見出し画像

#良い旅を! 

今朝がJanJucサーフクラブで迎える最後の朝だ。明日の朝は日本に帰国するためメルボルンにいる。今朝の景色をシッカリ目に焼き付けておこうと思った。

簡単に朝食を済ませてから9:00のバスにのる為に早めにクラブハウスを出発した。

昨夜のうちにオーナー夫妻とはお別れの挨拶をすませているのでクラブハウスの入り口のカギは開けっ放しだ。

2本のサーフボードと、わずかばかりの着替えの入った使い古されたバックパックを背負いながら、意外に遠いバス停までトコトコ歩いていると、通りすがりの親切な人がバス停までクルマにのせてくれた。

この人は、ジェシカといって滞在中には会ったことも話したこともなかった、まったくの初対面だったのに、こうしてバス停まで乗せてくれているとても親切な人なのだ。

重いボードケースを引きづるようにして歩いていたから、大変そうに見えたのかもしれない。

『オーストラリアの人たちの沢山の親切にホント感謝してます。』と伝えると…

『これからも、あなたにとって良い旅が続きますように!』ってジェシカからの返事だった。

あなたにとって良い旅を!

良い言葉だなぁ!バスに乗ってからもジェシカの言葉を思い出していた。こういう一期一会の出会いって…やっばサイコー!

JanJucに来る時はドキドキと不安でいっぱいだった心が…今はたくさんの思い出でいっぱいに満たされていた。

気づいたらバスはGeelongに到着していた。

荷物を運び出しメルボルン行きの列車に乗り換えるため駅のホームへと移動する。ホームで電車を待っていると、ビジネススーツを着た1人のアジア系の男性に声をかけられた。

『あんた中国人だろ!』ストレート過ぎてビックリしたが…

『いや、残念ながら違うよ。日本人だよ。』期待していた返事ではなかったので相手の表情がどこか寂しげだった。

それから電車がくるまで少しの間、会話をした。聞けば…単身赴任でオーストラリアに来ていて、周りに中国語で話しができる人がいないのでフラストレーションがたまっていると言っていた。

『同感です。その気持ちよくわかります。オレも2ヶ月間そうでした。』思いがけないところで共感できる相手に出会った。

1996年当時、オーストラリアに来る中国人の数はまだまだ少なく、来たとしても大半がビジネスだと言っていた。

中国人観光客が増えるのは、もう少しあとになってからの話しのようだ。

別れ際に…
『こうして話せて良かったです』と伝えたら『これからもあなたにとって良い旅を!』と励まされた。国や目的は違っても、旅人同士、気持ちは通じ合うようだった。

列車の車内でも、スーツをビシッと着たオーストラリア人と思われるビジネスマンに話しかけられた。

『そのボードケースの中には何本入ってるの?』

『2本ですよ。さっきまでJan Jucという街にいたんです。』『カクカクしかじかこういう訳で沢山の人にお世話になっちゃいました。明日、日本へ帰ります。』

…と、今回の旅であった出来事を簡単に説明した。もちろん、出会ったみんなが、とてもとても親切だったことも説明した。

ビジネスマンは…『そうかぁ!良い経験したね。これからもあなたにとって良い旅を!』

オレのメチャメチャな英語を嫌な顔せずに聞いてくれたGoodMenだった。

今日話しをしたみんなが、会話の最後に必ず "良い旅を!" って言ってくれてたっけ!

なんかこの言葉!元気がでて良いなぁ!旅人にとってのマジックワードだな。

超ヘビーなボードケースとは対称的に、超ライトになったハートで、メルボルン市内のホテルに到着した。

今日1日、出会った人たちを思い出しながらビールでも飲もう! そんな気分だ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?