ハンニバルを見てください

ハンニバルを見てください(2回目)。下のリンクから1話目が無料で視聴可能です。見てから、このノートを読んで欲しい。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%AB-%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3-1-%E5%90%B9%E6%9B%BF%E7%89%88/dp/B07G556XCY


大変お恥ずかしい話ではありますが、私はつい最近ドラマ版ハンニバルを全シーズン完走致しました。馴れ初めとしましてはハンニバルフリークの友人各位からの圧力に屈し、まあお試しでとAmazonプライムで1話目を見た訳です。その時の感想が

主人公の瞳が美しすぎて何も頭に入ってこなかった……

本当に、今まで見た事がないくらい美しい目をした主人公でした。冬の星に丁寧に浸したような双眼で、名前をウィル・グレアム。俳優ヒュー・ダンシーと言う天使のような美少女の異名を持つ当時の年齢が38歳〜40歳男性が演じて居ます。もうこの時点で色々おかしいじゃん?オタクそういうの大好きよ!もっとちょうだい!となりまんまとTSUTAYAで全シーズンレンタルした訳です。友人達の計略に尽くハマって悔しい。でも嬉しい、大好き。

1話目のあらすじは、

連続誘拐事件の捜査に行き詰まったジャックはFBIアカデミー講師のウィルに協力を依頼。彼は、頭の中で犯行を再現出来るという能力を持っていた。そして、不安定な彼の精神面を心配しジャックはある精神科医を紹介する。

ハンニバル界隈のオタク達はもうこの一文で狂喜乱舞したのでは無いですか?私もある精神科医の部分ですっかり喜んじまう体になっちまったよ……ハンニバルの効果は偉大だなあ……。皆も早くこれになろうね。

1話目を見終わって無事ウィルとレクター博士の運命が始まった所での当時の私の感想を見てみましょう。

ウィルは、一生懸命普通の人のフリをしたいんだねえ……でも自分の異常性に気がついてる。そりゃあ博士も、薄皮を1枚1枚剥がす様に念入りに丁寧にウィルを扱うよね……食事の為の下準備をしてるみたいだ

はい、ドラマ版ハンニバル。そしてハンニバル・レクターと言えば“食事”では無いでしょうか。Eat the rude. 無礼者を食す、と言う事ですが本当に食事シーンが一つ一つ丁寧で美しく意味がある。

そして北欧の至宝、マッツ・ミケルセン演じるハンニバル・レクターが食事を作る手際たるや……賞賛に値する価値あるものです。人喰いハンニバルと怪物扱いされた人間が、このドラマでは一等に紳士的で刺激的な人生を送ってるんですよ。彼の周りを取り巻く人間は、そんな姿に心惹かれ陶酔していく。しかし、彼は怪物なのでどうしても人と同じにはなれない。いくら人らしく取り繕った所で、誰も怪物の本当の心になんて興味はない。触れる事は出来ない。では、怪物の友人がもしもレクター博士に現れたら?同じ目線、思考。心を持つ事が出来る可哀想な子羊のふりをした怪物を見つけたら怪物はどうなってしまうのか。面白いでしょ?見たくなりますよね?じゃあ善は急げだよ。ハンニバルを見てください。

ついでに言えば私は調理シーンだけ編集して1本の料理番組にしたって絶対見ると思います。3分クッキングの次世代枠はハンニバルと言っても過言ではありません。

ウィルを仕上げる為に振るスパイスがレクター博士って事かい?それにさ、食事ってとても重要よな。食い物1つが、その人の体を作るよね……ハンニバルは食事シーンが丁寧で気持ち悪いほどいいぞ……博士は、ウィルで何を作りたいんだろうな……

こんな事を見終わる度に淡々とツイートしてしまうほどハンニバルは思考に深い影響を与えるようになるんだわ。やったね。食事シーンが丁寧なドラマはいいドラマだって学んでおいて正解でした。だって食事ってその人の体を作るんだもの。何を食べたいか、何を食べるか。そして、誰と食べるか。食事にはその人の趣向がよく現れる。

いやあ、ハンニバルフリークの亡霊達がやたらにハンニバルを薦めてくる理由がこの時点でよく分かりました。これはめちゃくちゃ面白いぞ。見たら絶対次が見たくなる、止められない止まれない。だから見た事のない方々は早く見てください。見た方はもう一度見ましょう。ハンニバルは何周しても良いってオタクが言ってた。

そんなこんなでちまちまと見続けてツイートして歓喜しながら涙もして無事完走したわけですがハンニバルを全シーズン通して凄いなあと唸った点は、無駄な単語や行動が一切ない所ですね。

シーズンを越えても、博士やウィルがした行動がどんどん点から線へと結びついていくんです。ハンニバル内には難しい単語がかなり多く出てくるんですがその時に外部からの予備知識がなくても、ドラマ内で完結・こちらが伏線として解釈出来る要素がぐっと詰まっていてまともな頭の人間では到底考えつかないと思います。それでいて、宗教的な知識や心理学的知識。原作のレッド・ドラゴンの知識を持つ人達を絶対に飽きさせずオタクを逃がすきがさらさらない最強の布陣で緻密に構成が組み上げられていました。監督がハンニバル・レクターの狂信的なオタクって本当だよね。オタクは本能で共鳴しちゃう生き物だから惹かれるのは仕方ないのかな!

そんなオタクが作ったハンニバルと言うドラマはシーズン1・2・3を通して、本当に精巧に練り上げられた物語なのですがテーマは全て愛なんですよ。起こる事件のきっかけも、ウィルとレクター博士の様な全ての人間模様にも愛が深く関係してる。皆さんは理解していますか?愛がなんたるか。愛には色んな形がありますが、目には見えないものですよね?私達は感覚的にその実態を思い描いてるものじゃないですか。匂いも味も見た目も予想がつかない、正解というものが存在しないと思うんです。その感覚を、的確に視覚化させて愛がどの様な形でも変わらない物こそが愛なのだと唱えているのがドラマ版ハンニバルです。あまりに純粋な愛がウィル・グレアムとハンニバル・レクターの間にはあった。私達はそれを確かに見た。ハンニバルではそれを見る事が出来るんです。性別など些末な問題で、単純に人と人でも到れるかどうかも分からない純粋な愛が2人の間には流れていた。ただの同性愛だと片付けるにはあまりにも言葉がお粗末で、無礼だと思うので是非その目で確かめて欲しい。だからハンニバルを見てください。なかなかないよ、こんなサイコパスな刑事ドラマとプラトニックな愛欲のドラマのハイブリッドなんてさあ!お願いだって、皆のハンニバル感想ツイートでニヤニヤしたいんだよ。頼むわ。

これは余談ですがハンニバルは囲い込み漁かよって叫んだ事があるんですが本当にそうだなって今でも思います。ハンニバルのオタク達がニコニコしながら網を手に無害な小魚である私を追い込んで、ハンニバルから逃げられない様にするんだもん。おかげでハンニバル見てない時でもハンニバルの事を考えてしまう思考に陥ってしまってとても楽しいです。そして私も晴れて網を持つ側の人間になろうと思いました。だからハンニバルを見てください。旧作レンタルでTSUTAYAでめちゃくちゃ安いから。見たら私に一報ください。私の記憶の宮殿にしまい込んで行きますから。