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私の好きな歌詞 とんちんかんちん一休さん編 /オーバナンモン

text by オーバナンモン
posted on Feb 20,2021.



今回は趣向を変え私の好きな歌詞について書いていこうかと思います。タイトルにもあるようにアニメ一休さんのオープニングテーマです。これとても好きなんです。

一休さんに恋心を持っているさよちゃんがいきなり「一休さ〜ん」と一休さんを呼びつけます。一休さんは「は~い」と元気に返事をします。爽やかなコール&レスポンスから歌は始まります。しかし、は~いと返事をした一休さんに「すきすきすきすきすきすき あいしてる」と突然の告白です。呼びつけてからのドン!です。煩悩を払い心を整え仏に仕える身である修行僧に対してこの年端もいかない少女からのショッキングな告白です。その方法も歌詞に合わせボクシングで例えるとジャブジャブジャブジャブジャブジャブ アッパーカットという高度なテクニックで一休さんに詰め寄るのです。曲の始まりとしてこんな破壊力のあるパターンは稀有で素晴らしいと思います。曲の最後を締めるのもこのすきすきです。安国寺は愛の言葉に溢れています。
曲は進み一休さんの人柄についての説明に入ります。「とんちは鮮やか、度胸は満点」と一休と一級をかけたダジャレを用いておだて上げて最後に「喧嘩はからっきしだよ三級品」と突き落とします。これは酷いものだ、男の子だからといって腕っぷしで人を評価していいものかと腹を立ててしまいがちですがこの部分が後に続く歌詞に重要な意味をもたらします。
「気にしない 気にしない のぞみは高く果てしなく」良いですね。人の目を気にしたり、他人様の足を引っ張ることへのアンチテーゼ。中島みゆきは「ファイト闘う君の唄を闘わない奴等が笑うだろう」と歌いましたがそれに通じるものを感じます。
さてここから私が一番好きなフレーズが出て来ます。「わからんちんどもとっちめちん」くー、素晴らしい表現ですね。「分からず屋どもをとっちめろ」だと乱暴過ぎるし、「分からず屋たちをとっちめて」だとパンチが足りません。「分からんちん」という相手を貶めながら少し愛嬌を感じさせる独特なセンス「とっちめちん」これも愛嬌があるし制裁する側に人の優しさ体温を感じます。とっちめちん、本当に好きな響きです。そしてこの響きには、悪事を働いてしまった者に対しても敬意を持ち決して暴力を使わないという強い意志を感じます。先に「喧嘩はからっきし」とからかわれていますが、平和的なとんちという解決方法を見出した一休さんからすれば腕っぷしなど必要ないのです。
武器や兵器では爭いは解決出来ません。心にとんちを。憎い相手を攻撃するのではなく「とっちめちん」でいきましょう。高らかに一休さんの歌を口ずさんでみようではないですか。



オーバナンモン_profile
屁理屈とウクレレと時々ギターと歌と愛。 最近は一人で弾き語りや作曲依頼を受けています。


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