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No.22 やらなきゃよかった…---司法試験直前期にやってしまった大反省スペシャル

こんにちは!ぽんぽんです。
いつも『司法試験cafe room』をお読みいただきありがとうございます😊

こちらのnoteでは、
ともすれば耳が痛い内容になりがちな司法試験に関する情報を
『カフェでお茶を飲むように、ゆったりした気分で読める』
ことをコンセプトに書いています。

週1回更新していますので、ぜひマガジン登録よろしくお願い致します🫖


0.はじめに

司法試験まで20日を切り、いよいよラストスパートの時期がやって来ました。

質問箱にも日々多数の質問を頂くのですが(ありがとうございます🙇‍♀️)
やはり「自分は合格に持っていける勉強ができているか?」について
ご心配な方が多いように見受けられます。

「合格に持っていけるレベルの勉強」の内容は、正直その方のレベル(知識の定着度、論文の筆力、短答が得意か等)にかなり左右されると思いますので、

今回は
①フルタイムワーカーの超直前期のすごし方 と
②私が直前期にやったものの『やらなきゃよかった』とひたすら後悔した勉強


この2点について書いていこうと思います。

私自身、最終的に令和2年司法試験には合格できたものの、
『あの時、あんな勉強をしていなければ…』等いまだに反省は尽きません。

同じ轍を踏まないように、ご自身の失敗を避ける材料にしていただけると嬉しいです(今回は少し量が多めです。良ければ複数回に分けて読んでくださいね😊)。


1.フルタイムワーカーの直前期(3週間前〜2週間前)のすごし方

(1)いつ頃まで仕事をしていたか?

私はいわゆる一般企業で働いていたわけではなく、母の経営する学習塾(複数店舗経営)で働いていましたので、
講師業はもちろんのこと、経営者側として日々の電話対応、書類作成、スタッフ育成、給与管理等、目の前にある仕事はなんでもしていました。

※時折、「実家の仕事の『手伝い』なんだから、勉強の時間の融通はいくらでもきいただろう」と質問箱に投稿して頂くことがありますが、実家の母が死に物狂いで働いているのに自己都合の勉強ができるほどクールなタイプではなかったですし、一緒に子どもたちを守り育てている感覚でしたので、『経営者の1人』と自負していました😌


なので、直前の1週間前までは特に時短業務にすることもなく、
直前の1週間+試験の1週間の合計2週間の休みをもらい、本番に備えていきました。

(2)3週間前〜2週間前のすごし方
※この時期はまだ働いていました。

【勉強時間】
平日…5〜6時間(朝9時〜12時+昼13時〜14時+夜23時〜25時から捻出)
休日…8〜10時間(朝9時〜12時+昼13時〜19時+夜20時〜22時から捻出)

【勉強内容】※番号は優先順位です。
論文…①趣旨規範ハンドブックの暗記確認
   ②答練の見直し、書き直し 
   ③経済法・行政・刑訴の過去問でミニ自宅答練
   ④本番に持参するまとめノートの書き足し+確認
   ⑤問題集の付箋部分の見直し
   ⑥その他

短答…①短答パーフェクトで苦手・不安な範囲を一気に解く
   ②憲法・刑法の過去問を全年度解く
   ③条文、百選を読む
   ④その他

【注意したこと】
○勉強内容をルーティン化する
→「何をしようか?」迷って時間をロスしない
○アウトプットにこだわりすぎない
→知識を満遍なく入れるインプットを重視
○起床・就寝時間を本番に合わせる
→本番の体調は事前に作る
○週1回、平日のどこかで勉強時間をガクンと減らす
→体力&気力の維持のため意識的に休む

☆直前1週間前のすごし方については、来週のnoteにてご紹介予定です。


2.「やらなきゃよかった…」あとで後悔した直前期の勉強とは?

私は民法・刑法の論文(C評価)と短答式試験(96/175,ボーダー93)で大失敗しているのですが、
この大失敗は「本番緊張していたから」等の理由で済まされるものではなく、
直前期の勉強の仕方に問題があったからこその理由ある大失敗です。

常々Twitter等でもつぶやいている通り、
『司法試験に落ちる(悪い成績になる)答案』には共通項があると考えています。

下記の内容は、まさにこの『悪い成績の共通項の1つ』と私が考えているものです。
以下の勉強の何がダメだったのかをぜひ検討して頂き、「そりゃダメでしょ!」と笑い飛ばして頂くとともに、皆さんが司法試験最終合格を手に入れられる一助となれば幸いです。

(1)この1年で得意にしたはずの「民法」でC評価!最後の最後でミスったことは?

もともと私は民法が大の苦手です。
短答知識もロクに入っていなかったですし、何より答案の型がわからず1行目からすでに何を書けばいいのか途方に暮れている状況でしたが、
4回目の年は辰巳の答練+西口竜司先生の個別指導を受けたおかげで「どう書くのか」が理解でき、答練+全国模試での成績は非常に安定していました。

また、1〜3回目受験は旧民法だったのですが、
4回目は改正民法からの出題ということで辰巳法律研修所にて改正民法の授業を何度も受けており、実は少しばかり自信すら持って本番望んだのですが…

足元をすくわれたのは、「改正されていない部分からの出題(設問2)」でした。

上記の通り、4回目の令和2年司法試験には改正民法の初年度ということで、
各予備校の答練等でも改正民法が手厚く出題・解説されており、
私自身も旧民法でずっと試験を受けてきた不安から、改正民法に関する勉強ばかりやっていました。

特に直前期は、
『改正部分以外では、出ても不当利得・不法行為・親族相続くらいだろう』
というなんの根拠もない思い込みを前提に、自分勝手に出題範囲を絞り込んで勉強
してしまいました。
その結果、改正されていない部分の知識や考察が必要な設問2で頭が真っ白になってしまい、うろ覚えの知識でおよそ見当違いのことを書いてしまったのです。

司法試験委員会が言ったわけでもないのに、
自分勝手に「ここらへんから出題されるだろう」と出題範囲を絞り込み、
暗記や理解を深める場所を真の出題範囲から外してしまったことは悔やみきれない大失敗でした。


(2)苦手の刑法でやっぱり大失敗…論点落としを防ぐためにすべきだったことは?

刑法は嫌いではないのになかなか点数が取れない科目でした。
定義・規範・論証の暗記自体は一通りできていたのですが、
細かい論点を落としたり、ヘタをすると罪名を間違えるという暗記どうこうでない欠点を抱えていた上、得意な人が最も多いと言われる科目のため、元々苦手な私がたった1年でAを取るのは至難の技だと考えて「B評価で守りきる」ことを目指していたのですが、
当日は残念ながらC評価となってしまいました。 

このC評価の理由は至って簡単で、設問3で2項強盗を落としたからなのですが…

自分の弱点の1つが論点落としだとちゃんと認識していたのに、なぜ本番でまた論点落としをしてしまったのか?
それは、刑法論文問題の傾向変化に引きずられすぎた勉強をしていたからだと考えています。

刑法は平成30年より出題傾向が大きく変更になりました。

この変更を受け、私自身の刑法の勉強方針も、
従来型の『問題文の中からどんどん論点を探し出して片っ端から書く』という浅く広い勉強スタイルから、
新傾向型の『論点を抽出+問題の本質や対立学説も押さえておく』という狭く深いスタイルに変更していました。

学説が対立しているところは問題の本質を理解し、把握するという時間をかけた勉強が必要だったので時間的余裕がなく、結果として広範囲の論点を十分に勉強することができませんでした。
さらに、「4回目なんだからさすがにこれくらいわかっているでしょ」という慢心も正直あったと思います。

その結果、本番で2項強盗のサインに「もしかして…?」と引っ掛かりはしたものの、自分が十分にカバーできていた論点ではなかったため深く考えずに罪名を判断してしまい、設問3の主要論点をまるまる1つ落とすことになりました。

幸い設問1〜3のいずれにおいても最低限の定義・規範・論点は記載できていたようでなんとかC評価で踏みとどまりましたが、

自分勝手に出題論点・範囲を絞り込んで、それを盲信し勉強することは非常に危険だと感じました。
(この意味では、民法と刑法の問題点は共通している
と思います。)

(3)司法試験撤退を一度は決意!短答での大誤算

受験生の頃は、回数を重ねるごとに「短答(くらい)はできるだろう」という謎の気持ちがありました。
しかし実際は、短答落ちした1回目の点数(98点だったかな?)よりも4回目合格の点数の方が低い(96点/175点)という結果になりました。

元々短答式試験に関して一切成功体験がなく、どれだけ時間をかけて勉強しても点数が取れる気がしないまま=克服しないまま臨んでしまったのが一番良くなかったと思うのですが、

じゃあ一体、何をどう勉強すれば克服できたんだろう?
ということを今の短答式試験の傾向も踏まえつつ考えると、以下の反省点があります。

①民法では、頻出の条文は覚えるレベルにならないといけなかった
→錯誤や虚偽表示、時効等の民法総則、親族相続あたりの頻出条文は「文言」を覚えるレベルでないといけなかったと思います。
→⚠️条文素読が嫌いで、結局ほとんどやらないままでした。小分けにして何回かに分けてでもやるべきでした。逃げちゃったんですよね…

②刑法では「知っている」を超えて「理解している」レベルにならないといけなかった
→⚠️判例や学説、論点を「知ってはいる」レベルから「理解している」レベルになるために、基本書等で内容を確認すべきでした。
→刑法では、平成28年ごろの過去問で満点近く取れても令和2年過去問で点数が悪ければ、「見たことはあるけど理解しきれていない」ことが多いという一つの指標になると思います。

※もし今年も受験生だったら、こちらを使って最後の追い込みをしたい…!
こちらの書籍の記載を短答式試験では意識していると言われるくらいですし、確認の価値はあるかもしれないです🧐↓

③唯一点数が安定していた憲法は、百選で判例の記載を確認+統治分野がカギ
→憲法は特に力を入れていたわけではないのですが、唯一35点程度で点数がずっと安定していました。
→⚠️人権分野は過去問で出てきた判例は(知っていても)条文+百選を開いて文言を確認し、肢で出てきた部分にマーカーを引いて誤りの肢を書き込み、中日+短答の前日はこれをざっと見返しました。統治分野は条文+短答パーフェクト掲載部分は完璧にできるようにしており、一番「勉強をやり切った」感はあったと思います。


3.最後に


司法試験直前は色々な感情が渦巻きます。
急にテンションが上がったり、反対にどこまでも落ちてしまったり、


おもむろに「人生 うまくいく サイン」等を調べ始めるなど、
とにかく「あ、今不安定だな」と感じることが増えていきます。



そんな自分自身をどこか客観的に見つめながら、
私自身、一番大切なことは、
どんなメンタルでも良いので「勉強が一切できない状況にはしないこと」だと考えていました。

どうしてもしんどい日、モチベーションが維持出来ない日は必ずあります。
そういう日は思い切って休んで良いと思います。

(たまに1日書かないと筆力が落ちるという方がいますが、意識高く「ソースはなんですか〜?!」と言いたいです。何か実験でもしたのでしょうか。1日くらいで今までの勉強が吹っ飛ぶわけありません。)

けれど、勉強しない日を1日、また1日と延ばすことは、
合否に関わる危険性があると私は感じています。
直前期は「勉強しない」こと自体が大きなストレスとなり、
本番での身体的精神的不調を招きやすいからです。


休む日があってもいい。
でも、休んだらまた立ち上がって、なんとか残りの日々を耐えて頂けたらと思います。



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☆次回の更新は5月1日(土)の予定です。

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