
 順番に解説していきたいと思います!!

1、過負荷の原理(オーバーロード)

⇒筋肉を鍛えるためには、一定以上の負荷をかける必要があります!!よく「筋肉痛にならないと筋肉がつかない」という話を聞いたことありませんか?

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 正しくその通りです!!

 まず、トレーニングをして筋肉(筋線維)にダメージが入ります。一時的にパフォーマンスは低下しますが、身体がもっと強くなるために、筋肉がさらに太くなって治ります!!

 この原理を「超回復の原理」とも言います!

 この超回復にあたる期間は限られているので、トレーニングを継続しないとすぐに戻ってしまいます!!そのため、適度の休息+トレーニングの継続が大事になってきます!!

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 反対に休息が足りない場合、慢性的に疲労が蓄積していく状態になります。このことを、オーバーワークといいます。この状態に陥ると怪我の原因になるだけでなく、長期的なスランプになりやすいため注意が必要です!!

 最近のトレーニングがオーバーワークになっているかどうか確認する指標のひとつに、起床時の安静時心拍数を測定する方法があります!毎日測定する必要はありますが、通常の日よりも心拍数が増加する日が続くときは要注意!軽めのメニューに変更するなど、休息の時間を作ることが大切になります。

■どれくらい休めばいいの?
一般的にトレーニングにより疲労した筋肉が回復する期間は、約24時間といわれています。しかし、その人のトレーニングの量や個人差の影響を受けます!

 例を上げると
〇負荷の軽いトレーニング ⇒ 回復期間が短いので毎日行う必要があります。
〇ウエイトトレーニングのように高強度のトレーニング ⇒ 1~3日の回復期が必要とされます。

 なかなか、自分で判断することは難しいと思いますので、筋肉痛や疲労感を指標にするといいかと思います!筋肉痛・疲労感のある場合は2~3日あけるようにしましょう!!

 この話をするとボディビルダーのような競技選手は毎日トレーニングをしているのに、なぜ問題ないのと思うかもしれません。

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 それは、鍛える部位を1日目は肩・腕、2日目は体幹、3日目は下半身のように変えている為です。鍛えていない部分を休息しつつ、全身をバランスよくトレーニングしているので毎日トレーニングすることができます!!

 無駄がないですよね(笑)

 いずれにしても、日常生活レベルの運動では、筋肉を維持は出来るかもしれませんが強くはなりません!!少しきついと感じるレベルの運動を取り入れていくことが非常に重要になります!!

2、特異性の原理

⇒トレーニングの種類によって鍛えられる能力が大きく変わります。大きく分けると3つのタイプに分けられます。
〇筋持久力 〇筋肥大 〇筋パワー

 これを理解するためには「遅筋」と「速筋」という筋肉の種類について学ぶとわかりやすいと思います!

〇「遅筋」 ⇒ マラソン選手のように長時間持続するのに適した筋肉です!
 長時間の運動をするのに向いていますが、力強さやスピードに欠けるという特徴があります。そのため「筋持久力」を鍛えるのに適した筋肉になります!

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〇「速筋」 ⇒ 短距離走や重量挙げなど、短期間で最大限の力を発揮するのに適した筋肉です!筋トレをして筋肉が大きくなりやすい筋肉は速筋ともいわれています!そのため、「筋肥大」「筋パワー」を鍛えるのに適したトレーニングになります。

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 健康の維持が目的であれば、遅筋をメインにトレーニングすることで基礎代謝を上げて疲れにくい身体を作ることができます!
 また、マッチョになりたい!競技パフォーマンスを向上したいという方は速筋をメインにトレーニングを中心にトレーニングすることで、筋肥大させることができます!

■「筋肥大」と「筋パワー」は何が違うの?

〇「筋肥大」 ⇒ いわゆる筋力の事!その名前の通り筋肉が太くなる事です。太くなることで強い力を発揮することができます。
〇「筋パワー」 ⇒ 瞬間的に力を発揮する力になります!筋肥大をさせたうえで、神経系に刺激を入れることで瞬時に動かせるようになります!
パワー = 筋力 × スピード で表すことが出来ます。

 そのため、まずは「筋肥大のトレーニング」を行い、ある程度筋肉がついた段階で「筋パワー(神経系)のトレーニング」を行うことが重要になります!

 いずれにしても筋肉が肥大(大きくなる)ことは、その分発揮できる力の量も多くなります!自分の目的に合ったトレーニングをすることで、効率の良いトレーニング効果が得られます!!

 目的別のトレーニング方法についてここで説明すると長くなってしまうので、また別に記事を作りました!下記の記事をご覧ください!

3、可逆性の原理

⇒トレーニングをしないと効果がトレーニング前に戻ってしまいます。

 よく「ブランク」という言葉を聞いたことありませんか?練習をケガなどの理由で休んでいた後に競技に復帰すると、思ったようにプレーができないことが想像できるかと思います。

 私は普段、整形外科のリハビリスタッフとして働いており、骨折した方の固定を作成しますが、1週間固定しただけで筋肉がやせて細くなってしまいます。それを元に戻すトレーニングは倍の期間ぐらいかかります(泣)

 まさに「ローマは一日にして成らず」ということわざがあるように「筋肉は一日にしてならず!」 そのため、継続的にトレーニングすることが大事になります!

<トレーニングの原則とは?>

 ここからは実際のトレーニング方法の話になります。覚えてほしいのは下記の5つになります!
1、意識性の原則
2、個別性の原則
3、全面性の原則
4、反復性の原則
5、漸進性の原則
 一つずつ解説していきたいと思います!!

1、意識性の原則

⇒トレーニングは、何のために行っているのかを意識して行うことでより効果的に鍛えることができます!

 主に意識してほしいことはこちらになります。
〇どの筋肉・能力を強化しているか?
〇このトレーニングは何に役立つか?
 この意識はとても重要です!

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 例を上げると、よく高齢者のリハビリで、歩行時のバランスが崩れやすい方を指導する際はリハビリで臀部と呼ばれるお尻のトレーニングをします!
これは片足立ちでバランスを取るのに重要になります!

 その際に「なぜ、片足立ちが重要なのか」「なぜ、お尻のトレーニングが重要なのか」を説明してからトレーニングすることで自分も頑張ろうというモチベーションの維持に繋がります!!
そのため、目的を明確にしてトレーニングをするようにしましょう!

2、個別性の原則

⇒トレーニングは、その人個人に合わせてメニューを組む必要があります!
例を上げると、小学生が大人と同じトレーニングをするのには体力的にも技術的にも無理があるのが分かると思います。

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 個別性を考えるときに一番重要になることは
〇経験年数
〇技術レベル

〇発育・発達 になります。
 その中でも「発育・発達」は、子どものトレーニングを考えるうえでかなり重要になります!

 その時の指標の一つに「スキャモンの発育曲線」というものがあります!

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この図の中で、考慮していただきたいのは「神経系型」「一般型・生殖器型」です!

■「神経系型」
脳の発達だけでなく、動作の習得も含めた身体の動かし方を学ぶことも含まれます!

この発達で注目する時期が2つあります!

〇5~8歳の「プレゴールデンエイジ」
 この時期は、運動の基本の動作となる「投げる」「走る」「跳ぶ」というような動作を学ぶのに適した時期になります!
この時期の身体の使い方の習得は、次に専門的な動作を習得するのに非常に重要になります!

 具体的には、マット運動や様々なスポーツや運動をすることにより、身体の使い方を学ぶのが良いとされています!

〇9~12歳の「ゴールデンエイジ」
 この時期は、神経系の発達が大人と同じレベルにまで達します!そのため、様々なスキルをすぐに身体で覚えやすい時期なので、この時期から専門競技の技術を覚えていくことをオススメします!!

「一般型」と「生殖器型」
「一般型」⇒ 身長・体重・筋肉・臓器などが成長する指標。
「生殖器型」⇒ 男性ホルモン・女性ホルモンなどの分泌量が増える時期のこと。

 この2つの型は、厳密に言えば若干異なるのですが、ほぼ同じ時期との解釈で良いと思っております。高校生ぐらいの年代が筋力トレーニングやパワー系のトレーニングの成長がしやすいとされています!この時期に筋トレを積極的に取り入れていくことで、今まで習得してきた動作に力強さが加わり、競技パフォーマンスが急激に上昇します!!

 以上のように、その個々の成長段階にあったプログラムを組んでいくことが重要になります!

3、全面性の原則

⇒同じ筋肉や種目だけでなく、全体的にバランスよくトレーニングしましょう!偏ったトレーニングはケガをしやすくなります。

 例をあげると、よくウエイトトレーニングでベンチプレスばかりされる方がいます。大胸筋や上腕三頭筋を鍛える効果的なエクササイズですが、そればかりに集中してしまうと背部の筋力とのアンバランスな状態になります。すると、肩甲骨は大胸筋に引っ張られるので前に出てくるような巻き肩のような状態になります。

 その姿勢は、肩こりになりやすいだけでなく、肩の可動域制限にも繋がります。肩が上げられないような姿勢のまま、無理に動かし続けることで筋肉が炎症を起こし、五十肩にも繋がるので注意が必要です。

 このように、偏ったトレーニングを続けると怪我のリスクが上昇するので、全体をバランスよく鍛えることが重要になります!

 イメージとしては、身体の「前後」または「左右」など反対の動作をするエクササイズを取り入れることでバランスよく鍛えられますので、是非お試しください

4、反復性(継続性)の原則

  :同じトレーニングの種類を計画的に、継続して行うことが重要になります。

 この説明は、超回復のグラフを見ていただけるとわかりやすいと思います!

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 超回復である青い線を見ていただきたいのですが、筋線維が回復しパフォーマンスが上昇した後に、また下がる時期があるかと思います。
これは、トレーニングをやめてしまう、もしくはトレーニングとトレーニングの間の期間を空きすぎてしまうことで生じます。

 そのため、継続的にトレーニングすることが重要になります。

 トレーニングの強度や、筋肉のダメージ量によっても異なりますが、
〇軽い負荷のトレーニングであれば、毎日行う
〇筋肉痛が生じるようであれば1~2日おき、但し別の部位(例、上半身+下半身など)でローテーションして行うのであれば毎日OK!

このことを意識してトレーニングすることをオススメします!

5、漸進性(ぜんしんせい)の原則

:トレーニングの強度を徐々に増加する必要があります!
 勉強するときも、最初は基礎知識をつけた後に、応用問題を勉強すると思います。トレーニングも同じです。徐々に強度を強くしていかないと筋肉を維持するだけになってしまいます。

 そのため、トレーニングの強度を
〇ウエイトトレーニングでは、重さを徐々に強くしていく
〇技術トレーニングであれば、簡単なものから複雑のものにする

 このことが重要になります!
技術トレーニングはイメージしやすいと思いますが、ウエイトトレーニングの重さを増やす時期の目安はどうしたらよいのか迷われる方もいるかと思います。私自身も、このタイミングが最初はわからず戸惑った覚えがあります。

■ウエイトトレーニングで重さを増やす目安は?
目標の回数より2~3回多く上げられるようになった時がベスト!

 目的別のトレーニング方法の記事で詳しくは紹介しますが、ウエイトトレーニングでは、重さ&回数を変えることで期待できるトレーニング効果が異なります。

 しかし、どのウエイトトレーニングでも共通しているのは、自分のできる範囲で精一杯行うことで、より良いトレーニング効果を引き出すことができます!目標回数はあくまで目標なので、それ以上できるときは行ってOK!

 但し、目標回数以上を簡単にできるときは負荷が足りていない、もしくは自分の力が強くなった時なので重さを増やすことが重要になります!

ウエイトトレーニングの目標の回数設定については、下記の記事をご覧ください。

<まとめ>

いかがでしょうか?
トレーニング結果を効果的に出すためには、トレーニングの原理・原則をしっかり守ることが重要になります!!簡単におさらいすると

■トレーニングの原理(身体の変化・過程について)
1、過負荷の原理(筋肉に負荷を加えつつ超回復を意識する)
2、特異性の原理(目的に合わせてトレーニングを選ぶ)
3、可逆性の原理(トレーニングをやめると元に戻ってしまう)

■トレーニングの原則(トレーニング効果を出す方法)
1、意識性の原則(どこを鍛えているのか、何の目的か把握する)
2、個別性の原則(個々の成長にあわせる)
3、全面性の原則(全身をバランスよく鍛える)
4、反復性の原則(トレーニングを継続する必要性)
5、漸進性の原則(トレーニング負荷を徐々に増やす)

以上のことを理解してトレーニングすることで、トレーニング効果が出やすくなります!

但し、トレーニングの効果が目に見えて現れるまでには、私の感覚では早くて1か月ぐらいかかります。

まさに「ローマは一日にして成らず」です!!めげずに頑張りましょう!!

このほかにも、栄養や休息など大事なことがたくさんありますので、随時、紹介していきます!!

今回の内容で、わかりにくい部分などがあれば随時更新してきたいと思っておりますので、質問やコメントをお待ちしております!

 最後までご覧いただきありがとうございました!

参考文献 日本スポーツ協会公認 アスレティックトレーナー専門テキスト 第6版 予防とコンディショニングより


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