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#波乗りは楽しい!

JanJuc(ジャンジャック)に到着して早々に、2日続けて夜の歓迎を受けたオレだが・・夜が明けて朝日が昇ろうとするとサーファーのスイッチが入るらしい。

どんなに頭が痛く二日酔いでも、朝一番に海に入るために目が覚める。

サッ!っと身支度してボードを抱えて海に行く。と言ってもクラブハウス前なので数十歩でいける距離なのが嬉しい。

まだ朝日が昇る前。うっすらと東の空が白みががった頃だった。

空気は冷たく、吐く息は白い!目をこらすと海上にはうっすらと筋張った線が何本か見える。『ウネリだ!ウネリが入ってきている。』波のサイズはモモ〜腰!決して大きなサイズではないが、ポイントにはオレともう1人のサーファーしか入っていない。

ここクラブハウス前は、ボトムが100%ビーチのポイントだが、南極大陸から届くウネリは、サイズが小さくてもとても力強い。おまけに海水は・・つ、つめたい!

もう1人はさすがにローカルだけあってウネリの方向を定めて、素早く波のピークへとパドルしテイクオフ、一瞬にして加速して波に乗っていく。小さい波ながらも波のボトムからトップまで目一杯使いながら乗っていく。

スゲェー!オレは、まったくもって波のリズムにのることができなかった。それでも波は2人の貸切なので、波を取り合うこともなく1時間30分ぐらいは入っていたと思う。2人とも同じぐらいのタイミングで海から上がった。

『いい波だったね!』ってオレから声をかけてみると

『これから前線が近づいてくるから多分、数日後には波のサイズが上がるぜ!』

なんて教えてくれた。オレがそこのクラブハウスに泊まってるんだ。って教えたら、『じゃ!また海で会おうぜ!』って言って車で去っていった。ウエットスーツの上からでも、わかるぐらい筋骨隆々なサーファーだった。生活習慣とか食べてるものが違うせいか、体のパーツが何もかも大きくて、ぶ厚い。オージーサーファーと日本のサーファーとの根本的な違いを目の当たりにしたようだった。

何はともあれ・・朝一番の波乗りは格別だ!

昨晩、一緒に騒いだみんなは、まだ寝ているようだった。

軽くシャワーを浴びて、クラブハウスの2階に上がり冷蔵庫からベジマイトを取り出しパンに塗って、お湯を沸かしてインスタント・コーヒーを入れた。体の中に食べ物が入ると、さっきまで冷えていた体が少しづつ温まってくるようだった。

朝のニュースでは『今日は夕方ぐらいからオンショアが強くなってくるでしょう。波のサイズは・・・』と、お天気お姉さんが言っていた。ここオーストラリアの沿岸部では、天気予報と波情報を一緒に伝えてくれる。さすが海洋大国だ。ここでも軽くカルチャー・ショックを受けた。

せめて日本の沿岸地域ではこういうの取り入れてもいいと思う。こういう日常の小さなこと一つにしても日豪サーフカルチャーの違いを実感した。

明日、クラブハウス前のビーチではライフセーバーの大会が開催される。ティム、ロイ、キニーの3人もその大会に出場するらしく朝食がすんだらそれぞれ家に帰っていった。

久々のフリーな時間。風が出てくる前にもう1ラウンド入るか!? そう思って、波チェックする。少し風の影響を受けているのか面がざわついている。ここのポイントには風をさえぎってくれそうな岩とかがまったくないので、オンショアの影響をまともに受けてしまう。それならば・・・お隣Torquay(トーキー)のビーチまで行ってみようと思った。

バックパックに、まだ濡れているウエットスーツとバスタオル、それにベジマイトを塗ったベジサンドとペットボトルの水を入れ、サーフボードをかかえて歩き出した。車どおりを歩いていくと遠回りになるのでビーチ沿いの砂地の道をテクテクと歩いた。たっぷり20分、ようやくトーキービーチに到着した。

ここは小さな湾のようになっていて、左右に大きな岩があり、それらがうまい具合に風をかわしてくれている。膝ぐらいの小さな波ながらも風をかわしてくれているのでなんとか楽しめそうだ。今日みたいに風のあるときには波乗りに来る人もいないのか貸切のポイントでの波乗りとなった。

休憩を挟んでたっぷり2時間は入っていたと思う。波はイマイチだったが楽しい時間だった。帰りはウエットスーツのままバックパックを背負い、ボードをかかえて歩いてクラブハウスまで戻ってきた。

夜、誰もいないクラブハウスの2階はやけに広くてヒンヤリとしていた。買い置きしていたオージービーフを焼いて、ビールを飲みながら1人の夜を黄昏(たそがれ)ていた。この時間がなんともいえないなぁ!


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