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時間軸が離散的な息子氏と、多様な脳味噌の個性について ~その③

【前回の話はこちら↓】

※免責事項的なアレ:できる限りやりとりを正確に思い出して書いたつもりですが、必ずしも医療情報の正確性を保証するものではありません。その旨十分に予めご了承のうえお読みになり、お困りの際には専門家にご相談ください

怒るのは逆効果!?

赤ちゃんの頃から両親や祖父母の愛情をひとり占めにしてきた、一人っ子と初孫をアンド条件で兼ね備えるある意味最強の息子氏。大きくなって、少々困ったことをするようになっても、基本的に厳しくせず相当甘やかして育ててきたように思う。

そういうのがいけなかったのかしら。あるいは、私も夫も社畜モンスターで彼に真摯に向き合ってないのがいけないのかしら。

そう思って、
「私たちは彼に甘いと思ってます。厳しく接した方がよいのでしょうか?」と先生に聞いたところ、
「いえ、今彼に一番必要なのは理解される体験です。親御さんが息子氏さんに理解される体験をさせてあげることこそ重要です」と先生はおっしゃる。

「息子氏さんが望ましくない行動をしたとき、怒りますよね。」
「はい、怒られたらやめようと思うじゃないですか、普通」
「それがですね、怒られると親の気を引くことになり、子供は快感を感じるので、むしろ増長します。逆効果なんです。

つまり、ここ何日か私が怒っていたのは完全に逆効果だったのだ。

「大事なのは、望ましい行動をしたときに大げさなぐらい褒めることです。そうすることで、その行動を伸ばすことができます。例えば、宿題できたとか、時間守れたとかがあれば、オーバーに褒めてください。それを辛抱強く続けてください。
「…。」

実は褒めが足りなかった説

「最近、息子氏さんを褒めたことはあります?」
「うーん特に…。たぶん私がハードルを上げすぎてて、望ましい行動に気づけてないのかと」
そういうと、先生はうんうん、と頷く。

「たぶん、これまで彼はいろんな場でたくさん怒られたのでしょう。だからこそ、親御さんが褒めてあげることが重要です」

…確かに、以前厳しめの保育園に通っていた時、集団行動を守らないので先生に「私たちも困ってますしぃ、息子氏君小学校ですごい困ると思うんですよぉ」と言われてたので、家に限らず怒られてきたのだろう。
(※その後これはヤバいと思って転園した)

「学童や学校で先生が優しく接してくれているそうですね。それはすごくいいことです」
「昔、怒鳴ったり殴ったりする先生とか普通にいましたよね。最近はそういう人いないんだと驚きました」
「いや、場所によってはそうではないです。そういう場合、不登校につながります。なので親御さんが環境に介入することが大事です」

まとめ

そろそろ30分が過ぎようとしていたので、先生がまとめに入りだす。

・息子氏は体験の時間軸が離散的。ゆえに、
 前こうだったから**後でこうなるから**
 という説得は完全に意味不明
・これは、脳味噌の個性で病気ではない
・できないことを怒るのは完全に逆効果
・それより、できたことを褒めることが重要
・この状態は高学年まで続くので辛抱強く続けれ

とのことだった。

その後、何かできたら両親で息子氏をとっ捕まえて死ぬほど大げさに褒めるということを地道に続けている。たまに「宿題が終わったから褒めて?」と言いに来るので、いい方向には働いているのだろう。

結論、識者に話を聞いてよかった。やはり餅は餅屋である。カウンセリング料XXXX円とか、マジのマジで安すぎる。
すべての親は結局素人であって、プロの親などいない。困った時に独りよがりになって問題を拗らせてみんなで不幸になるよりプロに頼った方がよっぽど幸せになれるかもということを伝えたくてこの文章を書きました。

脳味噌の個性を認識しよう

これは親子に限った話ではなく、自分も含め社会にはこういう多様な脳味噌の個性が溢れているのだろう。自分の価値観にあわないことがあると、
「いや普通**でしょ?なんなのあの人マジで信じられねぇ」
と思っていたが、それこそ間違いなのだろう。

そもそも、今回の息子氏の脳味噌の個性は、「未来の予測が立てにくい、前の体験とのつながりを理解しづらい」というデメリットはあるが、「過去も未来も気にせず思い切り今を楽しめる」というメリットもある。私たちがいかに過去や未来にとらわれてつまらないありきたりな判断をしてるかを思い返すと、必ずしもマジョリティが優れているとは言い難い気もする。

脳味噌の個性がある前提で人と接するのと、そうじゃないのとではコミュニケーションの質に違いがあるのだろう。
自分は無知な行動を繰り返していたと思うと、ゾッとする。

【おわり】

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