#レトロ・シングルフィン
ティム父さんから借りたレトロ・シングルフィンでサーフィンを練習して数日が経った。
フィンが3本ついているトライフィンでサーフィンを始めたオレだったので、フィンが1本しかついていないシングルフィンでのサーフィンはまったくの別物だった。
乗れば乗るほどにサーフボードというのは、より良い波に乗るために、ボードを削って仕上げてくれたシェーパーによって試行錯誤を繰り返されて作りだされたハイテクな道具だということを実感する。絶えず変化している波に合わせて、そのボードの特性を最大限に生かしてあげるのがそれに乗るサーファーの役目なわけだ。
今、オレがこうして乗っているティム父さんのレトロシングルフィンを削って仕上げてくれたシェイパーは、どんな波を想像して削ってくれたんだろうか?
バードロックの海に浮かんで波待ちをしている間に、レトロシングルフィンの誕生までをさかのぼって想像してみる。その時間は、作り手のシェーパーと乗り手のサーファーが対話しているようでもある。
ボードの長さは6フィート!オレが普段使っているトライフィンのボードとほぼ同じ長さ。そのかわり厚みはトライフィンの倍ぐらいはあって、とにかく浮力はたっぷりある。
なので・・ドルフィンスルーをやるにもボードが沈まない。波に乗ってもクイック・ターンはできない。など・・できないことを上げればいくつも出てくるが当時はそれらのすべてが最先端だったんだろうことは想像できた。
視点を変えれば・・浮力があるってことは、誤魔化しのターンは通用しないので、『しっかりとレールを使ってターンすることを意識しなさい!』という作り手からのメッセージとも受け取れるし、厚めのボードがドルフィンスルーで沈みづらいのは、『手の位置や足の位置を考えながら試行錯誤して完璧なドルフィンスルーをマスターしなさい!』というメッセージとも受け取れる。
そんなわけで、誤魔化しの効かないレトロシングルフィンと格闘する日々は、しばらく続きそうだ。
いつもと違う乗り味のサーフボードで波乗りするってこんなに新鮮な気持ちになれるってことにも驚いている。
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