ポンコツ社畜が新疆ウイグル自治区に行った話① ~プロローグ

2019年12月。年末どうしようかという話が家族から出るそんな時期である。例年、我が家では夫の実家に長期ホームステイ(1週間)することになっている。なかなか見れない孫の顔をお義母さまに見せるという意味で我が家では重要なイベントである。

画像1

なお、私は義理の実家で特に冷遇されるわけでもなくむしろ好待遇なのだが、正直毎回、私の存在は求められていないと感じる。今年は割と仕事で年末にかけて心が死にかけていたし、このまま義理の実家に突入したら間違いなくライフが0になる。職場復帰も難しいかもしれない。

そこで、
「今年は行かないから、っていうか一人で旅行行ってきますわww」
と夫に告げたところ、
「ふーん」
みたいな答えが返ってきた。

さて、どこに旅行するか。旅行先といっても、ヨーロッパやハワイ、オーストラリア等、リアルに充実してない私が行ったら自爆テロを起こしかねないところはまず除外対象となる。となるとアジアである。

私は世代的にNHKのシルクロード特集やら紀行番組やらをアホほど見せられて洗脳されたクチなので、シルクロード的なものに憧れをもっている。となると、ウズベキスタンとかあのへんのスタンスタンスタンしてるところかな~と思って旅行会社に問い合わせてみたところ、3*万円のお見積もりが返ってきた。

却下。

やはりツアー的なものに頼ろうとするからいけないのだ、と思って航空券とホテルだけ予約しようとしても、やはりそこそこお値段してしまう。
そこで、新疆ウイグル自治区もちょっとシルクロードっぽいし、スタンスタンじゃないけどそれでもいいかな~と思って探してみたところ、カシュガル行きで私のご予算の範囲内のものを見つけた。

さて、こういう時に決断をためらっていては男ではないが漢がすたる。私はコンビニで買ったハイボールを飲み干し、酔った勢いで深夜に予約ボタンを押下した。

---

ウイグルに旅行すると言ったら後輩が2人ほど「気を付けてくださいね…怖い人とかいっぱいいると思いますよ…」と言ってわりと心配してくれた。彼らの本心はわからないが。

そんなヤバいところなのか…。と、出発日が近づくにつれて私の中のヤバみゲージがじわじわと上がっていった。正直始まる前から旅行の予約を盛大に後悔していたがキャンセル費用発生日もとうに過ぎていたので、私も重い腰をあげて旅立つことにした。

ところで、1週間近く母親が不在になることについて息子はどう思っているのだろうか。我が家では夫が主体で家事育児をやっており、私はただのATMではあるが、母親が長期で不在なのは影響大なのではないか。
思い切って息子に聞いてみたところ、

「ママ、中国おもしかったら教えてね、じゃあね」
(※おもしかったら→おもしろかったら)

という答えが返ってきた。
(②につづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?