Market Insight: インフレーションの時代は来るか?
Market Insight:
Cathie woodさんのInterviewからの考察
インフレーションの時代はくるか?
これまで、FRBは1980年以来、金利引き上げなどを通じて、インフレと戦うために努力してきました。しかし、昨年8月に、FRBは、「デフレと戦う」と宣言しました。最近、多くの投資家の方々が「インフレ」を心配していますが、FRBはむしろデフレの方を心配しているように見えます。その根拠は、パウエルの演説内容及びFRBがインフレ連動国債を買い続けていることから探すことができます。
その結果、今年も景気が反発し、FRBがターゲット2%よりも高い水準までインフレが上昇するかもしれません。2020年の低い成長率と物価を考えると、物価水準の反発は十分に予想可能です。そうすると、メディアとマーケットはインフレの時代がきたと大騒ぎをするかもしれません。
FRBはこのようなことを予想し、事前に対策を取っています。金融政策を平均物価目標(average inflation target)を用いて管理すると宣言しました。しばらくの間、物価の暗黙の目標値である2%を超えたとしても、金利を平均的レベルで管理することにより、金利の引き上げはしないということです。これは強力なシグナルです。つまり、FRBは、物価上昇だけではなく、労働市場まで含めて状況を判断し、労働仕様の不振まで払拭するほどの景気の回復ではないと、金利はあげないという強力なシグナルを送っています。
したがって、我々はフォーカスすべき部分は、少なくとも2023年までは、インフレに対する懸念より、Covid-19によるデフレを克服できるか焦点を合わせるべきです。
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