#02 敗けてしまう人のパターン
今日は、しっとりとした雨の降り続く日曜日。
患者さんの数はまばらで、一人施術が終わった後、1〜2時間の空きが出るペース。
雨音を聞きながら、Rainy Jazzをかけて読書をしたくなるシチュエーション。
そんな心地良い空気にまどろんでいると、ふと、とある経営者の患者さんが施術中に語られていた事を思い出したので、少しお話してみようと思う。
「敗けてしまう人のパターン」
最近、独立志向のある若者が増えてきている。
IT革命によって、情報の瞬間移動がもたらされ、今は組織よりも個が強い時代となった。
代表的な例は、YouTubeをはじめとした動画投稿サービスの台頭である。
これまで能力はあっても、それを活かす場は組織の中でしかなかったが、YouTubeやニコニコ動画などを使って、個の立ち位置で能力を発揮し、社会的地位を得ている人間が増えてきた。
まさに時流である。
今や、ちょっとしたアイディアが、すぐ形に出来る仕組みが整っているので、独立して何かをやりたいという志向の人間が増えてくるのは、当然なのである。
それと同時に失敗する人も多いと聞く。
独立するには、個人事業主となるか法人化するかという選択肢があるが、適切な運営方法などのノウハウの話は一旦置き、ここでは事業主・経営者としてのマインド面の話をしたいと思う。
独立後、事業に失敗している人間には3つの共通点がある。
まず、1つ目。
「情報不足」
一言で言ってしまえば、リスクヘッジが出来ていないという事。
例えば、経営者というステータス欲しさが先行して、独立を選択する人が稀にいる。(事実私の友人にもいた)
そこまで極端な例でなくとも、事業に失敗している人間は、長期事業計画がしっかりなされていない場合が多い。
いざ独立の道を選ぶのであれば、まずは成功者からアドバイスを得る事。
スポーツでも、成功している人間に共通している事として、必ず「優秀なお師匠さん」の存在が挙げられる。
経営者とは何なのか?経営する上での大事なポイントは?
また、その成功者が独立を志してから、今に至るまでのストーリーを聞けると尚良い。
そして、2つ目。
「思い込み」
ここで挙げられるのは、例えば根拠のない自信。
「俺には運も実力もあるから、取り敢えず何とかなる。」
「俺は常に開拓者でありたい」
「俺は普通の人間とは違う」
といったものが挙げられるが、必ずしもこれらが全て悪いというわけではない。
なぜならば、こういった根拠のない自信から生まれるエネルギーも必要ではあるからだ。
大事なのはバランス。
ただ、この手の人間で失敗してしまうパターンは、本当の意味で自分の事を分かっているかどうか。
自分の事を分かっている人間は、いかなる場面でも冷静に客観的視野を持って対処出来る。
最後の、3つ目。
「自惚れ」
自惚れている状態を一言で言うと、自分を分かっていないという事。
例えば、仕事の目標を達成する上で、一ヶ月のスケジューリングをするとしよう。
思ったより結果が出なかった人は、自分の事を過大評価している。
過大評価をする人の多くが、焦りや勢いで思った結果が出ない人生を歩む事が多い。
過大評価する人は、自分の事を強く見せすぎて自分を見失いがち。
過大評価する人は、自分の約束・目標に潰される。
思ったより結果が出た人は、自分の事を過小評価している。
過小評価する事は、良いも悪いもない。
日本人の感性で謙虚である事は美徳という感覚もあるかもしれないが、
果たしてこれは謙虚なのか?
謙虚である事自体は大切だが、自分が自分の事を決める時ぐらいは、
自分の事を過小評価ではなく、そのまま受け入れれば良いのではないか。
過小評価しすぎる人は、自信がなくなって行動できなくなり、人の夢や目標が自分の人生になる。
過小評価しすぎる人は、自分の意見を言えなくなってしまう。
・・・そして、その患者さんが最後に言った事。
「人は人でしか磨かれない」
もし、あなたが英語ペラペラになりたいのなら、100冊の参考書を読むより、英語圏の海外で三ヶ月暮らしてみるといい。
もし、あなたが野球のプロになりたいのなら、プロ野球選手達との交流の場に何度も足を運んで、プロ野球選手達のマイストーリーを聞けばいい。
もし、あなたが成功者になりたいのなら、成功者達と繋がりを持って、その環境に身を置けばいい。
それが一番の近道。
その経営者の患者さんは33歳の男性で、三年前は貯金20万のニートだったそう。
それが、人との御縁の繋がりで、自分で興したビジネスが軌道に乗り始め、現在は年収1億円を超える程の経営者になった。
施術後、その患者さんはこれから打ち合わせと言って、笑顔で車へ向かっていった。
人生で、どれくらいの人と繋がりを持つのだろうか。
そんな事を考えながら、私は次の患者さんの施術へと向かう。
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