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時代を司る星 冥王星

占星術の世界では、

太陽
水星
金星

火星
木星
土星
天王星
海王星
冥王星

の10天体を主に用いることが多いですが、
太陽を中心として外側に離れれば離れるほど
より大きな単位への影響力として表現される
流れがあります。

基本的にはグラデーションのようなものなので、
明確な境界線があるわけではありませんが、
ざっくりと分けると、
公転周期が短いものほど
より個人のパーソナリティに影響が強く、
公転周期が長いものほど
より集団の傾向性への影響が強くなります。

そのため、

太陽
水星
金星

火星
木星
土星

ぐらいまでは個人の傾向性がメイン

天王星
海王星
冥王星

については集団の傾向性がメイン


というようなイメージで、
私は星回りを読み解いています。


この中でも、248年をかけて太陽の周りを一周する、
最も公転周期の長い

冥王星

は、約15年ごとに星座をまたぐため、
『時代の傾向性』というような視点で
用いています。


たとえば

具体的に例をあげていくと、

1800年代初頭
冥王星は魚座から牡羊座へと移ります。

占星術の世界では春分を起点にして
牡羊座をスタートラインとして扱いますので、
魚座は生まれ変わりの境界線になります。

この時代に何があったかというと、
『産業革命の広がり』
です。

それまでの世界を構築していた『当たり前』が生まれ変わり、
新たな時代を支える生産体制、経済体制が広がっていきました。

水の星座である魚座から、火の星座である牡羊座へ
水は主に『感情や愛情』
火は主に『情熱や野心』
というイメージとなります。

境界線をもたない海、というイメージを持つ魚座の時代に入って、
個人だけでなく集団を巻き込むような感情や愛情のうねりが高まり、

生まれたばかりの赤ん坊のようなパワーと生命力、というイメージを持つ牡羊座の時代へと移るのに合わせて、
そのうねりは新たな情熱、新たな野心として
新世界の秩序、パワーバランスを産んでいきました。

ちょうどナポレオンが欧州を席巻していたのもこの時代の前後になります。
彼が生をうけた時、冥王星は山羊座の位置にありました。
厳格さのなかに責任や義務を負い、
権力や伝統といったものが幅を利かせていた時代に育ち、
その雰囲気から学びつつも、
知識への貪欲さ、現実的な視点、不確かさへの抵抗、といった
イメージを内包する時代に生を受けたことで、

世界秩序の『破壊と再生』の一翼

として猛威を奮ったのは
占星術の流れから見ると「なるほどなぁ」と
感じる部分です。


風の時代

さて、話を現代に戻します。
実は今、私たちは時代の境界線にあります。

2008年1月に
冥王星は射手座から山羊座へと移りました。
火の星座から地の星座へ
情熱や野心で盛り上がっていた時代はやがて頭打ちになり、
変わって、堅実さやひたむきな努力、実利的な視点などが
重視されるようになっていきました。

ちょうどこの時代の境界線を越えた直後の9月に
リーマン・ショックが世界を襲いました。

これも前の時代の雰囲気が
そのままでは通用しなくなったという意味で、
象徴的な出来事であったかもしれません。


そして、2008年から山羊座を運行していた冥王星は、
2023年3月に水瓶座へと移ります。

次の時代は『風の星座』になります。

それまでの堅実さやひたむきな努力だけでは
通用しなくなり、
具体的な理論や考察に基づいた
シンプルな価値観、美意識のようなものが
閉鎖的ではなく、解放感をもって、
主流になっていく時代です。

まぁ、境界線をまたいだからといって、
すぐに何かが起こるというわけではありません。
時の流れが繋がっているように、
こうした時代の変遷もまたグラデーションです。

すでに風の時代の基礎となるものは、
世界のそこかしこにあります。


たとえば、
水の時代に、人と人との感情をよりタイムリーに繋ぐ手段として普及し始めた携帯電話やポケベルは
やがて火の時代に、野心と情熱をもってスマホへと進化し、
地の時代には、SNSの普及などと合わせて社会へと定着して、
いまや1人1台以上の生活必需品となりました。

さて風の時代にはどう変わっていくのでしょうか。
これはもう後の世で結果を見るしか知る方法はありませんが、
個人的には『よりシンプルで洗練されたオリジナリティ』のある形へと
生まれ変わっていくかもしれないなぁ、と思っています。
ゴチャゴチャといろんな機能をつけていくのは、おそらく既に頭打ちになっていると思うので、
『より簡単、より手軽で気楽、より速く、より自分らしく目立つ』
みたいなものが、これからのビジネスの主流になっていくんだろうなぁ、なんて思います。

『みんなと同じ』ように堅実に努力を重ね、実利的に物事を見る、
というスタンスは当たり前のものとして美学にはされなくなり、
より『理論と分析』に基づいた『効率的かつ独自性』のあるスタイルが、
これからの価値観のメインになっていくでしょう。

そしておそらく、風の時代の風向きを教えてくれるのは、
地の時代で培った『多角的な損得感情』だと個人的には感じます。

場当たり的な美学に左右されることなく、
今、自分がどういう振る舞いをすることが
自分にとって、自分の愛するモノにとって、
自分の目標にとって、自分の人生にとって、
プラスになるのか、マイナスになるのか。

おそらく地の時代では嫌というほど
マイナスを考えないネガティブな正義感とか
理論や分析に基づかないプラスの少ない価値観
みたいなものにそれぞれが振り回された経験は
あると思います。
これは火の時代に培われた『情熱や野心』を
そのまま地の時代に持ってきてるから、
時代にそぐわず軋轢が生まれるんだと思います。

少なくともこれからの時代では
その『損得感情』はあくまでベースでしかありません。
そこにどれぐらいのオリジナリティをシンプルに上積みできるかが
風の時代で培うべきものになっていくはずです。



さいごに

この風の時代は2043年まで続きます。
そして次は水の時代 魚座です。

冒頭で触れた産業革命、ナポレオンの時代へと
時の流れは一周していくことになります。

生まれ変わりの境界線は2067年。
新時代の秩序を創造していく人材は、
おそらく既に今、この世に生を受け、
育まれていることでしょう。

いよいよ宇宙への開拓が始まっていくのか、
はたまた時空を超えた旅が始まるのか。

どうなるかは神のみぞ知るものではありますが、
ようやく人類の知恵と叡智が歴史を振り返れるだけの
情報と知識、経験の蓄積ができるようになった現代です。
過去から学び、過去を知り、
力によって破壊と再生を行わずともすむような、
新時代になることを切に願います。




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