見出し画像

藤浪晋太郎、現在地


苦しむ藤浪

すでに皆様ご存知の方が多いかもしれませんが今季の藤浪晋太郎はマイナーでの調整を強いられるなど本調子でないのが現状です。しかし、自分自身で調べるうちに全てが全て悲観するような内容ではないことに気づいたのでnoteにします。
本noteは前提としてマイナーのデータを扱うため
MLBの計測値と比べて球のホップ量が低く出る傾向がある
ことに留意して読んでいただけると幸いです。

藤浪のポジ要素

まず、藤浪のデータを自分で取って分析するところから始めました。今年はフォーシームがスプリットにラベリングされているケースもあるため、明らかにフォーシームな球はこちらで変換しました。以下がその投球マップになります。

①フォーシームのホップ成分が失われていない点

今年の藤浪の1番の話題は球速の低下です。昨年の平均球速98.4マイルに対して今年は96マイルと約4km落ちています。しかし、一方で速球の球質自体はそこまで落ちていないのもまた事実としてあります。

以前の藤浪の速球は球速はトップクラスでしたが、 その回転数の少なさから速球が球速に比して垂れて見えるという欠点を抱えていました。

藤浪 速球球質

しかし、速球のホップ成分を示すIVBは昨年が14に対して今年は13.3 とマイナー登板での誤差を考えると今年の藤浪は球速に比べてホップ成分の落ち幅はほとんどない、それどころか少し上昇している可能性が高いです。
本人のインタビューでも低いリリースポイントから速球が浮き上がって見える点を自分の長所にあげており、球速と比べてボールが垂れなくなったのは今後の展開次第では好材料になる可能性があります。


これは参考程度ですが今年の藤浪とほとほぼ同じリリースポイントで速球の球速、変化量を持っている選手として2022年のJameson Dreyを紹介させていただきます。このデータを参考にすると、今年の藤浪の速球は同じリリースポイント球速帯の選手と比べてもホップしている可能性が高いと考えられ、実際2022のDoreyもMLBで結果を残しています。この傾向に球速が戻ってくれば欠点のない豪速球を持つ投手になれそうです。

②カットボールの改良

ファンからすると従来あまり評判の良くなかったカットボールですが、今年の藤浪のカットボールは一味違います。

今季25球以上カッターを投げたマイナー投手のうち、藤浪のカッターの縦変化量は11位です。昨年よりも球速を3マイルほど落としていますが、下への落ち幅が増えたことによりグローブサイドに曲がるスプリットとしての役割が期待できます。

従来のスプリットは球速が早すぎるため打者が逆に捉えやすいという指摘もありましたが、カッターとの球速比は90%前後と理想の球速比となっています。今後このカッターが第2球種となる可能性も大いにあるとは個人的に思います。


課題、そして展望

①課題

藤浪の課題はここで書く必要もなく制球にありますが、今年は特にその傾向が顕著にあります。K/9(1イニングあたりの奪三振数)は11と高水準な一方で、BB/9は20と昨年の4倍近くあり、これが落ち着かない限りは昇格はないと思います。
加えて指摘しておきたいのがスプリットの変化量のばらつきです。ここにもう一度先ほどの藤浪の変化量マップを載せますが、見ていただければわかるように一目瞭然です。

原因はフォームの変更にあるとは思いますが、再現性の向上等で少しでも良くなることを願うばかりです。

②時間との戦い

とは言っても40人枠にいる以上、結果を残していないと枠外になる危険性は常につきまといます。昨年のOAKほどNYMも枠が潤沢にあるわけでもないので、早めに結果を残すことが望まれます。一方で、逆に言えばこれまでDFAになっていないことを考えると活躍する要素をNYMのスターンズ編成本部長が認めているということになります。この間にぜひ先ほどの制球難を克服してMLBのマウンドに立って欲しいものです。

③感想

ポジティブな要素が多いものの制球難の再発によって結果を残せずにいる藤浪ですが思えば昨年のこの時期も結果を出せず、「お疲れ様!解散!」や、「素質的に大した投手ではない」などと言われ変な動画まで作られる始末だった中で強豪へのトレードを実現できてますし、結局解散せずに頑張り続けられてる訳なので今年も今は苦しい時期ですし実際どういう道を辿るのかはわかりませんが成功を信じて応援したいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?