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#前進

前日のダイさんの伝言によって、これからの約2ヶ月間、どう過ごしていくかを計画し直さなければならなくなったが、不思議とダイさんへの不満はなかった。

結果はどうあれ、オレの背中を押してくれた人だ。

何かのキッカケがなかったら、ここオーストラリアにまで一人では来ていなかっただろう。そう思うと感謝の気持ちしか湧いてこなかった。

せっかくだから、この機会に歩ける範囲でメルボルン市街を歩き回ってみよう。そのうち、何か名案が浮かぶかもしれない。

正直、今すぐにでも波乗りしたいけど、また少し我慢して、じっくりと街中を探検する時間も楽しそうだ。

ここメルボルン市街には、大きな市立公園というか庭園が14あると言われている。

日本でイメージする公園とは違い、緑の芝生に覆われた広ぉーい敷地の中には歩行者用の一本の道がどこまでも続いているらしい。庭園の大きさは、どれも東京ドームぐらいの大きさはあるって言うんだから広すぎでしょ!

その中で歩いて行けそうな距離にある庭園は・・・

Treasury Gardens(トレジュアリー・ガーデンズ)

Fitzroy Gardens(フィッツロイ・ガーデンズ)

Carlton Gardens(カールトン・ガーデンズ)

これらの3箇所だということが『地球の歩き方』を読んでわかった。せっかくだから、3箇所を巡ってみようと思った。早速、手早く朝食を済ませてホテルを出発した。

目指すべき3つの庭園は、東側にありホテルを出て正面の道 Collins St.(コリンズ・ストリート)をどこまでも真っ直ぐに歩いて行くことになる。

2020年の現代では、地図アプリなんて便利なものがあって、GPSによって自分が今どこに居るのかが把握できるようになり、ほぼ道に迷うことなく目的地に着くことができるようになったが・・・

当時は、紙の地図を見ながら道ゆく人を捕まえては『すいません。道教えてください。』なんて面倒なことをしていた。歩いては止まり、そして道ゆく人に道を尋ねては進んで。なんてことを幾度となく繰り返していた。

そのおかげで相手の言ってることをハッキリは理解できなくても、身振り手振りだったり、時にはメモ帳にボールペンで書いてもらったりして目的地を探していくことができた。

人間、何とかしなくちゃ!って状況に追い込まれれば、なんとかなるもんだ。

Collins St.  をひたすら東へ向かって歩いていき Spring St.(スプリング・ストリート)にぶつかると、1つ目の庭園 Treasury Gardens  がある。ここは、緑豊かな自然が多くある広い庭園だった。

メルボルンの人たちは、週末になるとよくここでピクニックをするらしい。

『地球の歩き方』に書かれていた通り一本道がどこまでも延びている。庭園のすぐ横には、美しいたたずまいの旧大蔵省と州議事堂がそびえ立っていた。

道を一本隔ててすぐ隣には2つ目の庭園 Fitzroy Gardens  がある。この公園の中には、オーストラリアの探検家トーマス・クックの生家(せいか)があり入場料約230円を払って見学することができる。

トーマス・クックは大航海から帰ってくると、次の航海までの間この家で両親と過ごしたと言われていて、今やここは観光名所となっていた。

次は・・3つ目の庭園 Carlton Gardens  を目指す。

Carlton Gardens  へは  Albert St(アルバート・ストリート)という通りを歩いていった。少し歩くと、何やら教会らしき大きな建物が見えてきた。近くまで寄って見てみると ST.Patrick's Cathedral(セントパトリック大聖堂)と書かれていた。教会というか!?まるで城のようだった!

そこかしこに残るこういう歴史的建造物を見ていると、ここだけ時間が止まって当時のまま残されたかのようにも見えてくるから不思議だ。

途中、庭園についたら食べようと思ってピザサンドとビーフシチューを買った。ようやく Carlton Gardens  に到着した。

この公園には、大きな噴水がありそれを囲むように緑の芝生が大きく広がっていた。芝生の上で、ピザサンドとビーフシチューを食べて、2時間ぐらい芝生の上でゴロゴロしながら景色を楽しんだ。

道路挟んで反対側では、綺麗なクラッシックカーが数台並んでいた。

そのすぐ横では綺麗なドレスを身にまとった女性やタキシードをキチンと着こなした男性が何かの撮影をしているようだった。初めて間近で目にする西洋人のスタイルの良さと端正な顔立ちにしばらく見とれてしまった。全員が映画に出れそうなぐらいな美男美女の集まりだった。

ホテルへの帰り道に Swanston St(スワンストン・ストーリー)で観光案内所を発見した。

そうだ!ココなら何かわかるかも知れない。

そう思って案内所の係員に聞いてみた。

『波乗りするためにグレート・オーシャン・ロード方面へ行きたいんだけど、いく方法を教えて下さい』 ここでも親切な係の人が教えてくれた。

『ココからSouthem Cross(サザンクロス駅)まで行ってそこで電車に乗って、まずGeelong(ジーロング)という街まで行く。そこからはバスに乗り換えて波乗りできそうな海岸のあるTorquay(トーキー)という場所に行くといいよ!』

おぉー!やったー!サンキュー! 何か解決の糸口が見えてきたかな!? 

乗車券はサザンクロス駅でいつでも購入できることまで聞いた。やっと波乗りできそうな場所へ行くための目処(めど)がついたって感じか!? 

この時、日本を経ってからすでに3日が経っていた。

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