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vol.30 司法試験の巨大な『暗記』の壁を乗り越えるまで②後編

こんにちは!ぽんぽんです😊
いつもお読み頂きありがとうございます🌿

『司法試験cafe room』では、
ともすれば焦りや不安につながりがちな司法試験勉強に関する情報を、
『カフェでゆったりくつろぎながら読めること』をコンセプトに発信しています🫖
今日ものんびり読んでいただければ幸いです🍀

0.はじめに

昨日あたりから、
令和3年の司法試験・予備試験短答式試験の結果ハガキが到着したとのツイートをたくさん拝見しています👀✨

合格された方、おめでとうございます🎊㊗️💕
この世界にいると、
『短答くらいは…』という人もおられますが、
司法試験・予備試験は文系最難関国家資格ですし、その第一関門を突破されるということは間違いなく実力者です。
自信を持って、次の目標に向け頑張って頂ければと思います😊

不合格だった方、今は何とも言えない気持ちだと思います。
私は、司法試験1回目受験時に短答落ちをしたとき、
『もっとやれることはあったんじゃないか』
『合格できるはずだったのに…』等、
マイナスの感情が湧き上がっては、
自分でそれを打ち消そうとするけど上手くいかない日々を送っていました。
ただ、ここで諦めなければまだまだチャンスは手中にあるままです。
来年を見据えておられる場合には、
また新たな一歩をそっと後押しできるように、
私自身も様々な方法で発信を続けようと思っています。
共に、頑張っていきましょう。


1.ぽんぽんの暗記の過程をたどる

今日は前回の続きということで、
『ぽんぽんが司法試験合格にたどり着くまでに通った暗記の過程をたどる』というテーマで書いていこうと思います。

巷には多数の優秀な合格者の方がおられ、
質問箱などでスマートな返信をされていますよね😊

私は、現在、下調べなどをして正しい知識を提供することが難しいこともあり、
勉強の内容面に関するご質問には返信していないのですが、
『やはり合格者は暗記の土台が盤石だなぁ』と日々感心されられています。

その一方で、
合格レベルの暗記量にたどり着くまでにどのような経過をたどられたのか?

詳しく書いている方はほぼおられず、

『毎日10時間ゴリゴリに勉強したから覚えた!』
など、
『暗記は努力でカバーするもので、覚えられないのは努力不足』と読み手に感じさせる書き方も散見されるところです。

※なお、個人的には、もし本当に毎日10時間勉強を出来ていたのなら、それはもはや特殊な才能の領域なので、かえって参考にならないと考えていました😂😂

しかし、私のフォロワーさんの多くは、
○ご家庭の事情で十分な勉強時間が取れない
○ご自身やご家族の病気のため勉強を長くできない
○社会人受験生である
など、毎日10時間勉強したくても精神的・物理的な両面から難しい方だと思います。

そこで、同じ状況下にあった私の『暗記の過程』を振り返ることで、
皆さんが自分なりの暗記の過程を構築する際に、
何かしらのヒントにしてもらえればと記録することにしました👀📝


私は司法試験に3回落ちていますので、
ムダな部分、使えない部分もあると思いますが、
その点に気付くということもまた実力アップにつながると思っています💪

それでは早速、書いていこうと思います📝


2.暗記過程の3段階step1

私の場合、暗記過程は3段階でした👀

step1  『見たこと聞いたことはある』レベルに持っていく

step1は、具体的に言うと、


『民法177条の「第三者」に判例上の定義があることは知っているけど、定義がまだ言えない』

『どんな判例があったか覚えておらず、背信的悪意者という言葉知ってるけど、どんな論点で使うのかよくわからない』

くらいのレベルでした。

時期:司法試験、予備試験勉強開始から1年未満の初学者くらい

勉強で使用していたもの:
ロースクールでの指定図書、プリント、予備校本(ただし使いこなせない)

この時期を抜けてstep2に進むためには、
とりあえず『全科目の主要論点を網羅する』ことがポイントだったと思います。

ひとつひとつの論点にこだわって『覚えられていない…』とショックを受けるのではなく、

とりあえず最後まで一旦行ってしまい、
『なんか覚えてないけど一周はした』
そして
『定義とか規範は覚えてないけど、そういう論点があった』レベルに到達することで、

『見たこと聞いたことがあるものは結構あるから、初学者ではない』自分になれたと思います。

もちろん、このレベルで合格は程遠いのですが😂


3.暗記過程の3段階step2


step2   『知識の定着率を爆上げする』

step2は、具体的に言うと、


『民法177条の「第三者」に判例上の定義があることを知っており、定義も言える』

『背信的悪意者という言葉知っており、定義も言えるけれど、具体的な論点での使い方はピンときていない』

くらいのレベルでした。

時期:法科大学院2年目以降・予備校入門講座を1周以上した等、論文を書き始めてとりあえず書き終われる時期に入ったくらい

勉強で使用していたもの:
ロースクールでの指定図書、プリント、予備校本(ただし使いこなせない)、各種問題集

この時期のポイントは、
『短答式試験に合格し、論文が書けるレベルの知識を全科目で網羅的に定着させる』こと
でした。

※なお、私はこのstep2の極意になかなか気付かず…ここで司法試験2.3回目はとどまってしまい、論文不合格となってしまいました。

このために有効だった手段としては、
『条文+条文の文言+論パの問題提起=規範』
これでワンセット、と意識すること
でした👀

よく『暗記しても論文は書けない』と言いますが、
この言葉の真意は、
『なぜその論証を書くのか、論点の理解』が必要不可欠ということではないでしょうか🤔

この『論点の理解』をすべての論点で行うためにキープしていたい勉強の姿勢が、
『条文+条文の文言+論パの問題提起=規範』
ということです😊



4.暗記過程の3段階step3

step3   『知識の穴を埋める』

step3は、具体的に言うと、


『民法177条の「第三者」に判例上の定義があることを知っており、定義も当然言える。
また、背信的悪意者の定義も言え、177条との関係で具体的な使い方も理解しているので、正しい順序で論文に書き表すことができる。』

くらいのレベルでした。

時期:司法試験論文に合格できた年

勉強で使用していたもの:
step1,step2に加えて答練+その復習(過去問を解いていない場合は過去問も)


step3は、言い換えると『司法試験最終合格が見えた年』ということになると思います。

このレベルに達したときに考えたのは、
『いかに足元をすくわれずに勝ち抜くか』ということでした🤔

司法試験は(もちろん予備試験も)範囲がとにかく膨大です。
絶対に出ないニッチすぎる学説の対立や、
ほとんどの基本書に書いていないような論点はやる必要はないと思うのですが、

例えば、論パや予備校本、有名な司法試験にも使える基本書などに出てくる論点は『基本的に全て必要だ』と考えておかないと、
下手に範囲を絞って偶然にもそこが試験に出てしまったとき、後悔してもしきれない結果になるかと思います😢

私は、司法試験3回目受験のときまで、
自分の苦手な分野を勝手に出ないと決めつけ、
暗記や勉強を避けてしまっていました。

この点がstep3に到達できなかった、ないし、
到達していたのに合格できなかった原因であると今でも後悔しています。

4回目受験の年は出題範囲を予想することはせず、
苦手な範囲も含めて、
出来る限り広範に知識を埋め、とにかく穴をなくすことを心掛けました。

やり方は極めてシンプルに、
○どんな勉強でも六法を引く
○何度も(覚えていても)趣旨規範ハンドブックを開く
というインプットを行いながら、
○答練に毎週参加する
○答練の直しも必ずする
というアウトプットも平行して行い、
その中で把握した暗記が弱い部分を集中して即埋める、というものです📝🍀


5.おわりに

最近、

「司法試験の悪魔」という言葉を聞きました。

いわく、
司法試験の合格はそんなに難しいものではないのに、
自分で勝手に『難しいものだ』『自分には厳しい』と思い込んでしまい、
『司法試験の悪魔』という虚像を作り出している受験生が一定数いるのだそうです。

振り返ると、まさに私は自分が作り出した『司法試験の悪魔』に囚われていたと思います。

ここから抜け出す方法は幾つかあると思うのですが、
私にとっては『覚えられている!』『書ける!』『解ける!』といった、
勉強面での伸びを感じることが最良の方法だったように思います。


暗記は司法試験・予備試験において避けては通れない道かと思いますが、
今日の記事が少しでも参考になり、
皆さんが勉強面での成長を感じられるキッカケになりましたら、
こんなに嬉しいことはありません。


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☆次回は6月26日(土)に更新予定です。

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