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子供の頃、犬を飼ってた

8歳の頃、柴犬のチロルがいた。
メスのチロルは私の話し相手。
9歳になり、東京から埼玉に引っ越した。
当然人見知りをする私には友達がすぐできなくてチロルに学校での出来事を話していた。
そんな生活をひと月過ごしたあたりから、
私に話しかけてくれたクラスメイトがいた。
一緒に給食を食べて一緒に下校。
遊ぶ約束をして、いったん帰宅。
母はパートでいつもいなかった。
ランドセルを玄関に置いて、犬小屋から出ているチロルと目が合う。
チロルの視線を振り切って走って友達と約束した公園へ向かう。
学年が上がると友達が増えた。
増えたぶん、チロルと話すことはなくなった。
たまに、給食の残りをチロルにあげる時もあったけど。チロルはシッポを振って喜んでいたけれど。私はチロルより友達を優先した。
小学校を卒業して中学校に入学し、部活を始めた。その頃、チロルは天国へ旅立った。
冷たくなってしまったチロルの背中を撫でた。
懐かしい匂いがした。
ごめんね。
いっぱい話を聞いてくれたの嬉しかったよ。
ありがとね。

今でもたまに思い出す。
ランドセルを背負ったまま話をした日々。

忘れられない、犬の友達。

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