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ひとりうんどうかい

東京を離れて、今のところに生活の拠点を移してもうすぐ2ヶ月が経つ。

早々にホームシックになったが、今は顔見知りもできてなかなか楽しい生活をしている。


こちらに来て感じたいいところは、

自然に溢れているところ(虫多くてヒィーってなるけど)
周りの音が自然音ばかりで静かなところ(人の声がしないと寂しいのでラジオばっか聴いてるけど)

他にも色々あるけれど、1番「いいな〜」と思っていることは、

見知らぬ人でもすれ違い様に「おはようございます」「こんにちは」と挨拶が交わされるところ だ。


移ってすぐの頃、下校途中の小学生から「こんにちは!!」と元気に挨拶をいただいた。「え?!私に言ってます?!」とびっくり。


都会では(特に子どもたちに)「知らない人には声をかけちゃいけない」と言ってしまうが、やっぱりこういう方がいいな〜とつくづく思った。

だから、私もソッコーでこの良き習慣を実行。笑顔で挨拶は保育士時代に身につけたスキル。

下校途中の小学生に

「こんにちは〜。おかえりなさーい」


小学生「おかえりなさい!えっ!あっ!ちがっ…こんにち…(フェードアウト)」


困らせてしまった。



夕方、涼しくなってきてジョグに出かけた。

走っていると、向かいから電動シニアカーに乗ったおじいさんがいた。

すれ違うときに、「こんにちは」と声をかけた。

すると、おじいさんから話しかけられた。

「この辺で富士山はどこに見えますか?」

「あっちの方向に見えます。けど、今日は曇ってて見えませんね」

「そうですか。この先に何かありますか?」

「え?何か…民家と田んぼくらいですね。でももう作業してる人もほとんどいないと思います」

「そうですか。僕は絵を描いてるんですけどね…」(絵を見せてくれる)

「キースヘリングの絵みたいですね!」

「キースヘリング知ってますか?僕は50年前に本人に会ったことがあってね…(云々)」

「すぐ暗くなっちゃうんでお気をつけてくださいね」

「大丈夫です、夜の7時にあそこのご飯屋さんを予約してるのでそれまでには戻ります」

「〇〇(ご飯屋さん)ですかね!あそこ美味しいのですが、すごく量が多いので気をつけた方がいいですよ」

「えっ?そうなのか、いいこと聞いた、ありがとう。これも何かのご縁。何かお礼をしたいけど、何も持ってないなぁ…」

「全然お気になさらず!!!(これから走りに行くのに何かもらっても困るなぁ…)」

「えーっと…(ゴソゴソ)」

「じゃあ、お名前教えていただけますか?」

「あった!じゃあこれどうぞ!」

絵部分を切り取って額に入れられる仕様になってるらしい

「あ…ありがとうございます!」

「引き留めて悪かったね。ありがとう」

「こちらこそ。お気をつけて〜」


挨拶一つで不思議な出会いがあるものだと思った。
別荘で絵を描いているなんてきっと富裕層か有名な画家さんなのでは?!と思って名前を聞いたが、結局教えてもらえなかった、残念。


でさ……、これ折っていいかなぁ…?
でも、帰り道にまた会っちゃった場合。せっかくの絵を折られてると知ったら嫌だよなぁ…。
うーむ…。。

あ、これでいいや。

たまたま持ってたヘアゴム

我ながら中々いいアイデアだったんだけど、
これ持って走りだしたらさ、

完全にこれ、リレーのバトンじゃんって。

ただでさえ外を歩いている人は少ない上に、ジョグしてる人なんて滅多にいない。だから、一応何となく見られているな〜と感じる。

「私のことなんて誰も見てない、大丈夫。私、自意識過剰よ」と、思いつつ、

「なんであの子はバトン持って走ってるんだ?!」

きっとそう思われたに違いない…。

でも、

「うわぁ〜、なんかリレーの選手みたい!恥ずかしいけど、懐かしいわー!」と、思いのほかウキウキ。


思いがけずいいジョグタイムになった。

ま、気持ちはあの頃に戻れたけどさ、

身体はそうはいかんよね。

もう全力ダッシュとか怖くて出来ない…。

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