月が綺麗ですね
【白味噌は嫌い?】
「、、、」
「、、、だめ?」
「味噌汁ね。毎朝作ってくれるってことね」
「一応実家は白味噌だったし」
「あれでも今日のやつが白味噌?」
「いや。別にその辺に売ってた普通のやつ」
「何でもいいんじゃん」
「強いて言うならってこと。ちょっと趣ある感じがいいんでしょこういうのは」
「、、、次の日から白味噌で作ってくれんの?」
「ええ、、別にそこまで考えてないよ。単純に『スーパーで2番目に安い味噌でいい?』とかは、ちょっと嫌じゃん」
「、、、どっちでも同じじゃん?」
「、、、まあはい。私のターン、エンド」
「じゃあ俺のターン、ドロー」
「え何、」
「手首、貸して」
「あ、はい」
「、、、23億ってなんの数字か知ってる?」
「え、、まさかそれ?、、、アイラブユー?」
「違う違う普通に。質問」
「23億、、、」
「、、、」
「、、、」
「、、、」
「、、、地球が生まれたのは46億年前で、そのちょうど半分って」
「心拍数」
「ん?」
「人間の心臓って死ぬまでに動く回数が決まってて、それが、23億回。23億回心臓が鳴ると、死ぬんだって。人間」
「、、、へえ」
「諸説あるけどね」
「ほお」
「、、、ちょっと速い。脈」
「ああ、昔からね。普通よりは速いかも」
「早死にしちゃうね」
「そうっすね」
「生きる力が分かりやすく削れていくのって気持ちいいよね」
「そうやって時々怖いこと言う」
「持久走は嫌いだけど」
「矛盾してんなあ」
「、、今だからだよ」
「今?」
「今、だから」
「、、、」
「俺の、惜しみなくあげるからさ、そっちのも、ね」
「、、、、」
「やっぱり速いね」
【君の死因さえ俺であって欲しい】
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