【労働メモ】昇格試験を受けた件

はじめに

昇格試験は毎年土曜日開催である。
そして無給。
会社の昇格試験であるのに無給というのはあり得るのかと驚くばかりだが、法務部がグレーもしくはぎりぎりシロであると判断したのであろう(昇格試験は暗黙的に強制だが、表向きでは受験するしないの選択は候補者に委ねられている)。
土曜日に5時間拘束しており、受験者はざっと1万人程度はいるであろう。
無給にすることで会社としてはざっと、1億円の節約だ。
日本にある企業の中でも、時価総額ランキングでトップ50くらいには入るであろう大企業でこのやり方はいかがなものか。
製造業であることも関係しているのか、従業員は人ではなく単なる労働力であるという扱いがあからさまである。
通常業務時にも感じていることではあるが、今日はそれを超えている。
グレーゾーンで無給で働かせる、まさしく奴隷ではないか。

人的資本とは人材や人材が持つ知識や技能、意欲を指す。近代以降、企業の投資の中心は工場などのモノとなり、従業員はコストと捉えられてきた。デジタル化の進展などで人材を企業価値の源泉である「資本」と位置付ける動きが広がり、情報開示の重要度も増している。

日本経済新聞「人的資本が占う成長力 有報開示、投資対象ランキング」

やはりこの会社は社会に取り残されつつあるのだろう。
先日の株主総会の反対票の数を見ても、経営層は世の中からの評価(乖離)を敏感に感じ取るべきであるし、組織としての危機は近いのかもしれない。

毎日毎日観音に手を合わせてもひどい仕打ちを受けるものだ。

試験(インバスケット)

大量の情報をインプットして、業務優先順位をアウトプットするという試験。
時間が不足すると聞いていたが、ちょうどよいくらいの時間設定であった。前所属していた組織の人間なら皆すらすらとこなすのだろうと想像できた。
回答はマークシートであったので、答えはある程度決まっているのだと思うが、だとすればこれを試験科目に設定する意図は何なのか。
このような問題、作業、業務は将来的にマシンに代替されるのではないか。
また、能力テストとのことであるが、この企業では一度昇進すると降格は実質ない。
加齢に伴って能力が衰えることは無いのだろうか。

試験(作文)

ざっくりとした答えのないテーマについて作文をする。
この時代に驚くがPCでの作成でなく手書き。
作成者も添削するであろうどこかの部署の部長にも多大な負荷がかかっている。
人事部は誰も何も進言できない組織なのだろうか(だと思う)。
もしくは、社用PCを用意してそれで作成させると冒頭のグレーゾーンを超えてクロになってしまうのか。
何にせよ残念な会社である。
想像するに、評価項目は2つで、1つは論理的に文章が構成されていること、もう1つはお題に沿って会社への忠誠心を表明できていることだ。
今の時代、本質的に評価項目と評価方法がずれていると思う。

さいごに

因みにこの後面接も実施され、総合的な判断で昇格可否が判断されるそうだ(合格率は全体の10%程度にコントロールされる)。
なお、厳密には昇格資格の獲得可否であり、仮に昇格試験にパスしても企業側のタイミングで昇格人事が発生する。
なんだかなあ。
ということで、来年も受験するかもしれないので備忘でした。


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