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23年8月第1週決算振り返り②(三井物産、アステラス、三菱UFJ)


引き続き、マイPF銘柄を中心に各決算を簡単に振返っていきます。


〇三井物産1Q決算

【決算概要】
◆1Qの最終利益は前年同期比8.1%減の2528億円
◆通期計画の8800億円に対する進捗率は28.7%
◆配当予想・業績予想に変更なし

3年ぶりの減益ですが想定通りですし、悪くないじゃんといった印象です。

以下、セグメント別の進捗率です。

三井物産決算説明資料より引用

基礎営業CF・当期利益共に通期見通しに対して29%の進捗率。営業CFについては、2,559億円と前期ほどではないにせよ引き続き高い水準のキャッシュ総出力を維持しています。

当期利益の進捗率で生活産業の進捗率が突出していますが、これは国内大手給食事業者で病院給食などを手掛けるエームサービスの公正価値評価(エームサービスの持分法適用会社から連結子会社への区分変更に伴い生じた既存持分の再評価益)に伴うものです。

続いて、セグメント別の四半期利益を見ておきます。

三井物産決算説明資料より引用

想定されていたことですが、原料炭・鉄鉱石価格の下落で金属資源部門の減益幅が大きいです。前年同期比35%の減益で全体の純利益に占める比率は4割から3割になっています。

また、上述のようにエームサービス子会社化が寄与した生活産業や機械・インフラといった非資源分野が好調で金属資源部門の減益分を和らげています。資源商社の代表格たる三井物産で非資源分野が好調で伸びているというのは注目に値します。

なお、次世代・機能推進部門の減益については、前期に計上した不動産事業売却益の反動が出た形となります。

三井物産については準主力銘柄と位置付けていながら、未だ13株の保有に留まっており、忸怩たる思いでいっぱいです。とはいえ、焦って買い増しする水準ではないので、長期的視点に立ち辛抱強く買い増しチャンスを伺いたいと考えています。

1日の決算記者会見にて重田CFOは、「進捗率は29%で想定以上、基礎収益や資産売却額の上振れがあれば追加還元したい」と述べ、配当計画引き上げや追加の自社株買いを示唆しています。頼もしいですね。


〇アステラス製薬1Q決算

【決算概要】
◆1Qの売上収益は前年同期比1.8%減の3749億円
◆1Qの最終利益は前年同期比33.5%増の331億円
◆通期の同利益を従来予想の2270億円→2040億円に10.1%下方修正
◆配当予想に変更なし

減収増益の決算となりました。

売上収益およびコア営業利益の進捗状況は会社想定を下回って推移しており、決算説明資料によると、主な要因は心機能検査補助剤「レキスキャン」の後発品の影響(※)とされています。

アステラス特許侵害訴訟
【事案の概要】
レキスキャンの特許が切れる前に、米製薬ホスピーラが後発医薬品の製造販売承認の申請を米食品医薬局(FDA)に提出したことに対し、アステラスが提訴
【結論】
連邦地裁で訴えが退けられ、高裁でも上訴が退けられ、再審査請求でも高裁に却下された

23年5月11日付日経電子版記事より引用作成

また、日本での営業体制の見直しを含め、グローバルでの組織改革に伴う一時費用(約200億円)およびメッペル工場事業譲渡に関する減損損失(約70億円)をそれぞれ計上したことに伴い、下方修正となっています。

現在アステラスは80株保有していますが、大きく下がるようであれば再び買い増しを再開していきたいと思います。


〇三菱UFJ1Q決算

【決算概要】
◆1Qの最終利益は前年同期比4.9倍の5583億円
◆通期計画の1兆3000億円に対する進捗率は42.9%
◆配当予想・業績予想に変更なし

好決算と言って良いかと思います。

前年同期は米地銀MUFGユニオンバンクの株式譲渡決定に伴う影響があった為、「前年同期比4.9倍」というのは割り引いて考える必要がありますが、それでも前年同期の22年度1Qの実質的な最終利益2,715億円(同社HP記載の22年度第1四半期決算ハイライト参照)に対し今回の1Qは5,583億円ですから約2倍の増益となっています。海外の金利上昇の恩恵を受け、国内外の融資や手数料による収益が堅調です。

以下、損益の概要です。

三菱UFJ決算説明資料より引用

本業のもうけを示す業務純益の増益、持ち分法適用会社の米モルガン・スタンレーの決算期のズレの解消で利益を6カ月分計上したこと、臨時損益として前年のMUB保有債券等の評価損影響の剥落などが大きく寄与し、連結最終利益は大幅増益となっています。

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