見出し画像

胸トラップの重要性


今回は特に、仰々しく解説をするつもりは無かったのですが、
ここ数試合を見ていて、より感じるようになってきた
いわきFCの『胸トラップ』の強みについて、
短く簡単に触れておきたいと思います。


飛んできたボールを受ける時、
フットボールでは腕や手を除く、身体の様々な部位で
止めることが出来ます。
このボールを止める動作を『トラップ』と言います。

もちろん、その場面において
『最適なトラップ』
というのは飛んでくるボールの質や
相手とのポジション関係で変わるものなので、
一概にどういうトラップが良いというわけではなく
そこに正解はありません。

ただ、いわきFCの試合を見ていると、
必ず目についてくるのが『胸トラップの多さ』です。


足や頭でボールをトラップするのと同様に、
胸トラップもある程度の技術を必要としますが、
その他の部位とは明らかに異なる部分があります。

それは『ボールの当たる面の広さ』です。

面が広いということは、
その分、足や頭でトラップするよりも
確実にボールの衝撃を吸収し、
自分の身体の近くにボールを落とすことが出来ます。
点ではなく『面』で受け止められるということは、
確実性の高いトラップであると言えるのです。


その上で、プレー中に胸トラップをするために必要なことは
『姿勢を柔軟に維持できる体幹』
です。
ここに、いわきFCの肝となるフィジカルの強さが
表れているのだろうと私は感じています。


通常、
(そのボールはヘディングで返すだろうな)
と思う高いボールが、いわきFCの試合においては
『胸トラップ』になっていることが少なくありません。

点で合わせて返すはずのボールが、
面で受け止めて足元に落ちる。

このわずかにも思える違いは、
90分という試合全体を考えた時には
大きな差となります
なぜなら『マイボール』の状況を作り出す上で、
胸トラップはより確実性の高いトラップであるからです。

点ではね返したことによって、
どちらのボールになるか分からない状況よりも、
面で受け止めて
確実にマイボールにする方が、
次の攻撃に展開する流れが持続しますし、
守備をしている相手からすると
流れが断ち切れなくて嫌なわけです。


冒頭の日高大選手がtwitterで紹介してくれた
岐阜戦1点目のシーンについても、
鈴木翔大選手の胸トラップによるボールの収まりから
得点へと繋がる流れになりました。

あの場面についても、
ボールをヘディングで逸らしたり、
足でトラップするよりも
胸トラップで確実に身体の近くへボールを置くことで、
攻撃の流れが繋がりました。

決して簡単なプレーではありません。
タイミングを合わせて、
上体を後ろにそらしながら、
うまく勢いを吸収して、
さらにその後のプレーに繋げなければならないのです。
体幹の強さと筋肉の柔軟性によって、
姿勢がコントロールできてこそ、
可能になる難しいプレーだったと思います。

いわきFCの運動量とフィジカルの強さを活かした
『攻撃の壁』は、
こういう様々な『小さな違い』をモノにして
構築されているんだなぁ、
と今回の試合で改めて実感するに至りました。


皆さんももし余裕があったら、
試合を観ている頭の片隅で
『胸トラップ』
をちょっと意識してみていただければ
より楽しくフットボールを観ることが
できるかもしれません。
(特に冒頭の得点シーンのような、
攻撃時に高いボールへ対応する時の胸トラップは違いが分かりやすいです)

また、他チームの試合を観てから
いわきFCのゲームに触れると、
その頻度や有効性が
さらに感じられるのではないでしょうか。

いわきFCの選手たちが魅せる胸トラップ、
ホントにスゴイっすよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?