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フォークリフトの免許を取ろう‐その1~予備知識~

はじめに

資格マニアが、フォークリフトの免許を取得した。その際の体験記である。普段の業務には全く必要ないので、費用だけでなく、会社を休む日数を少なく抑えられることも含め、コスパが第一である。

「技能講習」と「特別教育」

フォークリフトの操縦には、労働安全衛生法で定められた講習を受けなければいけない。

積載重量1t(トン)を境に、1t未満なら特別教育を、1t以上なら技能講習を修了した者でなければ、操縦することができない。技能講習を受ければ、1t未満のものも大丈夫。

「必要な条件を満たしたものでなければ操縦できない」から、「フォークリフト運転者」(このあたりの名称はいろいろ)も立派な免許である。

資格マニアとしては、特別教育には魅力を感じない。不景気になって会社をクビになったときも、上位資格を持っていたほうが、再就職の幅は広がる。

物流倉庫内でしか使わなければ、特別教育でも十分かもしれない。建設現場なら、重量物の資材が多いし、港湾でコンテナを扱うようなバカでかいフォークリフトも、技能講習を修了していれば扱える。

「技能講習」の所要時間

技能講習は、すでに持っている資格によって、日数や時間が大きく異なる。フォークリフトの場合はこの差が極端だ。

学科は4科目で計11時間。技能は2科目で計24時間。合計35時間。この時間数が、経験や資格によって一部免除される。

〇自動車の運転免許を持っていない、もしくは原付や小特のみの人

 35時間。フルコース。講習は5日間。

〇普通自動車以上の運転免許を持っている人

 31時間。学科が4時間だけ免除される。1日目は学科、2~4日目丸々が技能。

〇フォークリフトの特別教育を受けて6か月以上実務経験がある人

 15時間。学科はすべて受けるけど、技能が20時間免除。

〇大型特殊の運転免許を持っている人

 11時間。学科から4時間、技能からは20時間も免除。フォークリフトの経験が全くなくても、技能は20時間免除。1日目は終日学科で、2日目は4時間だけ実技を受けて、おしまい。

という具合に、最短と最長で3倍もの開きがある。したがって、早くフォークリフトの資格を取りたいなら、大型特殊免許を取得してからにするべし。

するべし、と書いたけど、おいそれと簡単に取得できるものではない。このあたりの話は、別の記事で。

ここから先は、普通免許を持っている場合の31時間コースと、大特免許を持っている場合の11時間コースとを比較しながら話をすすめる。

費用と場所

技能講習や特別教育は、各都道府県に届け出た登録教習機関で行われる。取得できる資格は同じなのに自動車教習所によって教習料金が大きく違うのと同様に、技能講習の費用も、教習機関によって変わる。その登録教習機関というのは、大きく分けて3タイプあるようだ。

 コマツやIHI、住友建機、コベルコなど大手機械メーカー等が教習所を開設している。設備が比較的充実している。開催日程も多い。費用は高め。

 自動車教習所が開設している。大型特殊免許の教習とセットで割引になる場合が多い。

 各都道府県にある労働安全衛生協会のような組織が開催している。開催日程は少ないが、土日の場合が多く、サラリーマンには都合がよい。費用も安い。

筆者のように資格マニアが自腹で取得するなら、交通費や早朝のアクセスも考えて、教習機関を探そう。どこも、朝は概ね8:00には着いていないといけない。

参考に、いくつかの教習所の費用を載せてみる。2020年5月現在の金額。大きなバラつきがあることがわかる。

〇コマツ教習所 神奈川センタ(神奈川県川崎市)

 31時間:51000円、11時間:23000円

 ※コマツ教習所 東京センタが八王子にある。

〇IHI技術教習所 神奈川センター(神奈川県綾瀬市)

 31時間:45000円、11時間:18000円

 ※東京都江東区にもIHIの教習所があるが、11時間コースが無い。

〇キャタピラー教習所 東関東教習センター(千葉県柏市)

 31時間:43000円、11時間:21000円

〇東京クレーン学校(東京都葛飾区)

 31時間:39290円、11時間:18860円

〇市原技能講習センター(千葉県市原市)

 31時間:35000円、11時間:13000円

いろいろ調べてみて、市原が一番安かった。早朝のアクセスも、無理ではないので、ここに即決。

次の記事は、この市原での取得記になる。

まとめ

・フォークリフトの操縦には、法令で定められた講習を受ける必要がある。

・フォークリフト免許をとるなら、資格によって時間や費用が大きく変わるので、大型特殊自動車免許を持ってると良い。

・登録教習機関によって費用が全然違うので、吟味しよう。


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