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112敗とザック・ニールの1勝

50勝112敗

今シーズンOAK が1番輝いたのはリバースボイコットや、ザック・ゲロフの台頭、エステウリー・ルイーズの盗塁などが思い浮かびますが、そのような明るい話題を打ち消すほどにも序盤の投壊、ラスベガスの移転、そして見出しの112敗と暗い話題が多かったのが事実です。チームとして正直MLBレベルでないと感じることも多々ありました。しかし年末になってもう一度振り返ってみるとそんな中でもチームを支えてくれたベテランの存在こそ今シーズンを象徴する存在なのではないかと思い始めnoteにするに至りました。ここでは僕が振り返っていく中で印象に残った2人の選手を紹介したいと思います。

①カルロス・ペレス

キャンプが始まるまでOAKの2番手捕手はベテランのマニー・ピーニャが務めることになっており、正捕手候補のランガリアーズなどへの指南役が期待されていました。しかしピーニャは古傷の手首をシーズン前に負傷し開幕出場が困難になると2番手捕手の不在が大きな問題となります。ここで白羽の矢が立ったのがカルロス・ペレスです。ペレスは2018年以降MLBから遠ざかっており2023年もメキシカンリーグでプレーする予定が既にありましたが、開幕直前で正捕手候補の獲得が困難であることから急遽OAKのRoster入りを果たします。
正直不安しかなかったペレスの2番手捕手構想でしたが、開幕するとペレスは4月のOPSは.834とコンタクト力を武器にチーム屈指の打者として台頭しました。正直守備に関してはブロッキング・フレーミング指標ともにリーグ下位レベルで務めを果たしたとはお世辞にも言えませんが、フルシーズン通して対左のOPS.742は立派な数字であり捕手だけでなく1B、DHとプラトーン野手として十分な貢献をしました。
またペレスはコッツェイ監督が「マイナーで苦労した彼は自分ができる全てのことを我々に与えてくれる」と賞賛するようにフィールド外でもチームを鼓舞し続け、野球への情熱や献身性を讃える章であるハート&ハッスル賞も受賞しました。

②ザック・ニール

かつては西武で大活躍したニールですが、4月になってもMLB球団から声が掛からず5月1日には引退する予定だったといいます。しかし、開幕から故障や誤算続きで投手不足に喘いでいた古巣OAKから声がかかると5月にはMLBに昇格し、2度のDFAを超えてチームがにっちもさっちも行かなくなった時にイニングを消化する役割を果たし、また3Aでも先発中継ぎともにこなし投手不足の穴を埋めました。
そんなニールのハイライトはなんと言っても8月25日のCWS戦の先発でしょう。この日は相手の先発がエースのディラン・シーズで正直自分も負けるマッチアップだなとは思っていました。しかし、ニールは89.2の速球とシンカーのコンビネーションでなんとか5回を2失点に抑え、2016年にOAKで記録した以来の勝利を挙げました。

ニールのブレイクチャート

感極まったニールが涙を流す姿を振り返って見てみると、ありきたりな表現にはなりますがこの古巣での勝利は野球の神様がくれた1勝なのではないかとも思ってしまいます。

ありがとう2023年

上記の動画でニールはこれから周りにもにいい影響を与えたいと語っています。2023年は最悪のシーズンとこれから先は記憶されると思いますが、最悪のシーズン中にもチームを支え続け少しでも先に繋げようとした選手がいたことは忘れないようにしようと思います。ニールがいなければ若手に無理な稼働を強いることになっていたり打高球場の3Aでは試合が成立しなかったかもしれませんし、ペレスがいなければ色々と問題のあるポゾや若手のマッキャンを無理やり昇格することになっていたかもしれません。
2024も苦しい状況が確約されているOAK ですがこれらの選手が繋いだ未来が花開くことを祈りながら年越ししようと思います。

良いお年を

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