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よォーこそRC

いてもたってもいられず、こうやって筆をとることとした。

今日先ほど文化放送でオンエアされていた「武田真治・鷲崎健の よォーこそ RCサクセション」を聴いてしまったからである。

今後自分の振り返りとするためにもどんな番組だったかもちょっと書いていく。

番組の特設サイトの説明文をコピペしますが、「1970年「宝くじは買わない」でシングルデビューしてから今年でデビュー50周年の節目を迎えるRCサクセション。グループのリーダー、忌野清志郎さんの命日からほど近い5月5日の夜に、忌野清志郎さんをリスペクトしつつRCサクセションデビュー50周年を記念した特別番組」となっています。

2時間の番組で前半1時間は特にRCセクションのデビュー初期を中心とした忌野清志郎の歴史を振り返る。後半は武田さん、鷲崎さんの思い出の曲の紹介とお二人のセッションをするもの。

RCを知らない人にも紹介するような番組もあるから前半は言ってみれば無難な立ち上がりであったように思える。と言ってもデビューから50年を記念した番組なのに開始30分で6年目までしか進んでいないのだから、相当に濃い時間ではあるのだが、RCのファン、忌野清志郎のファンであれば十分に楽しめるが、それ以外のリスナーはまぁ「へぇそうなんだ」となるような内容。

ただ何より後半が良かったなぁ。

お二人のRC、忌野清志郎の好きな曲を3曲ずつ紹介する、そして最後に二人でセッションをする、というものですがこれが本当によかった。


人が心を動かしている瞬間は他者の心をも動かすと思っている。

間違いなくあの1時間の二人は自分の心からの言葉で、心を震わせて声を発していたように感じられる。

武田さんはもちろん忌野清志郎本人とツアーを回っていた時期もあるぐらいに濃い時間を過ごしていたし、鷲崎さんも直接会ったことはなくとも音楽的な自我が芽生えての最初は忌野清志郎であった。二人とも忌野清志郎に人生を大きく影響を受けているのである。

そんな二人が選ぶ忌野清志郎の曲。

例えば鷲崎さんは自分が最初に衝撃を受けた曲を紹介し、最後に選んだ曲の中では時系列としては一番初期の曲を紹介をする。最後武田さんに話の流れ的には「時系列順に紹介するほうが良い」と突っ込まれつつも自身が「忌野清志郎を語るなら」で最初にパッと頭に浮かんだものから紹介していた。

何が良かったかと言えば、もちろん曲の音楽的、詩的な良さも説明するのだが、何より良かったのが二人が自身の思い出を語ったところだ。二人が忌野清志郎という存在と出会ってどのように人生に影響を受けたか、どのように心が動かされたかを本心で語っていく、ここが素晴らしくよかった。

確かに武田さんのエピソードは、そのころご自身が精神的にも参っている時期に出会ったということもあって涙を誘うものがあった。しかし、ただ「泣ける」ものだからということで良かったと言いたいのではなく、話している本人が自分の言葉で自分の思っていることを喋っていた。「神様がいるかどうかわからないけど、天使はいる。だって俺会ったことあるもん」も曲が終わった後の「どうだ、スゲーだろ」という言葉のチョイスはやはりご自身の心の底から生まれてきた言葉であったであろう。

鷲崎さんはそれに対すると普段のご自身の仕事もあって自分の心を「言語化」してしまう、心を修飾してしまっていたところもあるが、「三番目に大事なもの」に対して「うーん、美しい」とボソりと呟いたところ、ここは間違いなく心をそのまま開いたところのように思える。

二人が番組の中で見せた心の揺らぎに、聴いていた僕もやられてしまった。正直ほとんど泣きそうになりながら番組を聴いていた。これまでの文章でどれほど伝えられるか、どれだけ想いを込められているか不明だが、とにかく僕はこのラジオに対して、武田さんと鷲崎さんに対して心を動かされてしまったのだ。


また鷲崎さんと武田さんに心を動かされたと散々語ってきたが、ここでもう一人忘れてはいけないのが進行役の砂山圭大郎さんである。

最初出演者を聞いたときに誰もが鷲崎さんと武田さんという忌野清志郎ファンの2人だけで十分なのに、もう一人、しかも2人に比べると忌野清志郎に対する熱もないような人がなぜキャスティングされているのだろうと思ったはず。

しかし蓋を開けてみると違ったね。とても重要な人、役割でした。

恐らく、鷲崎さんと武田さんが二人だけで番組をやろうとした場合には、進行役を鷲崎さんが担うことになるであろう。そうした際にはあくまで鷲崎さんは進行役であるので、自分の立場を考えて忌野清志郎への熱を抑えて、番組がうまく進むように言葉を紡いでいたと思う。

これがけーたろーさんという進行役がいるおかげで、鷲崎さんが一人の喋り手となることで武田さんと同じ立場、目線になって喋ることができることで、2人の忌野清志郎好きのが相乗効果で盛り上がって、話に華を加えることができていた。キャスティングの妙と言うべきか、一人加えることの化学反応なのか、番組制作サイドの英断であったと言えよう。

改めて素晴らしい三人の組み合わせであったことは記しておきたい。


伝説の回、それは感動であったり爆笑であったり奇跡的な出来事であったり、その形は様々であるが、その伝説の一つとしてこのラジオ番組は残っていってもよいのではないか、そのようなラジオ番組であった。

またこのような伝説に立ち会えることを期待して、ラジオを追いかけていこうと思える番組であった。

最後にいつまで閲覧できるかわからないが番組のHPをリンクとして貼って、締めくくりとしよう。


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