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#カリフォルニア ローカルサーファー❗️

カリフォルニアのサーファーは、みんな波乗りが上手い。と、言うのも・・人々の生活の身近な距離(身近と言っても車で数分は掛かる距離だが・・)に海があり、平日だったら学生は朝と夕方にビーチに来て、働いている人も仕事が終わった夕方には毎日のようにビーチに来ている。サーファーだったら波が小さくてもフラットではない限り、波乗りして・・波乗りしない人たちも、友達とワイワイしたり、サンセットを見たり、スケボーやったり、ちょっとヒザまで海水に浸かってバシャバシャ水遊びをしてみたり・・・サーフィンする人、しない人どちらの人たちも愉しめるように海岸とその周辺がキレイに整備されているのもポイントが高い。

ピアがあってレストランやショップが並んでいるのもビーチにみんなが集まりやすい雰囲気になっている。ビーチに原宿の竹下通りをそのまんま持ってきてしまった感じだ。みんなが思い思いの時間をビーチで過ごせるってこと。日々の生活の中で海と触れ合っている時間が断然長い!こういった環境は、オージーサーファーの生活スタイルとも似ている。

こういった環境があるからなのか・・ツレの彼女が不機嫌になることもなくサーファーは波乗りに集中できる。波乗りする人にも、そうでない人にも、お互い見えない垣根のようなものは、ココではまったくないように感じた。一般人たちのサーファーを見る目がとても優しかった。そんな温かい環境でサーフィンするんだから、みんな日増しに上手くなっていく訳だ。

カリフォルニアのビーチを象徴するのが砂浜から海へとニョキっと伸びた桟橋(ピア)だ。

ハンティントンビーチにあるピアは長さが約564メートルもある。先端には海が一望できるダイナーがあってロケーションは申し分ない。ハンティントンビーチで波乗りする時は、このピアから沢山のギャラリーの視線を浴びることになり、波待ちしているローカルサーファーの視線とダブルで緊張した。

このピアに砂がつき、地形が整ってくると…規則正しいマシンウェーブのような波が立つ。ハンティントンビーチには、比較的に年齢の若いサーファーが多かったけど・・トラッセルズには、その上の年代20代後半から40代ぐらいまでのサーファーが集中していたように思った。

どちらのポイントもブレイクの早い波質でクイックな動きを得意とするサーファー好みのブレイクだった。オレにはこの早いビーチブレイクでの波乗りがキツかった。その中でローカルサーファーに混じって良い波をゲットするのは容易ではなかった。

普段はお互いが仲良しな友達同士でも、ひとたび海に入れば、友達だろうが容赦なく波を奪いにいく。友達も波を取られないように必死にパドルする。ましてやビジターのオレには当たりがかなり強かった。まだ小学生ぐらいのキッズサーファーに『ヘイ!ジャマだ!』なんて言われて凹んだこともあった。

日本人のオレよりは身長が高くて体格もガッチリしているのにサーフボードの長さは5フィート後半!この短めのサーフボードで素早くレールを切り替えて加速していくんだから体幹の強さが半端ないんだろう!

それは、オーストラリアJanJucで経験したマイペースな波乗りとは次元が違っていた。どちらかと言うと、コンペティションを意識したコンテストサーフィンそのものだった。

周りを見渡せば・・そこにいるサーファー全員が、血に飢えた野獣のように見えてきた。それでも辛抱強く、上手い人たちの波乗りを観察しながら、どこが波のピークでどこで波待ちすればいいか考えながら良い波を待つことにした。

トラッセルズには、心穏やかに波乗りするローカルサーファーが何人かいた。その一人がクリスだった。思うように波がまわってこないオレに良い波を何本か譲ってくれたナイスガイだ。

ビーチには、クリスの彼女エレナが待ってくれていた。クリスとは、ある日のトラッセルズでの夕方の波乗りで知り合った。その後も、何度かトラッセルズで顔を合わせることがあった。

海上がりに、トラッセルズのポイントからトコトコ歩くか…スケボーでガーガー滑って行った先にコインパーキングがあって、隣接しているバーガーショップ "カールスJr"でクリス、彼女のエレナ、そしてオレの3人でハンバーガーを食べながら、波乗りの話しで盛り上がった懐かしい思い出がある。

クリスは、働きながら波乗りに通っている。そして、幼少からカリフォルニアでサーフィンしている生粋のローカルサーファーであり、大のドジャースフリークだと言っていた。滞在中に一度ドジャーススタジアムにメジャー観戦に連れて行ってくれたことがあった。オレも野球が好きなので、クリスの話すメジャーリーグは最高に笑えた。その時のエレナは半ば呆れたような顔をしながらも…笑顔でクリスの話しに耳を傾けていたのが印象的だった。

余談だが…カリフォルニアにはメジャーリーグのチームは5球団あって、ローカルサーファーの間でも、みごとに贔屓(ひいき)のチームが分かれるそうだ。

サンフランシスコ(ジャイアンツ)、オークランド(アスレチックス)、ロサンゼルス(ドジャース)、アナハイム(エンゼルス)、サンディエゴ(パドレス)………

波乗りしている時と同じで…友達同士と言えども、応援するチームが違えば絶対に負けられない。時には激しい口論になることもあるんだとか!

………あれから約20年の月日が流れてしまったが…クリスとエレナは、今もロサンゼルスに住んでいるんだろうか?マウンド上で好投するドジャースブルーのユニフォームに身を包んだ"前田健太"の力投を見るたびに2人のことを思い出す。

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